営農についての情報
稲作情報 高温に対する備えを進めましょう (2026年6月4日作成)
1.これまでの天候と稲の生育
気温は、育苗開始の3月から5月末までの3か月間、平年よりも2℃程度高温で経過しています。
降水量は、3月・4月は平年並みでしたが、5月は初旬にややまとまった雨があった以降晴れの日が多く、月合計では少なくなりました。
このため、早期・早植え栽培地帯では苗の伸びが早く徒長気味となったものが多く見られました。移植後は晴れの日が多く、活着と初期生育は概ね良好ですが、一部でワキの発生や強風による植え痛みや活着遅れが見られました。
2.今後の気象予報と稲作への影響
5月28日発表の1か月予報によると、6月は気温が高く、降水量は平年並みからやや多いと予想されています。また、5月19日発表の3か月予報でも6~8月の気温は高いと予想されています。
なお、梅雨入りは予報各社により若干異なりますが、平年並みかやや遅くなると見込まれます。心配な点は2023年(令和5年)と同様に強いエルニーニョ現象と、正のインド洋ダイポールモード現象の発生が予測されていることで、この場合、梅雨明けが早まって厳しい暑さが長引く可能性があります。
以上のような天候が予想されることから、水稲は①生育の促進による出穂期や収穫期の前進、②肥料の消耗の早期化(緩効性肥料の溶出短縮による肥え切れ)、③少雨による害虫発生増加や紋枯病の多発、④登熟阻害による収量・品質の低下等が懸念されますので、酷暑に備えた管理の徹底が重要です。
3.酷暑への対策
(1)活着と初期生育の早期確保に努めましょう。(これから田植えになる普通植え地裁向け)
① 粗めの代掻き
代の掻き過ぎは土が細かくなり過ぎて土壌が酸欠になりやすく、稲の活着遅れにつながります。
ひたひた水の状態で粗く二回り程度で終わらせましょう。
② 浅植え、薄植えで、浅水管理
植え付け深さは3㎝程度、植え付け本数(掻き取り量)は3~5本程度が理想です。
これに田植え後の浅水管理を組み合わせることで、分げつの発生が早く、根張りも向上します。
③ ワキの対策
「ワキ」が発生する田んぼは酸欠状態で、硫化水素等が稲の根を痛め活着遅れによる茎数不足につながります。
田んぼに踏み込んでガスが出たら一度水を落として田んぼに酸素を供給しましょう。
ただし、最初の除草剤の効果がなくなるので、もう一度除草剤の散布が必要です。
(2)肥料切れを防止しましょう。
田植えから30~35日頃の中干しの前に葉の色が落ちたら、窒素成分で2kg/10a程度の「中間追肥」を行いましょう。肥え切れのまま穂肥を行っても十分な効果が得られません。
基肥一発肥料でも穂肥の時期(出穂の23~20日前頃、幼穂形成期)に葉色が落ちているようであれば肥効が切れている可能性があります。出穂の14~10日前頃(減数分裂期)に窒素成分で2kg/10a程度の追肥を行いましょう。
(3)「飽水管理」に取り組みましょう。
高温に対する水管理方法は、これまでの間断灌水よりも飽水管理がより根の活力維持につながるという研究成果が出ています。飽水管理とは田んぼに水を貯めるのではなく、湿らせておく管理方法で、湛水管理や間断灌水よりも地温の上昇を抑え、土壌に酸素を供給する効果が高まります。方法は簡単で、田んぼが浅く浸る程度に水が入ったら止め、そのままおいて足跡などのくぼみの水がなくなる程度まで落ちたらまた入れるを繰り返すだけです。
なお、中干しは有効茎を確保したら過度にならないよう実施し、出穂前後の深水管理は従来どおり実施して下さい。
(4)病虫害の防除を徹底しましょう。
病害虫や雑草被害を受けた稲は高温の影響をより受けやすくなるので、発生に注意し適期の防除を行いましょう。
高温乾燥が続くと害虫の被害が増加します。特に、斑点米カメムシ類は「イネカメムシ」以外の「ホソハリカメムシ」や「クモヘリカメムシ」なども増加しているので出穂期での防除を必ず実施しましょう。
さらに、ジメジメした日が続くと紋枯病の多発も懸念されます。昨年発生しているほ場は菌密度が高くなっていると考えられるので、周辺雑草の管理とともに穂ばらみ期に防除を行いましょう。

