おすすめする省力低コスト技術

全農ではトータルコスト低減に向けて土壌診断にもとづく効率的な施肥や、水稲の鉄コーティング湛水直播栽培など、省力・低コストに資する技術・資材の普及をすすめています。その概要について、紹介します。ここで紹介している技術の一部は「省力低コスト施肥技術ガイド」(PDF:629KB)として頒布中です。

1.共通省力低コスト技術

(1)土壌分析を踏まえた施肥(PDF:191KB)

土壌診断等によりりん酸及びカリが十分含まれていると判断されたほ場では、りん酸及びカリの含有量を低めに抑えた低成分肥料を使うことにより収量・品質を保ちながら肥料費を低減することができます。なお、低成分肥料を用いたほ場では、数年に一度は土壌養分状態を確認し、必要に応じて土づくり肥料等で土壌養分を維持することが望まれます。

土壌診断については、全農でも行っていますので、詳しく知りたい方は土壌診断なるほどガイド(PDF:4.4MB)を参照ください。

(2)堆肥散布を踏まえた施肥(PDF:337KB)

堆肥には、窒素、りん酸、カリなど豊富に養分が含まれています。その堆肥中の養分をうまく活用することにより、養分状態を維持しながら施肥量を抑えて、施肥の低コスト化を図ることができます。なお、堆肥の種類により養分の量や出方が異なりますので、堆肥ごとの特徴を活かしながら施肥に反映することがポイントです。

2.水稲向け省力低コスト技術

(1)水稲直播技術(PDF:1,355KB)

水稲直播技術とは、水田に苗を植える従来の方法(移植栽培)に対し、水田に直接種子を播く方法です。経営面積が大きくなるほど育苗+田植作業の負担が重くなる傾向にあることから、これらの作業を省くことにより作業の分散を図ることが可能となり、規模拡大と低コスト化が期待できます。

全農では鉄粉と焼石膏をコーティングした種子を代かきした水田表面に播種する技術を推奨しています。この技術は従来の技術に比べて種子の保存性や鳥害防止などの点でより安定的に直播栽培ができる技術として注目されています。鉄コーティング湛水直播栽培を試してみたい方は鉄コーティング湛水直播栽培スタートガイド(PDF:859KB)を参照ください。

(2)水稲育苗箱全量施肥法(PDF:1,160KB)

肥料キャラ

この技術は肥料をコーティングした専用の窒素質肥料(苗箱まかせ)を播種と同時に予め育苗箱に施用することにより本田での施肥を省略できる施肥法です。肥料と根が接触しているため、肥料の利用効率が高く、施肥量を抑え省力的な施肥法です。なお、この施肥法では、他の養分が含まれていませんので、土壌養分状態を確認しながら別に施用することが必要となります。

水稲育苗箱全量施肥法を試してみたい方は水稲育苗箱全量施肥法スタートガイド(PDF:859KB)を参照ください。

(3)流し込み施肥(PDF:873KB)

流し込み施肥(流入施肥)とは、固体肥料または液体肥料をかんがい水と一緒に流し込む追肥法です。通常の追肥に比べて暑い季節に水田に入ったり、重い動力散布機を背負う必要がなく、非常に楽に施肥作業を行うことが可能となります。

(4)飼料用米の省力低コスト施肥(PDF:1,663KB)

飼料用米栽培では、主食用米や専用品種を用いた栽培があります。特に専用品種を用いて多収を目指す場合、目標収量に応じて施肥量を加減するとともに、土壌養分を適正に保つ必要があります。また、ホールクロップサイレージ(WCS)栽培のように、ワラを含めてすべてほ場から持ち出す場合では、けい酸など土壌養分の持ち出し量が特に多くなるため、土壌診断を適切に行いながら、土壌養分を適切に保つ必要があります。

(5)側条施肥技術 水稲の側条施肥法(PDF:299KB)

肥料キャラ

田植と同時に肥料を苗の側方に施肥することにより、肥料効率の向上や初期生育の向上を図ることが可能となります。そのため、施肥量の低減や作業の省力化を図ることができます。

(6)水稲の生育診断を踏まえた施肥(PDF:462KB)

水稲栽培においては、収量・品質の確保や、倒伏させないために、水稲生育に応じて適切な時期に適量の施肥を行う必要があります。その生育を判断するために水稲の葉色に応じて施肥量を加減することにより安定生産を図ることが可能となります。

