園芸

すだち

 すだちは、徳島県を代表する「香酸柑橘類(こうさんかんきつるい)」で、すがすがしい香りと、さわやかな酸味が特徴です。国内生産の9割以上が徳島県であり、生産量は全国1位を誇ります。

 「緑の宝玉」とも呼ばれる徳島のすだちは、「ハウスすだち(3~8月)」「露地すだち(8~10月)」「冷蔵すだち(10~3月)」により、年間を通じた出荷をおこなっています。

出荷時期カレンダー

出荷最盛期
出荷時期

主な産地

 徳島のすだちの主な産地は、徳島市、名西郡、阿南市、小松島市、鳴門市、板野郡、吉野川市などです。

JA徳島市 JA東とくしま JA名西郡 JAアグリあなん JA板野郡 JA徳島北 JA麻植郡 JA徳島市 JA東とくしま JA名西郡 JAアグリあなん JA板野郡 JA徳島北 JA麻植郡
  • JA徳島市
  • JA東とくしま
  • JA名西郡
  • JAアグリあなん
  • JA板野郡
  • JA徳島北
  • JA麻植郡
  • JA徳島市
  • JA東とくしま
  • JA名西郡
  • JAアグリあなん
  • JA板野郡
  • JA徳島北
  • JA麻植郡

選び方

 果皮の緑色が濃く、張りとツヤのあるものを選びましょう。

すだちの比較
  • ハウスすだちは、果皮が薄めで、果汁が多く、酸味はやや控えめな傾向があります。
  • 露地すだちは、果皮が厚めで、香りが強い傾向があります。
  • 冷蔵すだちは、露地すだちを「予措(よそ)」と呼ばれる陰干しの後に冷蔵したもので、酸味は比較的穏やかになります。

保存方法

 ポリ袋に数個を入れて、空気を抜き、冷蔵庫で保存します。
 長期保存する場合は、搾汁して小ビンに入れ、冷蔵庫で保存します。

調理方法

 徳島のすだちは、その香りと酸味で食材を引き立て、和洋中の料理をグレードアップさせます。
 果汁はもちろん、果皮も薬味として、刺身から揚げ物まで幅広い料理に使うことができます。

すだちの使い方
  • 横に2つ切りにして、刺身/焼き魚/すまし/豆腐料理/焼き松茸/漬け物/肉料理などにしぼりかけてお召し上がりください。
  • 皮のまま擦って、冷やしそうめん/冷やしうどん/ざるそば/中華そばなどの薬味にお使いください。
  • 輪切りにして、紅茶/日本酒/洋酒/焼酎などに入れてお飲みください。

トピックス

PR活動・ブランド強化の取り組み

 徳島県すだち・ゆこう消費推進協議会(事務局:JA全農とくしま)では、徳島県、阿波ふうど、県内JAと連携し、徳島のすだちの積極的なPRを展開しています。
 徳島県のPR車両「新鮮なっ!とくしま号」「でり・ばりキッチン 阿波ふうど号」や、徳島県のマスコットキャラクター「すだちくん」、同協議会の選任する「すだち大使」らとともに、全国各地のイベントや量販店で試食宣伝などを実施し、徳島のすだちの魅力を発信しています。

徳島県産すだちを使用した商品展開

 県内産地のJAでは、すだち果汁や、すだち果汁を使用したポン酢などの加工品を販売しています。
 また、JA全農とくしまでは、ふるさと柑橘飲料「ザ・すだち」や「徳島すだち微炭酸」といった徳島県産すだち飲料を販売し、すだちの更なる知名度向上・消費拡大を進めています。

豆知識

すだちの歴史

 すだちは、徳島原産の果物です。ユズやユコウ、レモンやライムと同じ「香酸柑橘類」に分類されます。名前の由来は「酢橘(すたちばな)」で、古くは万葉の昔から徳島の地に原生していたとの説があります。

 文献では、本草学者の貝原益軒(かいばら・えきけん)の著「大和本草(1706年)」に、「リマン」という果物の記載があります。これについて、同じく本草学者の小野蘭山(おの・らんざん)が「大和本草批正(1800年頃)」の中で、「阿州方言ぬだちと云。」と注釈を加えました。阿州(あしゅう)=阿波国(あわのくに)=徳島では、江戸時代には既にすだちを食酢用の果実として栽培していたようです。

 戦後、徳島県では1960年代に商業生産が本格化し、さらに1980年代にはみかんの転換作物として生産が拡大したことにより、すだちは徳島県を代表する特産物となりました。昭和49年(1974年)には「すだちの花」が徳島県の県花に指定されています。

 また、平成5年(1993年)に徳島県・香川県の両県で開催された「東四国国体(第48回国民体育大会)」において、すだちをモチーフにしたイメージキャラクター「すだちくん」が誕生しました。現在もすだちくんは徳島県のマスコットキャラクターとして、徳島県と徳島のすだちのイメージアップに大活躍しています。