令和5年4~6月期の配合飼料供給価格改定について

令和5年4~6月期の配合飼料供給価格については、飼料情勢・外国為替情勢等を踏まえ、令和5年1~3月期に対し、全国全畜種総平均トン当り2,000円値下げすることを決定しました。

なお、改定額は、地域別・畜種別・銘柄別に異なります。

飼料情勢は以下のとおりです。

1.飼料穀物
とうもろこしのシカゴ定期は、12月上旬には650セント/ブッシェル前後でしたが、南米産地での高温乾燥などによる作柄悪化懸念から上昇し、1月には680セント/ブッシェル前後で推移しました。その後、米国産の輸出需要が低調なことや2月23日に米国農務省が前年を上回る米国産新穀の作付面積見通しを発表したことなどから下落し、現在は630セント/ブッシェル前後となっています。
今後は、南米産地の作柄と、米国産新穀の作付面積や作付時の天候などに左右される相場展開が見込まれます。

2.大豆粕
大豆粕のシカゴ定期は、12月1日に米国政府が事前予想を下回るバイオディーゼル使用義務数量案を発表したことにより副産物の大豆粕の発生量が減少するとの見込みなどから、12月上旬に450ドル/トンから520ドル/トンまで急騰しました。その後、南米産地での高温乾燥懸念などから堅調に推移し、現在は530ドル/トン前後となっています。
国内大豆粕価格は、シカゴ定期の上昇により、値上がりが見込まれます。

3.海上運賃
米国ガルフ・日本間のパナマックス型海上運賃は、11月上旬には60ドル/トン前後で推移していましたが、原油相場の下落や、中国向け鉄鉱石・石炭の輸送需要が減少し船腹需給が緩んだことなどから軟調に推移し、2月には一時50ドル/トンを下回りました。その後、原油相場が上昇していることなどから、現在は55ドル/トン前後となっています。
今後は、南米産大豆の輸送が本格化することに加え、原油相場が上昇していることから、海上運賃は堅調に推移するものと見込まれます。

4.外国為替
外国為替は、12月上旬には136円前後でしたが、12月20日に日銀が長期金利の変動許容幅を拡大し事実上の利上げと捉えられたことなどから、1月には128円台まで円高が進みました。その後、2月14日に発表された米国の消費者物価指数が事前予想より上回り、米国ではさらに利上げが見込まれる一方、日本は金融緩和政策を継続すると見通されることなどから円安が進み、現在は133円前後となっています。
今後は、日米金利差は拡大した状態が続くものの、利上げによる米国経済の景気悪化も懸念されることから、一進一退の相場展開が見込まれます。

以上から、大豆粕価格は値上がりしたものの、とうもろこしのシカゴ定期や海上運賃の下落、為替の円高などにより、令和5年4~6月期の配合飼料価格は前期に比べ値下げとなります。