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現在の「協同組合原則」は、1995年の第2回ICA全体総会で採択されました。

21世紀の協同組合原則
「宣言」が出されるまで

  「21世紀の協同組合原則」と題する1995年のICA大会報告書は、1966年の原則再検討報告書とは違い、単に原則の改訂に留まるものではない。協同組合運動の憲法ともいうべき第1部の「宣言」と、その実践への展開である第2部とからなるまさに、ICA創立百周年にふさわしい画期的な重要文書である。
  協同組合運動は成長の途中で多くの困難を乗り越えてきたが、道はなお険しい。発展途上国では経済の立ち後れに加えて、政府の援助や干渉が真の自立協同への道を阻んでいる。先進国の大規模組合の多くは繁栄の底に潜む理念喪失の脅威におびやかされている。根底にある共通の問題は、協同組合の特質が次第に不明確になり、しかもこれではいけないという意識さえ薄れてきたことにあるといえよう。職員はしばしば自分の勤め先を会社とよび、上司もそれをとがめない。ドイツではライフアイゼン・バンクの存在を全国民が知っているが、創始者ライフアイゼンの人物やその協同思想を語る人は稀である。このままでは、「人間の組織」から遊離した事業だけが発展し変質し、やがて営利主義経済の大波の中に呑み込まれてしまうのではないだろうか。世界共通のこの危機感から生まれたのが「協同組合のアイデンティティー」確立を目指す「宣言」である。


宣言の本文

協同組合のアイデンティティーに関するICA宣言

定義
  協同組合は自発的に結合した人々の自主自律の組織体であり、その目的は自分たちがオーナーとなって民主的に運営する企業体によって、みんなに共通の経済的、社会的、文化的な必要を充たし願望を達成することにある。

基本的価値
  協同組合運動は、自助、自己責任、民主主義、平等、公正、連帯をその基本的価値とする運動である。協同組合の組合員は、創始者たちの伝統を受け継いで、誠実、開放性、社会に対する責任、他人への配慮という倫理的な価値をその信条としている。
協同組合原則
  協同組合原則は、協同組合が自分たちが抱いている上記の諸価値を実践活動に活かすための運営指針(ガイドライン)である。

第1原則  自発的で開かれた組合員組織
  協同組合は自発的な組織体であって、組合の事業を利用することができ、組合員としての責任を進んで引き受けようとするすべての人に門戸を開いている。男女の別、社会的性格、人種、政治的な立場、宗教などによって差別することはない。

第2原則  組合員による民主的運営
  協同組合は組合員によって運営される民主的な組織体で、組合員は組合の企画立案や意思決定に積極的に参加する。選ばれて組合員代表の役についている人たちは、組合員に対して責任を負う。第一次組織である単位組合では、組合員は平等の投票権(一組合員一票)を持つ。連合会などの上部組織も、民主的な組織形態をとるものとする。

第3原則  経済的側面での組合員参加
  組合員は自分たちの組合の資本形成に分に応じて公正に寄与し、またその資本を民主的に管理する。この資本の少なくとも一部は、通常組合の共有財産とする。組合員が加入の条件として出資した資金に対して、報酬として利子を与えられる場合は(ない場合もあるが)、その率は通常制限される。剰余金は組合員によって次の使途の一部もしくは全部に充てられる。すなわち、

自分たちの組合の発展のため、できれば準備金として留保し、その少なくとも一部を不分割とする
組合員との取引高に比例して、組合員に分配するため
組合員の承認のもとで、自分の組合以外の活動を支援するため

第4原則  自律と独立
  協同組合は組合員が運営する自律、自助の組織体である。協同組合が政府を含む外部の組織と提携し、あるいは外から資本を調達する場合には、組合員による民主的運営を堅持し、協同組合の自律性を確保できるような条件のもとで行なうものとする。

第5原則  教育、研修、広報
  協同組合は、その組合員、選挙された役員、管理職、従業員に対して、それぞれが組合の発展に効果的に貢献できるように、教育や研修を与える。また公衆 ― とくに若者や世論に影響力のある人たち ― に対して、協同組合の特質やその利点について広報活動を行なう。

第6原則  協同組合間の協同
  協同組合は、組合員にもっとも効果的に役立ち、また協同組合運動全体を強化するために、地区内で、全国的に、国際的なブロックで、さらには世界的な規模で、その連帯の仕組みを通して互いに連携、協力する。

第7原則  地域社会への配慮
  協同組合は、組合員が同意する方針にしたがって、地元の地域社会の持続可能な発展のために力を尽くす。

【 JA 役員手帳 /全国協同出版株式会社 】 より
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