お茶ガイド-全国茶生産団体連合会・全国茶主産府県農協連連絡協議会
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都府県の茶産地と銘茶紀行

 江戸時代、茶は貴重な農作物で、北海道や東北地方でも栽培が行われていが、チャの木は、本来は亜熱帯原産の常緑樹で寒さや霜による葉の損傷をうけることが多い。このため、寒害や霜害が重なるような地域では産業としての茶園経営は成り立ちにくく、温暖な気候の静岡や九州などが栽培地となってきた。
このため、我が国の茶の生産が産業的に立地する北限は、一般的に新潟県村上村と茨城県大子町を結ぶ線といわれている。

<表示の説明>
*1. 都府県名の次に( )内に記載した茶名は一般に都府県を代表する銘柄。
*2. ―( )の茶種は当該都府県で生産される主な茶種。
*3.

緑字の茶名は都府県内の地域銘柄などであるが、近年、銘柄が統一される方向にある。しかし、銘茶紀行の視点から現在使用されていないものも過去の歴史をたどる意味で含めたものもある。

*4. *特:   の項の茶名などは特殊な茶あるいは飲み方などである。
 
*各地の茶の歴史は古いが頁の関係で極力短絡化した。従って、各産地の詳細を知りたいときは「産地紹介窓口」(都府県の茶/ご購入先)へ。
*市町村名では市町村合併が行われているため旧市町村名で表記されている場合がある。
 
img北海道

禅源寺(古平町)の境内にあるチャの木は、現在植栽されている木の最北端といわれている。

img青森県
(黒石茶)

 小さいながら古くから知られた存在であったが、現在栽培しているのは黒石市元町の1戸のみ。小中学生の教材にもなっている。

 ♦ 見どころ:
法眼寺境内(黒石市山県町)に若干植えられている。

img秋田県
(檜山茶)―(煎茶)

 古くから北限の茶として知られるが、現在は能代市檜山町で栽培されている1戸のみ。

img山形県
(庄内産茶)―(煎茶)

 鶴岡市羽黒町で140年ぶりの庄内産茶
同町の松ケ岡開墾場が平成21年に新植した茶を23年に初収穫、「松ヶ丘のお茶」を目指す。

img岩手県
(気仙茶)―(煎茶)

 18世紀、伊勢参りの際に種子を持ち帰り栽培したのが始まりだといわれ、現在は、陸前高田市や大船渡市などで栽培、製造されている。

img宮城県
(桃生茶)―(煎茶)

 仙台藩が産業振興に奨励されたといわれ、現在は石巻市桃生町を中心に栽培され地域特産物として販売されている。周辺地域の山裾に散在する茶園が見られる。

img新潟県
(村上茶)―(煎茶)
 一般に新潟県村上市と茨城県大子町を結ぶラインが茶の生産が産業立地する北限といわれている。
 栽培地は村上市を中心に栽培され、積雪に耐えるため茶園の仕立ては低くされている。甘味が特徴といわれている。
 なお、江戸時代に新発田藩の御用達が宇治から種を持ち帰り、明治に入り藁覆茶園を利用した「越後玉露」の歴史をもつ「新津茶」があったが現在は殆ど無く、少々生産される茶を「茶もみ唄」とともに伝承している。
img茨城県
(奥久慈茶・さしま茶)―(煎茶)

 17世紀初め、西福寺の住職が宇治から種子を持ち帰り、栽培が始まったといわれる。

奥久慈茶−大子町を中心に、久慈郡の山間地で栽培。冷涼な気候と、霧などの影響を受ける日照量が、特有の色沢と香気を生む。

 ♦ 見どころ:奥久慈茶の里公園(大子町)

さしま茶―江戸時代から県西部の平坦地で栽培されている。ほどよい渋味と濃い水色が特徴といわれる。

古内茶―現在は城里町(旧常北町)などで栽培。1390年代からといわれる県内最古の栽培地。

 ♦ 見どころ:
 水戸藩2代藩主徳川光圀が名づけた初音茶が城里町 (下古内)の清音寺境内に原木「母の木」として植えられ てある。

img栃木県
(鹿沼茶、黒羽茶)―(煎茶)
 鹿沼市、大田原市(旧黒羽町須賀川)で生産され、多くは農家による一貫生産で、茶葉の形状は小さめだが味はさわやか。
img群馬県
(梅田茶)―(煎茶)
 桐生市や渋川市で生産され、桐生市梅田地区の梅田茶、渋川市の旧子持村の子持茶が知られ渋味と香りが特徴といわれている。
 鹿沼市板荷地区では農薬不使用、減化学肥料栽培で一番茶のみ生産する板荷茶がある。

