食材現地レポート 「無着色辛子めんたい」の巻

原卵の解凍から製品の保管までこだわりぬいた明太子づくり ぴしゃっとついた“さ”!!

無着色辛子めんたい

“明太子といえば博多”“博多といえば明太子”、そのぐらい辛子明太子と福岡は切っても切れないもの。福岡には数多くの明太子メーカーがあります。そのなかでも、今回、お話を伺った福さ屋(株)は、丸に“さ”の字がトレードマーク。キャッチコピーの「ぴしゃっと“さ”がついとぅ(ぴしゃっと“さ”がついている)」といえば、福岡で知らない人はいないほど有名。もちろん味のほうも言うまでもなく一級品です。辛すぎず、魚醤やカツオだしを使った自然な味わいとしっかりとしたツブツブ感が好まれ、日経流通新聞が調査した「日本のみやげランキング」では第3位(明太子業界では福さ屋(株)が第1位)に選ばれています(2003年1月4日付)。

JA食材宅配の「無着色辛子めんたい」は、そんな福さ屋さんが味と安全にとことんこだわって作った商品です。

こだわりその1 塩水解凍で原卵のみずみずしさを保つ

おいしい明太子を作る上でいちばん大切なのは、やはり主原料となるたらこ(原卵)の質。ちなみに“明太”とは“たら”を意味する韓国語で、その卵を使うことから「明太子」と言うのだそうです。製造している福さ屋(株)では、寒冷期にとれたスケソウダラのうち、色目や粒子感(ほどよいツブツブ感があるか)などが自社基準に適合した原卵のみを使用しています。

塩水解凍なら原卵に自然な透明感が

「どのような原卵を、どのように漬け込めばどのような明太子ができあがるか。うちでは創業以来、蓄積してきたデータに基づいて、仕上がりまで想定して原卵を購入しています。ですから、製品も高い水準で均一になっていると思いますね。」と胸を張るのは、福さ屋グループで原料の管理や製造を行う担当部長です。

ところが、近年、乱獲によって原卵の品質が急激に落ち、色味、粒子感、皮の張りなどで満足のいく品質で安定した仕入れが難しくなっていました。そこで、より原卵の質を高めるために福さ屋(株)が導入したのが、塩水による原卵の解凍・洗浄です。

冬場に仕入れた原卵は、通常、倉庫で冷凍保管し、必要に応じて解凍しています。一般的な解凍方法は原卵に直接温風を当てるというものですが、これではどうしてもみずみずしさが失われがち。対して福さ屋(株)では、原卵を塩水につけてから温風解凍しています。そのメリットを担当部長は次のように話します。

「風が直接当たらないから、表面が乾いたりしわくちゃになるということがない。私は海釣りが趣味なんですが、塩水解凍した原卵の状態は釣ったばかりの魚から取り出した卵に近いですよ。また、粒子がゆるんでいたり細かい切れ目がある原卵は、塩水解凍をすると中身が流れ出てしまう。逆に言えば、それだけ粒子がつまった高品質な原卵のみを使用しているということなんです。」

そして塩水解凍の最大のメリットが見た目。市販されているたらこや明太子をみると、いずれもピンク色でツヤツヤと透明感がありますが、その大半は着色料や発色剤によるものです。実際の原卵は色艶がなく、色目も褐色がかっています。また、血管も網の目のように走っていて、きれいなものばかりとは限りません。

「特に最近は原卵の質が落ちてきて色も濃くなっています。塩水で解凍すれば血管はほとんど消えますし、透明感も出てきます。着色料・発色剤を使用すれば、もっと簡単に、しかもより見栄えよく仕上げることもできますが、安全面で疑わしい面もある。リスクがあるかもしれないから使わないというJAさんの考えは正しいと思いますね。」と話してくれたのは福さ屋(株)の製造部長です。

こだわりその2 魚醤を使った自然な味付け

塩水解凍された原卵は真水で洗浄後、いよいよ漬け込みに入ります。漬け込み作業は二段階。一次漬け込みでたらこ用調味液によって味を整え、二次漬け込みで香辛調味液に漬け込みます。福さ屋(株)の明太子はほどよい辛さが特徴ですが、その秘密を教えてくれました。

