令和8肥料年度春肥(11~5月)の肥料価格について

JA全農は、令和8肥料年度春肥の肥料価格について以下の内容で決定しました。

1. 決定内容
(1)長引く中東情勢の影響により、国産肥料原料は、エネルギーコストやアンモニア等の原材料価格の高騰から大幅値上げとなり、国内製造諸経費も、重油や包装袋をはじめとした燃料・資材費の上昇から値上げとなりました。

(2)海外肥料原料では、輸入尿素は、国際市況が下落に転じたことから値下げとなり、高度化成の原料となるりん安は国際市況が高止まりしていることに加え、中国の輸出規制に伴い輸入ソースを中国からモロッコへ切り替えたことにより、海上運賃等の調達コストが増加し値上げとなりました。塩化加里は、堅調な需要を背景に国際市況が上昇していることから、値上げとなりました。

(3)この結果、令和8肥春肥価格は次のとおり決定しました。

適用開始:令和8年11月から(地域・作物により異なる場合があります)
注1. 価格変動率は本会の県JA・経済連向け供給価格ベースであり、JA・農家向け供給価格の変動率とは一致しない
注2. 複合肥料は価格指標となる基準銘柄の変動率であり、流通上の銘柄とは異なる

2.情 勢
(1)肥料原料
ア.尿素は、イラン攻撃により中東品の供給が滞り国際市況が上昇しましたが、その後は停戦合意や中国の輸出再開に伴い下落しました。直近では、中東情勢が再び緊迫化していることや、インドによる入札の影響もあり市況は反転しています。
イ.りん安は、中東情勢の影響によって原料の硫酸やアンモニアの価格が上昇し、国際市況が高騰しました。主な輸出国である中国も硫黄や硫酸の調達が困難であり国内生産が充分ではなく、春の需要期が過ぎても輸出再開の見通しが立たず市況は高止まりしています。
ウ.塩化加里は、中東情勢による影響は限定的であるものの、需給の引き締まりにより国際市況は堅調に推移しています。硫酸加里の国際市況は、原料である硫酸の高騰により塩化加里と比べ大幅に上昇しています。

(2)外国為替相場
イラン攻撃以降、流通量が多く信用度の高いドルが買われ、7月中下旬にはおよそ40年振りとなる163円台まで円安が進みました。しかし7月31日に日米両政府による協調介入が行われたことなどにより円高に転じ、一時150円台前半となりました。直近では、米国の3年振りとなる利上げなどの影響により157~158円で推移しています。

(3)国内製造諸経費
メーカー各社は、急騰した重油等のエネルギーコストや包装袋をはじめとした資材費の上昇に伴い、製造コストが大幅に増加しています。また、販売数量の落ち込みによる固定費の上昇や、製造設備の老朽化による修繕費等の増加もあり、経営環境は一層厳しさを増しています。

3.中東情勢について
(1)本会は、国が進める肥料原料備蓄対策事業に参画しており、産出国が偏在するりん安、加里については国内備蓄を行っています。
(2)中東情勢の長期化は、肥料原料のほか海上輸送やその他の資材供給にさらなる影響が及ぶ懸念があるため、今後も動向に注視してまいります。
(3)引き続き、実需に基づく予約と計画的な製造や配送を通じて、安定供給に取り組んでまいります。