*特:上州白久保のお茶講(重要無形民俗文化財)―節分のころ、白久保天満宮から天神様を迎えて4種類12包のお茶を飲み分けて競う行事。
img埼玉県
(狭山茶)―(煎茶)

 関東一の茶所。鎌倉時代、京都の明恵上人が川越地方に植えたのが始まりという。防風や境界として栽培されていたが、明治時代、川越の高林謙三による製茶機械の発明により、本格的な茶業が開始。現在、入間市、狭山市を中心に産地が広がる。冷涼な丘陵地帯で、収穫は春と夏の二番茶まで。
  低温で長時間加熱する「狭山火入れ」という伝統的な製法で、特有の香気があり、渋味の中にも強い甘味が感じられる爽やかな茶が特徴。
  以前には、入間茶秩父茶川越茶などがあったが狭山茶に統一されている。

 ♦ キャッチ:狭山茶摘歌
「色は静岡、香りは宇治よ、味は狭山でとどめさす」

 ♦ 見どころ:入間市博物館・アリット(入間市)が茶をテーマとした催事を行っている。

<関連HP>(社)埼玉県茶業協会

img千葉県
(佐倉茶)―(煎茶)

 佐倉藩士により現在の八街市にチャの種子を播いてから各地に広まったが、現在では八街地方に集約化されている。

img東京都
(東京狭山茶)―(煎茶)

 埼玉県と隣接する瑞穂町を中心に栽培され、狭山茶或いは東京狭山茶として売られている。

♦ 見どころ:狭山神社に勝海舟の筆による「茶場の碑」がある。(瑞穂町)

img神奈川県
(足柄茶)―(煎茶、番茶)

商標法に基づく地域団体商標登録名
足柄茶

 1925年、山北町清水地区にチャの種子をまいたのが始まりで伊豆地方にもおよんだと云われるが、現在は良質茶の生産に適した山間地の足柄地方が主産地。
香りと豊かな風味が特徴といわれる。2015年に、遊休、荒廃農地を開発して生産した茶をあいかわ茶として売り出した。

img静岡県
(静岡茶)―(煎茶、玉露、かぶせ茶、
                 碾茶、玉緑茶、番茶)

商標法に基づく地域団体商標登録名
静岡茶 川根茶 掛川茶
東山茶

〜生産・流通面ともにわが国茶業の最大拠点〜
  鎌倉時代、臨済宗の聖一国師が中国から持ち帰った種子を、現在の静岡市足久保にまいたのが起源と伝えられている。
  明治維新後、牧之原台地の大規模開拓や清水港からの海外輸出など、立地条件に恵まれ、日本一の産地になった。近年は、産地の集約化と大型機械化が急速に進んでいる。なお、深蒸し煎茶は静岡が発祥の地。
  各産地ともそれぞれの自然環境を活かし、全県的に特徴のある茶が生産されている。

県東部:沼津茶、富士茶、裾野茶、両河内茶、庵原茶、本山茶(安倍本山茶、駿河本山茶)、安倍茶、藁科茶、梅ケ島茶、玉川茶、井川茶、美和茶、足久保茶、新山茶、朝比奈玉露、岡部茶、藤枝茶、志太茶、榛原茶、相良茶、川根茶、金谷茶、島田茶、御前崎茶。

県西部:掛川茶 菊川茶、小笠茶、袋井茶、磐田茶、大城茶、天竜茶、森茶、春野茶、水窪茶、渋川茶、浜北茶、浜松茶。

 ♦ キャッチ:「駿河路や 花橘も 茶の匂ひ」
       元禄七年(1695年)、松尾芭蕉が島田で詠んだ歌。

 ♦ 見どころ:
・沼津御用邸記念公園東付属邸 翠松亭、駿河待庵 (沼津市)
・紅葉山庭園茶室(静岡市駿府公園内)
・しずおかO−CHAプラザ(静岡市駿河区)
・お茶の郷博物館(島田市金谷町)
・玉露の里(藤枝市岡部町)
・フォーレなかかわね茶茗館(川根本町)
・グリーンピア牧の原逸品館(牧之原市西萩)
・香りの丘茶ピア(袋井市)

<関連HP>
(公益社団法人)静岡県茶業会議所
静岡県経済農業協同組合連合会 (日本茶)

img山梨県
(南部茶)―(煎茶)

