にしの風 2022年10月号
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が咲いているときは花を切り、出荷調整を行い、葉と茎の間にある芽を取る作業を行っています。花を切り終わったらすぐ植え付けを行い、常時出荷できるよう心掛けています。また、ビーナインという成長調整剤を使用して葉と花のバランスを調整し、自然のキクは秋に咲くので、ハウス内の日照時間は秋の気候に合わせています。ディスバットマムには多くの品種があります。私は約20種類のディスバットマムを栽培し、さらに季節に応じて品種を選定しています。品種ごとに特性があるので、少しずつ管理方法を変えています。夏場の管理が特に難しく、温度が上がりすぎてしまうと、奇形や花が咲かない、枯れてしまうなどの高温障害が発生してしまいます。また、水を与えすぎても根腐れしてしまいますし、与えなさ過ぎても乾燥してしまうので、微妙な加減が必要です。太陽の光が強い夏は、光を与えすぎると花びらが痛んでしまうので、天気が良い日は屋根を閉めて日射量を減らしています。菊は花の中でも強いと言われますが、その中でも様々な工夫をしていかなければなりません。平成20年にヒートポンプを導入しました。長崎県独自の施策で、導入しているところは多くありません。元々は、冬にハウス内の温度が下がりすぎないよう使用していましたが、現在は夏も使用するようになりました。理想は北海道や長野の夏の気候で、夜は適温のかりますが、ヒートポンプを使用して寒暖差をつけることで、鮮やかな色の花が咲きます。幸い、このハウスは海の近くなので、冬も冷え込みすぎないので、ヒートポンプのみで大丈夫ですが、少し離れた別のハウスでは重油暖房機を活用しています。一生懸命育てたキクが高値で売れたときや、立派に咲いたときはとても嬉しいです。現在の目標は、一年を通して良い状態で出荷できるようになることです。まだムラがあり、上手くいかない時期がありますが、より良いキクを作るため、JAながさき県央管内だけでなく県内各地のディスバットマムの生産者7人でグループを作り、勉強や情報交換をしています。もし夏場の栽培で困ることがあってもメンバーがアドバイスをしてくれます。9月9日の重陽の節句をはじめ、昨年制定された11月6日の良いマムの日など、キクをPRする機会に年々恵まれてきています。今以上に魅力を知ってもらえる可能性があると信じているので、試行錯誤しながら綺麗なキクを作り、PR方法を模索していきます!夏場の栽培は特に工夫が必要長崎県独自の施策、ヒートポンプ仲間と切磋琢磨し、良いキクを作る20度近くで設定しています。経費はか    5ネットは収穫前からかぶせておきます森さんが栽培する20種類のディスバットマム1本ずつ見た目をチェック出荷直前のハウス内

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