食材ワンポイント知識 蒸し物をおいしく作るコツ

料理コンサルタント 矢治長子

蒸し物調理の特徴

「蒸す」という調理法は東洋独特で、水を沸騰させて、その蒸気の熱で食品に火を通すものです。加熱としては割合低い温度で調理するので、形がきれいに仕上がり、材料に含まれている栄養価や風味がそのまま残る、おいしい調理法です。現在は蒸気でなく電子レンジの利用が多くなりましたが、「蒸す」は水蒸気の気体を食材に当てるので、パサつくことなく、ジューシーさが得られるのです。

ただし、「焼く、揚げる」のように、加熱温度が150℃以上にならないので、(1)香ばしさが出せない(2)食品のにおい(魚のくさみなど)が発散できない(3)煮物のように濃い味付けがしにくい――など、苦手なこともあります。

蒸し器… 鍋型で、1段のものや2段重ねのもの、簡単蒸し器(普通の鍋に合わせられるもの)などがあります。

せいろ…日本式、中国式があります。

材料別の蒸し方


[卵は中火]

卵料理、茶わん蒸し、卵豆腐などは、卵の固まる温度が60〜70℃なので、温度を上げすぎないように静かに蒸します。

[魚・肉は強火]

蒸気を十分に上げないと、材料のにおい(くさみ)が残る料理になります。くさみのある魚などは、酒やショウガ汁、レモンなどを振ったり、載せたりしましょう(図2)。

[野菜は強火]

さつまいも、じゃがいも、とうもろこしはそのまま、または大き目に切りにします。含まれているデンプンが、蒸気と熱によりアルファ化して甘みやふっくら感が出るので、強火で蒸します。

[米は強火]

おこわなどは、米に十分水を吸わせてから、強火で。途中打ち水などで水分を補足しながら仕上げます。

[シューマイ・まんじゅうは強火]

強火で蒸気の通りがよいように、材料の間を適当にあけて並べ、蒸し器の底にくっつかないようにクッキングシートを敷いたり、油を塗ります(図3)。

※食材を蒸している途中で水が不足したら、ポットなどのお湯を足します。

家庭の蒸し料理をプロの仕上げにするコツ

  1. (1) 器に卵汁の3分の2位を注ぎ、具は味のでるもの(鶏肉など)を入れ、80%位まで蒸し上げます。その後、色の美しいえび、かまぼこ、三つ葉などを載せてから残りの卵汁を材料が見えるくらいまで注ぎ入れて、蒸し上げます。

  2. (2) 器のフタも蒸し器の周りにおいて一緒に蒸しておきます。

おいしい中華おこわの簡単な作り方

材料

【5カップ】
豚肉(三枚肉も可)
干しえび
ゆでたけのこ
しいたけ
ぎんなん
【合わせて300g】
調味料
【塩 小さじ1/2】
【しょうゆ 大さじ2〜3】
【みりん 大さじ1】
【チキンスープ 1カップ】
【5カップ】

作り方

  1. 1. 混ぜ入れる具はさっと炒めて、調味料を加えてから汁気を取ります。

  2. 2. (1)の煮汁に水を加え、洗米(もち米)を漬けます(4〜5時間)。

  3. 3. 味のついた米をざるに上げ、少し水気をきり、蒸気の上がった蒸し器に入れます。米の中心に穴をあけます(蒸気があがるようにするため)。

  4. 4. 強火で蒸し、米が透明で、まだ固いくらいの時に米を(2)のつけ汁にあけて、手早くまぜて、また蒸し器に戻します。これを2〜3回行ってから、具を上に加えて仕上げます。