 南アルプスの山麓の南部町で栽培され、柔らかい味ながらこくがあり、香り高い風味が特徴。
 甲州市や身延町の古い寺院に茶畑があったといわれ歴史は古い。
 都留市では毎年10月の最終日曜日にお茶壺道中の行列が行われる。

img長野県
(赤石茶・伊那茶)―(煎茶)
 飯田市(旧南信濃村、旧天龍村、旧上村)で生産さる赤石茶は、赤石山脈の山裾の急斜面を切り開いた茶畑で栽培され、気候は暖かくさっぱりした味で知られる。下伊那郡地方で栽培された伊那茶は現在では少ないが、伊那谷の暮らしに根付く柴茶が知られている。
 塩尻市の奈良井宿では毎年6月の第一日曜日にお茶壺日道中の行列が行われる。
img富山県
*特:バタバタ茶(朝日町・入善町地方)
発酵茶である黒茶を使って浄土真宗の吉祥命日に行われる。黒茶は、夏に刈り取って煮立てた葉を発酵させ、白カビが生えたら天日で乾燥させたもの。黒茶を茶袋に入れて沸かす。小ぶりの茶碗に汲んで塩を加え、独特の茶せんをバタバタと振って泡立てて飲む。
img石川県
―(煎茶、番茶)

 能登半島を中心に生産され輪島茶がある。
中居茶―茶葉を天日干しし、炭火で炒った茶(穴水町)

*特:加賀棒茶―上質煎茶の茎を選び焙じた茶

img福井県
―(煎茶、番茶、釜炒り茶)
越前市、小浜市、三方郡地方で小規模に生産されるが歴史は古い。越前市の味真野茶は一戸になったが三方茶は煎茶、小浜市では柴茶といって、素朴な釜炒り製の茶が生産され一部に日干し番茶もある。地元小学生が毎年実習する茶園がある。

img岐阜県
(美濃茶・白川茶)―(煎茶、碾茶、番茶)

商標法に基づく地域団体商標登録名
美濃白川茶

八世紀後半、白山神社創建の泰澄大師が京都から種子を持ち帰り、白川地方で栽培を奨励したといわれるが、現在の産地は東西に二分される。

美濃白川茶―県東部の白川町や東白川村など、昼夜の気温差が大きい冷涼な山間地域で栽培。高い香気と味が特徴。

 ♦ みどころ:
・茶の里会館・茶工房(東白川町)
・道の駅:美濃白川ふるさと館「ピアチューレ」(白川町)
・飛騨美濃特産名人の館「茶・ちゃ・チャ」(白川町)

美濃いび茶−県西部の揖斐地方が産地。多雪地域で、香り高いお茶になる。揖斐川町の春日地区は全域で農薬を使用しない春日茶で知られる。

 なお、県内の産地により次のような銘柄茶がある。
津保茶(武儀茶)、恵那茶、小那比茶(郡上茶)、郡上番茶、下呂茶、白川茶、東白川茶、いび茶、春日茶

*特:郡上番茶―畦畔茶やヤマチャを刈り取り釜で湯通しをして莚の上で軽く揉んで陰干しする。葉は蒸す場合もあり日干しする場合もある。

*特:不帰(かえらず)茶(垂井町)―不帰(帰らず)の地名をとって縁起の良い茶として知られる(商品銘柄)。

img愛知県
(西尾茶・しんしろ茶)
―(煎茶、かぶせ茶、碾茶)

商標法に基づく地域団体商標登録名
西尾の抹茶

吉良家ゆかりの実相寺の僧が1271年にチャの木を植えたといわれる。産業として産地となってきたのは徳川家康の伯母の菩提寺、紅樹院の住職が宇治から種子と製造技術を導入してから。

西尾の抹茶吉良茶西尾茶―西尾市(旧西尾市、旧吉良町、旧幡豆町)を中心とする西三河地域が産地。

とよた茶―主としててん茶の産地、かぶせ茶も生産。

しもやま茶―豊田市の中山間地域で香気の良いてん茶、煎茶が生産される。

しんしろ茶豊橋茶奥三河茶田原深蒸し茶―東三河地域で煎茶の産地。

*特:足助寒茶・宮崎番茶―整枝を行わずに伸ばし、寒中に刈り取った茶葉を使う。足助寒茶は茶葉を蒸し、揉まないで2〜3日間天日干しをしてから、さらに室内で乾燥させた茶。宮崎番茶は茶葉を蒸さずに茹でて、天日乾燥させた茶で現在は生産されていない。

 ♦ みどころ:稲荷山茶園公園(西尾市)

img三重県
(伊勢茶)―(煎茶、かぶせ茶、
        玉露、碾茶、番茶)

商標法に基づく地域団体商標登録名
伊勢茶

 10世紀に現在の水沢町一乗寺で栽培されたといわれる。19世紀前半に常願寺の住職、中川教宏が生産を奨めて拡大。現在の生産量は全国第三位。全国に先駆けて防霜ファンを開発、普及した産地として知られる。北勢地方を中心とした平坦地では大型機械・施設を核とする共同体産地作りが進んでいる。
  銘柄は、全県的に伊勢茶で統一されている。

