ミヤコバンカー®
の紹介

ミヤコバンカー®の特長

『ミヤコバンカー』は、ミヤコカブリダニのパック製剤(システムミヤコくん)と天敵保護装置『バンカーシート』を組み合わせた天敵資材です。
ミヤコカブリダニには、従来2種類の剤型(ボトル製剤、パック製剤)がありましたが、放飼するタイミングの見極めが難しく、「栽培環境の影響で防除効果が安定しない」、「複数回放飼する必要があるのでコストがかかる」などの課題がありました。これらの課題を『ミヤコバンカー』が解決します。

現状の天敵利用の課題と
バンカーシートによる解決策

現状の課題

  • 難しい

    害虫の発生タイミングが不定期であるため、天敵放飼の適期を見定めることが難しい

  • 定着
    しにくい

    天敵の隠れ場所や産卵場所が少ないうえ、気温や湿度、散水や化学農薬散布による影響を受けやすい

  • 高コスト

    天敵が定着しなかった場合、生産者は天敵の繰り返し放飼が必要となり、負担が大きい

バンカーシートによる解決策

  • 簡単

    天敵が長期に放出するため、害虫の発生前に計画的に放飼し、待ち伏せ防除可能

  • 定着
    しやすい

    天敵の隠れ場所、産卵場所を提供し、気温や湿度変化、化学農薬散布の影響を緩和する

  • コスト
    低減

    天敵が長期に放出するため、繰り返し放飼の負担を軽減できる

参考データ
バンカーシートからのミヤコカブリダニの放出量

(パック製剤のみとの比較/温度17℃、湿度65~75%RH)

出典:石原産業(株)
所内試験2015年

ミヤコバンカー®の設置方法

構成物・組み立て方

■有効成分
・ミヤコカブリダニ 100頭/パック
■その他の成分
・バンカーシート
・黒フェルト(産卵基質)
・保水資材
①黒フェルトでカブリダニパック製剤のフック部分を挟みます。(フック部分は折り曲げたり、取り外したりしないでください)
②バンカーシートの下から挿入した後、保水資材を5個入れます。
③上記のように入れてください。
×印のある折込み部分を先に折込みます。 ○印のある折込みはあとから折込んでください。

設置数

ハウスが複数ある場合、ハウスごとに設置する個数を算出しましょう。
【適用害虫と使用方法(抜粋)】

*印は本剤およびミヤコカブリダニを含む農薬の総使用回数

圃場10aあたりミヤコバンカーを100個設置
 →つまり1aあたりミヤコバンカー10個
(例)ハウス面積 2.5aの場合→25個
        6aの場合→60個

ポイント

この個数を目安にカゴや袋などに分けて
おくと、設置がスムーズに行えます。

設置方法

ハウス1棟で使用する個数がわかったら、その個数を畝数で割り、
一畝に使用する個数を算出しましょう。
バンカーシート設置間隔の目安 ※2条植え外成り100個/10a設置の場合

約8m程度。
株数で約60~70株ごとに1個。
※畝端に設置するバンカーシートは畝端から約4mの距離に設置。(バンカーシートからバンカーシートまでの距離の約半分)

(例) 下図のような単棟ハウス(3a)6畝の場合
ミヤコバンカー30個÷6畝=5個/1畝
→1畝にミヤコバンカー5個を等間隔に設置
注) 端の1条植えの畝にも同じ数、間隔で設置してください。
  2条植え内成りの場合は、150個/10a設置してください。

【設置間隔(一部)のイメージ図】
ポイント

ハウスの骨組み、柱などを目安にすると、より正確に等間隔に設置することができます。
また、ハウス内の畝の長さが全て同じ場合は、1畝設置した後、他の畝も並行に同じ位置に設置できます。

設置

バンカーシート裏側のフック部分の穴に竹串を通して、マルチの上から地面に刺し、立てて設置します。(下写真参照)

表側
裏側

バンカーシート®
温度緩和・湿度保持効果

参考データ

バンカーシート内の温度変化

【グラフ1】 ハウス内およびバンカーシート内の温度

ハウス内のマンゴーにバンカーシートを設置し、シート内部の温度を測定。

測定時期:2015年4月29日〜5月18日
出典:石原産業(株)中央研究所 所内試験 2015年
ポイント

ハウス内が高温になっても、バンカーシート内部の温度がハウス内よりも低く制御されることで、暑さの影響を和らげます。

参考データ

バンカーシート内の湿度変化(保水資材を使用した場合)

【グラフ2】 ハウス内およびバンカーシート内の湿度

ハイグロクロン(自動温湿度記録計)を内部に入れたバンカーシートを
マンゴー樹冠中心部の枝分岐部に1個吊り下げ、経時的にシート内部の湿度を測定。

測定時期:2016年2月21日〜3月4日
出典:宮崎県マンゴー圃場 試験 2016年
ポイント

バンカーシートのみでもハウス内に比べて湿度は高く維持されますが、保水資材をシートに入れることで湿度がさらに高く維持され、カブリダニの増殖に適した環境になります。

ミヤコバンカー®
よくあるご質問(FAQ)

Q1

製品を受け取りましたが、翌日に組み立てと設置をしても品質に変化はありませんか?

A1

本製品には生物(ミヤコカブリダニ)が梱包されていますので、速やかに組み立てて設置してください。作業ができない場合は、5℃~20℃の室内に保管し可能な限り早く作業してください。

Q2

組み立てにどれくらいの時間がかかりますか?どのような場所で組み立てるのがよいですか?

A2

100個の組み立てにかかる作業時間は、1人で40分程度です。雨天でも作業ができる屋内での組み立てがお薦めです。

Q3

ミヤコカブリダニは、バンカーシートの何処から出てきますか?

A3

パック製剤には微小な放出孔が開いていて、放出孔からミヤコカブリダニが出てきます。そして、バンカーシートの隙間から外に出てきます。

Q4

ミヤコカブリダニは、バンカーシートから出るまでにどの位の時間がかかりますか?

A4

設置環境の違いにより変動しますが、ミヤコカブリダニは、約1週間で外に出てきます。

Q5

ミヤコカブリダニは、バンカーシートからどの位の期間出てきますか?

A5

設置環境の違いにより変動しますが、10月下旬から11月上旬に設置した場合の放出期間は約4ヶ月間です。

Q6

ミヤコカブリダニはハウス内の何処を移動しますか?また、どの位の距離を移動しますか?

A6

ミヤコカブリダニはマルチや土の上を移動します。また、設置したバンカーシートを起点とした場合、片側4m移動することを過去の試験で確認しています。

Q7

ミヤコカブリダニは、バンカーシートから外に出た後、何処にいるのですか?

A7

ミヤコカブリダニはとても小さいので目視で見つけることは難しいですが、株元に潜んでいる場合が多いです。

Q8

バンカーシートを、設置する時に気を付けた方が良いことはありますか?

A8

バンカーシート内部への浸水を防止するために、竹串等を用いて株元に立てるように設置してください。

Q9

バンカーシートを設置した後は、葉かき作業を控えた方が良いでしょうか?

A9

バンカーシートから、継続的にミヤコカブリダニが出てきますので、設置した直後から葉かき作業ができます。

Q10

バンカーシートは、撤去する場合いつ頃がよいですか?

A10

10月下旬から11月上旬に設置した場合の放出期間は約4ヶ月間ですので、放出期間終了後に作業の妨げになる場合は撤去してください。