園芸用殺虫剤フィールドマスト🄬フロアブルの農薬登録取得について

JA全農は、令和6年3月4日(月)付けで、ジクロロメゾチアズを有効成分とする、園芸用殺虫剤フィールドマスト🄬フロアブルの農薬登録を取得しました。
ジクロロメゾチアズは、本会がFMC社(旧DuPont社)から開発権利を取得し、単独で開発を進めてきた農薬原体です。
これまで全農は、水稲分野での開発が中心でしたが、フィールドマスト🄬フロアブルは園芸分野ではジェネリック剤以外で初めての新規開発剤となります。

農薬の名称: フィールドマスト🄬フロアブル(登録番号 第24846号)

有効成分 : ジクロロメゾチアズ・・・18.4


フィールドマスト🄬フロアブルは、キャベツやハクサイ、ブロッコリーなどアブラナ科作物のコナガに卓効を示すことに加え、アオムシ、ハスモンヨトウ、ハイマダラノメイガなど、他のチョウ目害虫にも優れた効果を示します。また、ダイコン、カブなどアブラナ科根菜類の品質を低下させることで問題となるコウチュウ目のキスジノミハムシに対して高い効果を有することが確認されています。

本剤は、園芸剤として初めての作用機作※1IRAC分類4E)を有することから、既存の殺虫剤に抵抗性のあるコナガなどの難防除害虫に対しても卓効を示します。ローテーション防除薬剤の一つとして使用することで、既存薬剤に対する抵抗性発達の時期を遅らせることができます。また、ミツバチに対する安全性が高いことも特長の一つです。

なお、ジクロロメゾチアズは、農業用分野以外にもシロアリに対して高い効果を示すことから、既に「METAMISALTO🄬/メタミサルト」剤として、ZMクロッププロテクション株式会社を通じ、全農くらし支援部より供給を進めています。

フィールドマスト🄬フロアブルは、2024年夏秋期に全国の主要産地で展示圃試験を展開し、2025年春より、クミアイ化学工業株式会社および日本農薬株式会社の2社から本格販売を開始する予定です。
あわせて、園芸分野においてさらに幅広い害虫対策に役立てるよう、ジクロロメゾチアズと他原体との混合剤開発にも取り組んでいきます。

1:有効成分が対象となる生物体内で効果を発揮する原理のこと。