国の地力増進基本指針による改善目標

水田における基本的な改善目標

土壌の性質 土壌の種類
灰色低地土,グライ土,黄色土,褐色低地土,
灰色台地土,グライ台地土,褐色森林土
多湿黒ボク土,泥炭土,黒泥土,
黒ボクグライ土,黒ボク土
作土の厚さ 15cm以上
すき床層のち密度 山中式硬度で14mm以上24mm以下
主要根群域の最大ち密度 山中式硬度で24mm以下
たん水透水性 目減水深で20mm以上30mm以下
pH 6.0以上6.5以下(石灰質土壌では6.0以上8.0以下)
陽イオン交換容量
(CEC)
乾土100g当たり12meq(ミリグラム当量)以上
(ただし,中粗粒質の土壌では8meq以上)
乾土100g当たり15meq以上
塩基状態 塩基飽和度 カルシウム(石灰),マグネシウム(苦土)および
カリウム(加里)イオンがCECの70~90%を飽和
すること
同左イオンがCECの60~90%を飽和すること
塩基組成 カルシウム,マグネシウムおよびカリウム含有量の当量比が(65~75):(20~25):(2~10)であること
有効態リン酸含有量 乾土100g当たりP2O5として10mg以上
有効態ケイ酸含有量 乾土100g当たりSiO2として15mg以上
可給態窒素含有量 乾土100g当たりNとして8mg以上20mg以下
土壌有機物含有量 乾土100g当たり2g以上
遊離酸化鉄含有量 乾土100g当たり0.8g以上

注)

  1. 主要根群域は,地表下30cmまでの土層とする。
  2. 目減水深は,水稲の生育段階等によって10mm以上20mm以下で管理することが必要な時期がある。
  3. 陽イオン交換容量は,塩基置換容量と同義であり,本表の数字はpH7における測定値である。
  4. 有効態リン酸は,トルオーグ法による分析値である。
  5. 有効態ケイ酸は,pH4.0の酢酸-酢酸ナトリウム緩衝液により浸出されるケイ酸量である。
  6. 可給態窒素は,土壌を風乾後30℃の温度下,たん水密閉状態で4週間培養した場合の無機態窒素の生成量である。
  7. 土壌有機物含有量は,土壌中の炭素含有量に係数1.724を乗じて算出した推定値である。

普通畑における基本的な改善目標

土壌の性質 土壌の種類
褐色森林土,褐色低地土,黄色土,
灰色低地土,泥炭土,暗赤色土,
赤色土,グライ土
黒ボク土,多湿黒ボク土 岩屑土,砂丘未熟土
作土の厚さ 25cm以上
主要根群域の最大ち密度 山中式硬度で22mm以下
主要根群域の粗孔隙量 粗孔隙の容量で10%以上
主要根群域の
易有効水分保持能
20mm/40cm以上
pH 6.0以上6.5以下(石灰質土壌では6.0以上8.0以下)
陽イオン交換容量(CEC) 乾土100g当たり12meq以上
(ただし中粗粒質の土壌では8meq以上)
乾土100g当たり15meq以上 乾土100g当たり10meq以上
塩基状態 塩基飽和度 カルシウム,マグネシウムおよび
カリウムイオンがCECの70~90%を飽和すること
同左イオンがCECの60~90%を飽和すること 同左イオンがCECの70~90%を飽和すること
塩基組成 カルシウム,マグネシウムおよびカリウム含有量の当量比が(65~75):(20~25):(2~10)であること
有効態リン酸含有量 乾土100g当たりP2O5として10mg以上75mg以下 乾土100g当たりP2O5として10mg以上100mg以下 乾土100g当たりP2O5として10mg以上75mg以下
可給態窒素含有量 乾土100g当たりNとして5mg以上
土壌有機物含有量 乾土100g当たり3g以上 乾土100g当たり2g以上
電気伝導度 0.3mS(ミリジーメンス)以下 0.1mS以下

注)

  1. 水田の表の注)3,4,および7を参照すること。
  2. 作土の厚さは,根菜類では30cm以上,特にゴボウ等では60cm以上を確保する必要がある。
  3. 主要根群域は,地表下40cmまでの土層とする。
  4. 粗孔隙は,降水等が自重で透水することができる粗大な孔隙である。
  5. 易有効水分保持能は,主要根群域の土壌が保持する易有効水分量(pF1.8~2.7の水分量)を主要根群域の厚さ40cm当たりの高さで表したものである。
  6. pHおよび有効態リン酸含有量は,作物または品種の別により好適範囲が異なるので,土壌診断等により適正な範囲となるよう留意する。
  7. 可給態窒素は,土壌を風乾後30℃の温度下,畑状態で4週間培養した場合の無機態窒素の生成量である。

樹園地における基本的な改善目標

土壌の性質 土壌の種類
褐色森林土,黄色土,褐色低地土,
赤色土,灰色低地土,暗赤色土
黒ボク土,多湿黒ボク土 岩屑土,砂丘未熟土
主要根群域の厚さ 40cm以上
根域の厚さ 60cm以上
最大ち密度 山中式硬度で22mm以下
粗孔隙量 粗孔隙の容量で10%以上
易有効水分保持能 30mm/60cm以上
pH 5.5以上6.5以下(茶園では4.0以上5.5以下)
陽イオン交換容量
(CEC)
乾土100g当たり12meq以上
(ただし中粗粒質の土壌では8meq以上)
乾土100g当たり15meq以上 乾土100g当たり10meq以上
塩基状態 塩基飽和度 カルシウム,マグネシウムおよびカリウムイオンがCECの50~80%(茶園では25~50%)を飽和すること
塩基組成 カルシウム,マグネシウムおよびカリウム含有量の当量比が(65~75):(20~25):(2~10)であること
有効態リン酸含有量 乾土100g当たりP2O5として10mg以上30mg以下
土壌有機物含有量 乾土100g当たり2g以上 乾土100g当たり1g以上

注)

  1. 主要根群域とは,細根の70~80%以上が分布する範囲であり,主として土壌の化学的性質に関する項目(pH,CEC,塩基状態,有効態リン酸含有量および土壌有機物含有量)を改善する対象である。
  2. 根域とは,根の90%以上が分布する範囲であり,主として土壌の物理的性質に関する項目(最大ち密度,粗孔隙量および易有効水分保持能)を改善する対象である。
  3. 易有効水分保持能は,根域の土壌が保持する易有効水分量(pF1.8~2.7の水分量)を根域の厚さ60cm当たりの高さで表したものである。
  4. 水田の注)3,4,7および普通畑の注)4および6を参照すること。