「実は唐辛子は辛味種と甘味種、2種類あるんですが、これらをブレンドすることで、単純に辛いだけでない、ほどよい辛さを実現しています。」

調味液のベースは、一次、二次ともに魚醤を使用しています。

「若干、割高になるけれど、その分、安全なんですよね。魚醤をベースにすることで、化学調味料の使用量を減らすことができました。」と担当部長。

しかし、福さ屋(株)も創業当初から魚醤を味付けのベースにしていたわけではありません。これについては次のように話してくれました。

「最近の人は舌が化学調味料に慣れていますから、化学調味料の量を3分の1に減らすだけでも“味が物足りないわ”と言われてしまう。ただ、安全面で考えれば添加物は少しでも減らしていきたいというJAさんの要望に応えて、魚醤をベースにしたものを作ったところ、化学調味料を使ったものとそれほど味が変わらないということで採用していただけたんですね。

この魚醤をベースにした調味液に漬け込まれたたらこは、3日間かけてじっくりとその身にうまみと風味を染みこませていきます。

こだわりその3 衛生管理専門の担当者を設置

近年、重視されている衛生管理について、福さ屋(株)では衛生管理マニュアル、作業マニュアルの他に健康管理やユニフォームの着用基準などを定めた自己管理マニュアルを作って対応しています。また、「結局、働くのは人間ですから、かなり細かくチェックしていますよ。」(製造部長)との言葉通り、単にマニュアルを用意するだけでなく、さまざまな工夫をこらしています。その一つが衛生管理専門の現場担当者を設置したことです。

「担当者には、日常的なチェックとしてまな板やタオル等の備品が規定通り交換されているか、そして、ユニフォームに付着する毛髪、その2点のチェックのみ集中してやってもらっています。毛髪チェックは午前2回、午後2回、担当者自身が全員にローラーがけするのですが、付着していた場合、個人だけでなく所属する課全体でもカウントされるようになっているんです。原料課と製品課を競い合わせて衛生管理の向上を目指しています。」

もう一つが作業量と正確さのチェックです。福さ屋(株)では各個人の作業を記録し作業量に基づいて時給を設定していますが、その際、作業の正確さも反映させています。「いい加減な作業をしていては時給が下がりますから、みんな真剣にやってくれています。」

さらに福さ屋(株)では、個人の作業量だけでなく、どの商品を作るのに何分かかったか、原材料の使用状況・賞味期限・消化しきった日にちなど、記録をとっています。そのため、「資料の提示を求められればほぼ100%対応できるし、何か品質的に問題が発生した場合でも、どういう原材料を使っていたかわかる」(製造部長)ようになっています。基本的に原卵を漬け込むだけ、という辛子明太子は、製法がシンプルな分、原料の善し悪し、調味液の味付け、保存方法など、ちょっとした違いが大きな差として表れます。そのため福さ屋(株)では創業以来、日々データを蓄積し、それに基づいて製造を行ってきました。その結果、原料や製法の細かい追跡が可能な体制が整っていたのです。

こだわりその4 無風冷却で商品をきれいに保管

さて、漬け込みによって味がしっかりなじんだ明太子は、余分な水分を落としてから製品化に入ります。包装した後、金属検査、重量検査、目視検査など幾重にもわたる厳重なチェックを経て、工場の冷凍庫で一次保管。その後、冷凍倉庫に移して、出荷を待ちます。

無着色辛子めんたい無着色辛子めんたい

「工場の冷凍庫は、よそのメーカーの冷凍庫と比べて馬力が3倍くらいあるんです。もちろん、荷物を出し入れすれば庫内の温度は上がりますが、もとの温度に戻るまでがものすごく早い。品質保持は時間が勝負ですから。一方、契約している倉庫は、無風で冷却するシステムなので風の影響を受けないから商品が乾燥しない。また、段ボールを入れてもホコリが飛ぶということもないから、非常にきれいに保管できるんですよ」と最終段階の品質管理にも太鼓判を押します。

無着色辛子めんたい

ここで上手な解凍法について伺ったところ、冷凍庫から冷蔵庫に移して自然解凍するのが一番、とのこと。電子レンジのお刺身解凍では、明太子の沸点を超えるため白く固まってしまうことや、たらこ特有の生臭いにおいがレンジの中に充満してしまうため、やめたほうがいいそうです。

最後に製造部長が「とにかく解凍するときに、温度を上げすぎないことですね。急ぐときは、ビニールで包んでステンレスかホーローの上に直に置くといいでしょう。傷みが早いですから、時々触ってみて冷たいうちに食べるようにしてください。また、解凍した分は食べきることです。再凍結するとどうしても味が落ちてしまいますから」とアドバイスしてくれました。

*商品内容およびパッケージについて、変更することがあります。