にしの風 2022年12月号
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  作佳佳9  作長崎市立橘中学校2年長崎市立淵中学校3年草加陽菜乃さん柳田 継互さん「尊敬する兄」「いそいそ」「おはよう 今日は学校に行けそうかな」という母の声で この言葉は 私ではなく 私は その言葉を聞くたびに兄の体調が気になって仕方がない兄がなんと返答するのか布団の中で 私は聞き耳を立てている実は 三つ年上の兄は 国指定の難病を患っており大学病院で入退院を繰り返している発熱や全身を襲う痛みなどを両親には体調を伝える兄だが私や弟妹達の前ではそんな素振りを一切見せない保育園児の弟や妹をとっても可愛がり要求されるままに 絵本の読み聞かせなどをしてくれる私には 勉強を教えてくれたり作った料理をほめてくれたりして そんな兄に 私は尊敬の気持ちでいっぱいだ私は毎朝目覚める兄に向けられた言葉である完治の見込みがないおんぶや抱っこうれしい僕が幼いころの うちの猫は昔の僕を弟か子どもと思っていたらしい幼い僕が泣いていると 「泣いてるよ」とでも言わんばかりに訴えていた父や母の膝や背中にはいそいそ乗るのに僕には決して乗ろうとしなかった寝転がっている僕を避けて通るのだった僕は 幼いものだったからけれど 僕は「幼いもの」ではなくなった勉強中 まさか自分の成長を ちょっと大人の階段を昇った気分になったうちの猫は二十歳になったけど相変わらず僕の膝やら背中やらにいそいそ乗ってくるそして僕にとって 一番の幸せなのだ飼い猫の話弱いもの 守るべきもの小学五年生の時に膝に乗ってきたのだその様子を見るときが母のもとへやってきては猫の振る舞いから知るとは受 賞受 賞NCC・JA全農ながさき 第28回おかあさんの詩コンクール 入賞作品紹介

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