食材ワンポイント知識 
料理をおいしくする切り方(野菜編 その2)

料理コンサルタント 矢治長子

飾りきりをマスターしよう

お料理をおいしくする切り方には、素材をおいしく、食べやすくする基本の切り方と、作られたお料理をより美しく食卓に出す飾り切りがあります。毎日少しずつ練習して、家族との楽しいお食事に役立ててください。

(1)れんこん(はす)の矢羽

矢羽れんこんはおめでたい煮物として、お正月や節句に使われます。

れんこんは一節をそのまま皮ごと斜めに1cm厚さに切ります(写真1)。皮をむいて、酢水でアクを取り、お好みのだしで煮ます(写真2)。煮上がって盛りつけるときに中心を切ります(写真3、4)。中心を見せるように盛りつけると、はすの穴が矢羽のように見えます(写真5)。

ひと切れを切って煮ると、合わせる相手がわからなくなって美しい矢羽になりませんので、必ず盛りつけるときに切りましょう。

(2)花れんこん

うす切りにして、れんこんの穴を利用して周囲の間を切り落とし、花びらのように皮とともにむきます(写真6、7)。酢を加えただしで煮て、白い花に仕上げ、お煮〆などの盛り合わせにします(写真8)。

(3)菊花かぶ

かぶの丸みとしなやかさを利用し、菊の花のように切ります。

かぶは葉つきの部分を平らに切り落とし、皮をむきます(写真9)。丸い方を上にして、うすく包丁目を入れます。下の部分は1cm位残しますが、切り落としてしまいそうな心配があれば、割りばしをおいて切るとよいでしょう(写真10)。

菊の花びらが美しく見えるようにするには、2回目の包丁目は斜めに入れるとよいでしょう(写真11、12)。切ったら、少し強めの塩をすり込んで10分位おきます。全体をもむようにして菊の花びらが、しんなり開くようになったら、水洗いして甘酢に漬けます。

大きいかぶなら、底の方から包丁を入れて切り分けます。赤とうがらしをトッピングしてより華やかさを出します(写真13、14)。

(4)にんじん、きゅうりの末広(扇)切り

にんじんやきゅうりをお好みの長さに切り、端を落としてから厚さ1cm位に切り(写真15)、厚さに沿って一方の端を4分の1位残して切ります(写真16、17、18)。

にんじんは切ったら、お好みのだしと味付けで煮て、盛りつけるときに扇形に開きます(写真19)。

きゅうりは元の部分に塩をつけ、なじませながら扇形に開きます(写真20、21)。

(5)きゅうりの蛇腹(じゃばら)切り

きゅうりをまな板におき、太さの3分の2位に斜めにうすく包丁を入れます(写真22)。左右を反対にして、切れていない方に包丁を入れます(写真23)。こうすると蛇腹のような動きが出ます(写真24)。これをひとくち切りにして和えものや焼き魚の付け合わせに使います(写真25)。

(6)花ねぎ(中華料理のかざりに)

ねぎの白い部分を6〜7cmに切って、手元の4分の1位を残して包丁の先を使って切り削ぎます(写真26、27)。これを冷水にさらすと、切った細い部分がガーベラのように開きます(写真28)。花ねぎをさらに華やかにするには、ねぎの中心を少しぬいて赤ピーマンやにんじんを挿します(写真29)。

(7)トマトのチューリップ切り

トマトは赤くてしっかりしたものを選び、大きさで8等分位のくし形に切ります。このとき花落ちの部分がしっかりとがるように切ります。下の部分は平らに切って盛り合わせたときに座りがよい状態にします(写真30、31)。

トマトの皮目を下にまな板にピッタリおいて、トマトのとがった方に包丁を入れ、皮目に沿って切ります(写真32)。ポイントは、包丁はいつもまな板と並行に動かしながら、トマトの肉目を起こしていき(写真33、34、35)、皮目を少し残して包丁を外し、皮目を指で曲げるようにします(写真36)。皮目がうすいと花びらが立ちませんので気をつけましょう(写真37、38)。