(7)農薬の苗播種同時処理 (水稲育苗箱処理剤播種同時処理技術 PDF:285KB)

育苗箱処理剤の中には、播種時に処理することが可能なものがあります。田植時期に箱処理剤を散布する必要がないので、省力化につながります。また、均一な散布が可能であり、いもち病などの効果が安定します。

(8)農薬の田植え同時処理 (水稲田植同時防除技術 PDF:336KB)

水稲除草剤、育苗箱処理剤のなかには、専用の処理装置を用いて田植同時処理することが可能なものもあります。いずれも省力的に均一散布が可能になる防除技術です。

(9)水稲用太陽シート(PDF:2,017KB)

水稲用太陽シートとは、水稲の平置き育苗向けに開発されたベタ掛けアルミ蒸着フィルムです。 太陽シートの持つ遮熱・保温性、微光透過性といった特性を利用することで、ハウス換気不要で苗焼けしない丈夫な苗を健全に育てることができます。

(10)雑草抑制「おまかせネット」(PDF:264KB)

雑草抑制おまかせネットは水田の畦畔や法面に敷設することで、除草作業を省力化することのできる資材です。敷設したネットの下に雑草が繁茂し根が張ることで畦畔等が崩れる心配がほぼなくなり除草作業が基本不要になります。

(11)水稲育苗用マット(パンフレットこめパワーマット PDF:943KB)

クミアイこめパワーマットは、水稲育苗の際に使用する床土の代わりとなるロックウール製の成型培地です。土に比べて軽いので作業性に優れる、水分の吸収性・保水性がよく水やりの回数を減らすことができるといった特長があります。なお、材質の主成分はケイ酸カルシウムで、健苗を育てる可溶性ケイ酸分が40%以上含まれています。

3.園芸向け省力低コスト技術

(1)養液栽培システム「うぃずOne」(PDF:423KB)

JA全農式トロ箱養液栽培システム「うぃずOne」は、隔離床栽培で、潅水同時施肥を行う栽培システムです。システムの設置に大掛かりな電気工事などを必要とせず、栽培終了後には一時撤去も可能な点が大きな特徴です。また、培土を使用することから土づくりが不要であり、取組みやすくすることも目的としています。

(2)野菜の全量基肥施肥・基肥重点施肥法(PDF:844KB)

露地野菜・施設野菜は「基肥+多数回の分施」の施肥体系が一般的ですが、野菜の全量基肥施肥法・基肥重点施肥法は、緩効性肥料、特に被覆肥料を活用して追肥を除き、「基肥のみ」または「基肥と1回程度の追肥」で栽培する施肥法です。追肥の労力を図ることが可能となり、肥料の効率が上がり、慣行施肥と同様の収量や品質が期待できます。

(3)野菜の2作1回施肥法(PDF:1,167KB)

肥料キャラ

野菜の2作1回施肥法とは、緩効性肥料を利用して2作分の施肥を1回で行う施肥法です。マルチを外さないで次作の定植または播種ができるので、比較的短期間に複数の作物を栽培する葉菜類で効果を発揮します。2作1回施肥は、すでに現場で普及しており、最近では3作1回施肥なども試みられています。

(4)野菜のうね内(局所/部分)施肥法(PDF:1,049KB)

野菜のうね内施肥法は、従来の施肥が肥料を圃場全面に散布方法に対して、機械でうね立て時にうねの全面や、局所だけ施用する方法です。作物の根に近い部分だけ施肥するため、作物による肥料の利用効率が高く、施肥量を削減できる露地野菜で注目されている技術です。

(5)野菜育苗ポット施肥法・セル苗全量基肥施肥法(PDF:1,596KB)

野菜育苗ポット施肥法・セル苗全量基肥施肥法とは、ポット育苗やセル育苗時に初期の溶出を抑えた専用の肥料を混合し、ほ場での施肥を省略することにより本圃への施肥を省略できる施肥法です。この施肥法は根の近くに施肥されるため肥料の利用効率が向上するほか、施肥の省力化が可能となります。

(6)養液土耕栽培法(PDF:1,040KB)

養液土耕栽培法は土耕栽培と養液栽培を組み合わせた栽培法であり、液肥混入機を利用した潅水施肥を行うことにより肥料と水を必要な適量施肥することが可能となり、生育の制御が容易となり収量や品質が安定します。

おすすめする省力低コスト技術