日本の食料を考える2013

シリーズ第4回 「農産物の流通の現状」(その2  米と青果物の流れ)

シリーズ第3回の「農産物の流通の現状(その1)」でわかるように、一世帯あたりの食品購入額の減少、中食・外食の増加に伴う加工・業務用需要の拡大など、食品流通は大きく変化しています。今回は、米と青果物(野菜・果実)の流通実態を解説し、そのなかで全農が取り組んでいる施策を紹介します。

私たち全農は現在の流通実態に即した事業施策を展開し、国内農業の活性化を目指します。

主食用米における流通の現状

●全農が取り組むこと

全農では、中食・外食向けの需要が伸びていることをふまえ、大手実需者との結びつきを強めるため、大手実需者とJAを結びつけた播種前・収穫前・複数年契約の取引を拡大します。併せて、精米販売の競争力強化に向けて、品質管理の向上および製造コスト削減を目的としたパールライス卸の競争力強化(精米工場の再編など)をすすめます。

また、生産現場のコスト削減にむけて、トラクターや田植機などの農業機械のレンタルや、省力・高性能かつ安全面・環境等に配慮した肥料や農薬の開発、普及などに取り組みます。

●米の流通実態

生産者が収穫した米は、JAや集荷業者によって集荷されます。JAグループでは、この集荷の段階で、農産物検査員が米の品質等の検査をおこなったうえで出荷します。集荷されたお米は、パールライス卸などの卸業者によって精米され、量販店や生協などを通じ、消費者の皆様へ供給されます。

米の消費量については、加工・外食が全体の53%程度と高い水準を占める実態にあります。

●稲作農家の経営の厳しさ

10aあたりの全算入生産費と粗収益(農林水産省「農業経営統計調査」)を比較すると、規模拡大にともない、 単位面積当りの生産費は低減していますが、規模拡大にともなうコスト増分をカバーする利益が出ていない状況がわかります(下図参照)。

全算入生産費:米の生産に係る労働費(家族労働時間を賃金換算した費用)・資本利子(「総資本額-借入資本額×4%/年」で疑似的に計算)・地代(自作地地代を疑似的に計算)などすべてのコストを計算したもの。

野菜・果実における流通の現状

●野菜・果実の流通実態

野菜・果実の流通は、卸売市場に加え、量販店・食品メーカー・加工業務事業者などの実需者が市場を介さず購入するルートもあり、多様化がすすんでおります。

また、中食・外食向けの加工業務用需要の産地へのニーズは、定時・定量・定質・定価格が基本であり、卸売市場を介するこれまでの青果物流通の仕組みに加えて、生産者と実需者を結ぶ新しい流通が求められております。

●全農が取り組むこと

全農は、重点卸売市場との契約取引の拡大や、生協・量販店等への営業強化など、実需者に接近した販売を強化します。とりわけ、加工・業務用実需者への販売の拡大に向け、カット野菜製造会社である(株)グリーン・メッセージの設立(25年12月予定)を皮切りに、各県本部が連携したリレー出荷体制の構築など安定的な原料確保に取り組みます。また、今後、新たなカット・加工施設への投資・出資、将来の二次加工進出も検討していきます。