日本の食料を考える2013

シリーズ第5回 「農産物の流通の現状」(その3  食肉と鶏卵の流れ)

国産畜産物相場は、回復基調に転じたものの、円安などの影響から飼料等資材価格は高水準で推移しています。今回は、シリーズ第4回の「農産物の流通の現状(その2 米と青果物の流れ)」と同様に、食肉と鶏卵の流通実態を解説し、そのなかで全農が取り組んでいる施策を紹介いたします。

私たち全農は、現在の流通実態に即した事業施策を展開し、国内農業の活性化を目指します。

食肉(牛肉・豚肉・鶏肉)における流通の現状

●食肉の流通実態

食肉の輸入割合は、牛肉が最も高く、国内流通量の約60%、豚肉が約50%、鶏肉が約25%のシェアを占めています。
食肉の消費面で見てみると、中食・外食、加工品の割合が多く、国内品と輸入品の価格差が大きいため、高級品は国内産を、外食チェーンなどの大衆品は輸入肉を使用するといった棲み分けがすすんできています。

また、現在の法体系では、(1)串刺し生鶏肉が冷凍で輸入され、国内で調理・加熱された「焼き鳥」に鶏肉の原産地表示は不要、(2)海外で下処理(1次加工)した豚肉を輸入し、国内で製造されたハム等の原産国表示は不要などの対応となっています。

●畜産農家の経営の厳しさ

食肉の消費量は、増加傾向となっておりますが、消費者の低価格指向を受けて、豚肉は牛肉から、鶏肉は牛肉・豚肉からの移行がみられるとともに、輸入が増加してきております。牛肉の全算入生産費と1頭当たりの粗収益を比較すると、飼料価格高騰などのコスト転嫁がすすんでいない状況がうかがえます。

全算入生産費:1頭当たりの牛・豚の生産に係る労働費(家族労働時間を賃金換算した費用)・資本利子(「総資本額-借入資本額×4%/年」で疑似的に計算)・地代(自作地地代を疑似的に計算)などすべてのコストを計算したもの。

●全農グループが取り組むこと

牛肉・豚肉およびその加工品は、JA全農ミートフーズ(株)、鶏肉関連は全農チキンフーズ(株)、その他県域のグループ会社も含め、国産畜産物を安定的に生協量販店など実需者に提供しています。

(1)毎月29日は「肉の日」のキャンペーン、またアニメキャラクター「ゼウシくん」を活用したキャンペーンなど国産畜産物の消費拡大運動を積極的におこないます。

ゼウシくんHPはこちら

(2)また、全農グループの直接販売する手段として、国内での直営焼肉店舗の展開、海外への和牛レストランの展開もすすめております。
※国内の店舗展開については、「第3回農産物の流通の現状」(その1)を参照ください。
※海外の店舗展開については、日本食のアンテナショップもかねて、香港に出店、今後はシンガポール等へも出店していきます。
(3)肉質向上、多頭産技術など、革新的な技術・商品開発に、日夜、取り組んでいます。

鶏卵における流通の現状

●鶏卵の流通実態

鶏卵の流通概要をみると、家庭用の殻付卵はほぼ国産品が占めています。これは日本人の生食文化に対応できる国産鶏卵の安全性に起因する部分が大きいです。一方、中食・外食に使用される鶏卵・液卵は輸入品が使用されるケースもあり、自給率100%とはなっておりません。

●全農グループが取り組むこと

全農グループでは、指定産地・飼料等、生産部門と連携した取り組みを実践し、品質の向上に努めるとともに、安全面では各種衛生管理や検査などの科学的な根拠にもとづきバックアップ体制を整えています。

また、飼料米やエコフィード(未利用資源)をはじめ、「おいしさ」を切り口にしたこだわり商品などを開発していきます。