トマト
岐阜県では、標高が0mから1,000mという地域特性を活かし、通年で生産出荷されています。比較的温暖な低標高地では加温タイプの冬春トマト、冷涼な高標高地では雨よけハウスを活用した夏秋トマトが栽培されます。
夏秋トマト
主に7月~11月に収穫されるトマトを夏秋トマトと言います。岐阜県の夏秋トマトは山間部の比較的冷涼な気候条件の地域が多く、主に高山市、飛騨市、中津川市、郡上市、加茂郡で生産されています。夏秋トマトに限定すれば、岐阜県の作付面積は西日本では最も大きく、関東から関西まで幅広く出荷しています。飛騨地域(高山市、飛騨市)では「飛騨トマト」、加子母地域(中津川市)では「ミネラルかしもトマト」、加茂郡では「美濃白川トマト」と、各地域毎の愛称で出荷・販売がされています。
冬春トマト
ハウス栽培により、10月~6月の期間に収穫するトマトを冬春トマトと言います。岐阜県の冬春トマトは比較的温暖な気候条件の地域が多く、主に海津市、養老郡、本巣市、安八郡、揖斐郡で生産されています。都市部への交通アクセスの利点を活かし、岐阜市場を中心に名古屋市場、北陸市場へ出荷しています。また、最も出荷量が多い地域は岐阜県南西部に位置する海津市で、「美濃のかいづっ子」という愛称で出荷・販売がされています。
安全安心なトマト
産地では消費者の方に安心しておいしいトマトを食べて頂くため、いろんな取り組みを実施しています。
その一部をここで紹介します。
- 雨よけハウス栽培(夏秋)
- 雨に当たらないので割れや腐敗を防ぎ、品質の良いトマトができます。また、病害虫被害を抑えることができ、安定した収量を確保できます。
- ハウス栽培(冬春)
- ハウス内を保温することで寒さの厳しい冬の間でも栽培が可能となりました。また、外部からの害虫の進入も防ぎ品質の良いトマトができます。
- 黄色蛍光灯(夏秋)
- 黄色の蛍光灯を夜間に点灯することにより、夜行性の害虫の進入を防ぎます。また、普通の虫の好きな光の波長をカットしているので、普通の虫は集まりません。
- マルハナバチ(夏秋、冬春)
- 蜂がトマトの受粉を助けるので、ずっしり重い、おいしいトマトができます。また、マルハナバチは花粉を集めるので、蜜のない花にも集まります。
- 防虫ネット(夏秋、冬春)
- ハウスの全面を細かい目のネットで覆い、害虫の進入を防ぎます。
- ラノーテープ(夏秋、冬春)
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- 黄色のテープに引き寄せられ、テープに触ったコナジラミなどの害虫が生んだ卵はふ化しません。
- テープが直接トマトの樹や実に接触しないよう設置するので、安心です。
- 粘着テープ(夏秋、冬春)
- コナジラミ(害虫)を防除するために使用します。コナジラミの黄色いものに向かっていくという習性を利用し、引き寄せて捕獲します。
- フェロモントラップ(冬春)
- ハスモンヨトウ(害虫)が好きな匂い(フェロモン)を利用して、一ヶ所に寄せ集め退治します。