新潟の「おけさ柿」とは

「おけさ柿」は種のない渋柿で、「平核無(ひらたねなし)」、「刀根早生(とねわせ)」という品種があります。

刀根早生は平核無の突然変異によってできた品種で、平核無よりもやや早く収穫できます。育成者の名前から「刀根早生」と命名されました。

平核無の原木は、新潟市秋葉区古田(旧 新津市)に現存し、推定樹齢は370年を超えています。新潟県文化財にも指定され、今も実をつけ続けています。

また、おけさ柿は種がなく、越後の七不思議(逆さ竹、焼鮒など)に次いで8番目に不思議なことから、別名「八珍柿(はっちんがき)」とも言われています。

おけさ柿の魅力

おけさ柿

「おけさ柿」は種がないので、お子様から年配の方まで食べやすいのが特徴です。

渋柿であるおけさ柿は、渋抜き処理をしてから出荷していますが、なぜ甘くなるのでしょう?

それは渋抜きをすることで、水溶性の渋成分が不溶性に変化し、人の舌で渋みを感じなくなるから。つまり渋成分(=ポリフェノール)はそのまま残っているのです。

おけさ柿1個でレモン1個と同等のビタミンC、ポリフェノールは赤ワインの10倍。昔から「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われている所以です。

手に持ったおけさ柿
よくばり和ふるーつ おけさ柿 意外と知らない?おけさ柿の魅力はこちら

主な産地

現在は、新潟県内のJAにいがた岩船(村上市)、JA新潟かがやき(阿賀野市、新潟市秋葉区、新潟市西蒲区)、JA佐渡(佐渡市)、JA羽茂(佐渡市)、JA柏崎(柏崎市)の管内で生産されています。

殆どのJAでは、おけさ柿専用の選果場で渋抜き処理をし、その後外観や大きさを区分けし出荷しています。

「おけさ柿」の名称は、JAの出荷場から出荷される柿だけが名乗ることができる決まりで、“おけさ”は、出荷の6割以上を占める佐渡ヶ島の民謡「佐渡おけさ」に由来しています。

主な生産地マップ
仕分け作業ベルトコンベアを流れるおけさ柿

おけさ柿の美味しさの秘密

おけさ柿生産者 本間恒彦さん

取材協力:おけさ柿生産者 本間恒彦さん

新潟市西蒲区、角田山の麓でおけさ柿を作って約半世紀の本間さんに、おけさ柿づくりへの想いや苦労をお聞きしました。

「冬場の剪定から始まり、5月からの摘蕾(てきらい)、摘果(てきか)、そして秋の収穫まで作業は一年間休みなしで続きます。手間がかかる果物ですが、きちんと商品として世に送り出せたとき、安心するとともに感謝の気持ちでいっぱいになります。

おけさ柿は甘くておいしいので、若い方をはじめ、たくさんの方々に食べていただきたいですね」

おけさ柿を収穫する本間さん

おいしい柿づくりのために心掛けていることは、「良い葉を育てること」と語る本間さん。「健康な葉を育てれば自ずと良い柿が育ちます。良い葉を育てるには良い根が必要で、土づくりにもこだわってきました」

おけさ柿を手に

人間と同じように柿の木にも一本一本、個性があるという。「土壌によって性格が異なるんです。暴れん坊は生育をコントロールするのが大変で(笑)」

おけさ柿は糖度のばらつきが少ないのも特徴。「硬め、柔らかめなど好みのタイミングで食べてほしいですね」

 

柿の剥き方

今回ご登場していただいた本間さんに、おけさ柿の皮の剥き方をアドバイスしていただきました。
手のひらでクルクルっと手早く器用に剥く姿が印象的でした。
種がないから剥くのがラクなのもうれしいですね。

おけさ柿の皮の剥き方:1

1

まずヘタを取り除きます。持ち手で柿を回しながら切っていきます。

おけさ柿の皮の剥き方:2

2

その後、ヘタがあった方から皮をクルクル回しながら剥いていきます。

おけさ柿の皮の剥き方:3

3

最後は食べやすいサイズに切り分けます。おけさ柿は種がないからスムーズに包丁が入りますよ。

おけさ柿のスムージー

おけさ柿のスムージーひんやりジューシー!
材料と分量(4人分)
おけさ柿 1個(柔らかめ)
牛乳 150cc
生クリーム 50cc
砂糖 大さじ1~2

調理時間:5分(おけさ柿の冷凍時間を除く)

  1. おけさ柿は皮をむいて8等分にし、冷蔵庫で凍らせておきます。
  2. ミキサーに①のおけさ柿、牛乳、生クリーム、砂糖を入れて攪拌したらできあがりです♪

おけさ柿のごまクリームチーズ和え

おけさ柿のごまクリームチーズ和えクリームチーズと柿の風味がマッチ!
材料と分量(4人分)
おけさ柿 4個
クリームチーズ 60g
白練りごま 大さじ1
砂糖 小さじ2
少々

調理時間:10分

  1. おけさ柿は上の1/4を切り取り、外側を1cmの厚さで残し、中身をスプーンでくり抜く。
  2. くり抜いた中身(4個分の合計として200g程度)は食べやすい大きさに切る。
  3. クリームチーズは柔らかくしてから、②、白練りごま、砂糖、塩と合わせ混ぜる。
  4. ③をくり抜き終わったおけさ柿の中に詰めて器にのせる。