にしの風2021年5月号
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 JAながさき西海管内の佐世保市針尾・針陽地区の温州みかん園では、53㌶でマルドリ栽培(マルチ・ドリップかん水)を導入し、スマート農業を実践しています。これまでのマルチ被覆時の施肥は、マルチを巻き上げた上で有機配合肥料を施肥しなければならなかったため大変な労力を要し、マルチの破損も心配しなければなりませんでした。 マルドリ栽培で液肥を使用することで、かん水と同時に施肥ができ、夏場はマルチを巻き上げる必要もなく、天候の影響を受けずに肥料が的確に効くことから、発根がすみやかに促進されます。また、収穫後は肥料の吸収効率が高くなるため、樹勢がすぐに回復します。 肥料農薬部では、JA、県北振興局、くみあい肥料㈱と協力し、地元の栽培指針に対応した有機含量の高い液肥「有機入り液肥マルドリ85」みかん園のマルドリ栽培用有機液肥の紹介スマート農業の拡大に向けて水源液肥混入器フィルターバルブ導水管コントローラー電磁弁点滴チューブ透湿性マルチ液肥タンク液肥用300㍑タンクマルドリ施設内の液肥混入器マルドリ方式の構成(チッソ8・5%・りん酸2%・カリ2%を含み、有機含量約50%・アミノ酸・プロリン・グリシン等の動物質有機が主成分)を新たに設計しました。 令和2年の夏肥と秋肥にて同園で試験したところ、良好な結果と省力技術につながることが確認できたため、令和3年5月以降の夏肥より本格販売します。 当面は、「有機入り液肥マルドリ85」を1㌧タンク2~3個で現地まで配送し、流量計を通じて300㍑タンクに必要量を補充することとしています。まだ新しい取り組みのため改善すべきことがでてくるかもしれませんが、肥料農薬部は現場のニーズに応えながら、より省力化をはかるとともにトータルコストの低減に努め、スマート農業が広がるお手伝いをしてまいります。9にしの風

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