にしの風 2024年2月号
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「弟はコウノトリ」【選  生まれてすぐに呼吸がなく、管に繋がれていた小さな弟さん。それから8年後のある日のささやかな場面が描かれていますが、大人たちも、そして優里さんも、かけがえのない日々が続くようにと切実に祈ってきたのでしょうね。 「ただいま」と言って「ただいま」と駆け寄ってきてくれる弟さんを想像すると、白くやわらかな光が降り立つように感じます。ひとが慌ただしく生きる中で見落としてしまっていた、穏やかな日常の尊さが、そこには確かにあります。評】全農パールライス賞「ただいま」と玄関を開けると「ただいま」と両手を広げて駆け寄ってくる弟は生まれてすぐ呼吸がなく 神様 どうか生きさせてと祈った病院に着くと沢山の管に繋がれて触れてしまえば今にも壊れそうな小さな弟がいた怖くてビクビクふるえている私に大人たちは命さえあれば何とかなるさ大丈夫と不安を隠すようにぎこちなく笑ったあれから8年 これからのことなんて何も怖くないよ君が元気に生きているんだから弟がいう「僕 見てたんだよ みんなが楽しそうに笑ってたからここに生まれたんだ」  8君は家族の太陽だよ玄関を開けると 君ほど素直になれないけれど抱きしめる腕から伝わるといいな運動も勉強もゆっくりだけど小さい目をさらに細くして駆けてくる弟救急車で市民病院に運ばれた純心中学校1年美貴 優里さんご家族から子供さんへ一言メッセージおねえちゃんいつもありがとうだいすき子供さんからご家族へ一言メッセージけいちゃん、これからも仲よくしようね!会える時間は減ったけど、けいちゃんのこと大好きだよ!NCC・JA全農ながさき 第30回おかあさんの詩コンクール 入賞作品紹介受 賞受 賞

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