北勢地方:大安茶石榑茶水沢茶鈴鹿茶亀山茶
−鈴鹿山系の北勢地方は、良質なかぶせ茶が多い。

中勢地方:芸濃茶美杉茶久居茶

南勢地方:飯南茶香肌茶(川俣茶)大台茶深山茶度会茶大宮茶越加茶−宮川流域の南勢地方は、濃緑な深蒸し煎茶の主産地。

 ♦ 見どころ:
リバーサイド茶倉 飯南町茶業伝承館(松坂市飯南町)

<関連HP> 三重県茶業会議所

img滋賀県
(近江茶)
―(煎茶、かぶせ茶、番茶)

商標法に基づく地域団体商標登録名
甲賀のお茶

延暦寺の開祖、最澄が中国から種子を持ち帰り、日吉大社付近に植えたのが始まりとされる。県東南部の甲賀市(土山町、信楽町、水口町)に集中。香気、滋味に優れている。

水口茶、土山茶、信楽茶、北山茶、政所茶、朝宮茶、伊香茶

*特:三献の茶―豊臣秀吉が鷹狩りの途中立寄った法華寺で茶を所望した折、石田三成が三回にわたり茶を献上した故事に因んだ茶(長浜市木之本町)

<関連HP>(一般社団法人)滋賀県茶業会議所

img京都府
(宇治茶)
―(煎茶、かぶせ茶、
   玉露、碾茶、番茶)

商標法に基づく地域団体商標登録名
宇治茶

 鎌倉時代、明恵上人が栄西禅師から贈られた種子を、栂尾の高山寺と宇治の地にまいたのが始まりといわれる。長い歴史を通して日本茶固有の生産技術が開発されてきた産地。
  宇治茶は、木津川流域の気候風土と独特の技術によって確立され日本茶の有名ブランドになっている。

[室町時代] 足利義満が宇治七名園と呼ばれる茶園を開く。菰などを被せる「覆下栽培」が始まる。
[江戸時代]
1738年 宇治田原の永谷宗円が、茶葉を蒸して揉む
     煎茶製法(宇治製法)を完成。
1834年 玉露の原型が作られる。
1919年 碾茶機の開発。

  現在は、宇治市、城陽市を中心として碾茶(抹茶の原料)などが生産され、抹茶の生産高は全国一。玉露は、京田辺市、宇治田原町周辺のほか北部の綾部市などで生産される。南部の和束町、南山城村は高級煎茶、木津川市(旧加茂町)はかぶせ茶産地として知られている。

宇治茶、宇治田原茶、和束茶、宇治玉露、田辺玉露、両丹玉露、両丹茶、綾部茶。

*特:京番茶―玉露や碾茶用の茶葉を収穫した後、伸びた茶葉を利用して作る高級番茶。さっぱりした味と香りで人気。

*特:宇治の文化的景観(重要文化的景観)―宇治川に代表される自然景観を骨格とし、市街地と茶園によって構成される茶業に関する文化的景観

 ♦ みどころ:
・宇治・上林記念館(宇治市)
・市営茶室「対鳳庵」(宇治市)
・宇治茶道場「匠の館」(宇治市)
・永谷宗円生家(宇治田原町)
・福寿園CHA研究センター(木津川市)

 ♦ 日本遺産:
・日本茶800年の歴史散歩(京都府8市町村)

<関連HP>
(公益社団法人)京都府茶業会議所
京都府茶協同組合

img兵庫県
(丹波茶・母子茶)
―(煎茶、番茶)

 栄西禅師が中国から茶を伝えた時以来という古い歴史を持ち、多くの産地銘柄がある。

丹波茶、母子茶、仙霊茶、出石乙女、あさぎり茶、朝来みどり大路茶、やしろ茶など。

*特:高仙寺番茶― 丹波篠山地方で古からヤマチャを蒸して後発酵させて作られた番茶

*特:後川寒茶― 篠山市後川地方で大寒の頃に葉を摘み取って蒸し、筵の上で揉んで天日干しした茶

*特:仙霊茶― 生蓮寺の住職が推奨して栽培が始まり、京の都宮中宝鑑寺の宮様から「仙霊茶」の御銘の真筆を賜ったと云われる。

img奈良県
(大和茶)
―(煎茶、かぶせ茶、碾茶、番茶)

 大同元年(806年)に入唐僧空海(弘法大師)が帰朝の際、茶の種子をもたらし、現在の宇陀市榛原区赤埴の佛隆寺の山内で開祖堅恵大徳に播かしめたのが発祥と伝承されている。その際に持ち帰った茶臼が同寺に保存されている。
 大和高原北部の山間地で栽培され冷涼な気候を活かし良質な茶を生産している。銘柄は、産地別に月ヶ瀬茶、田原茶、柳生茶、山添茶、福住茶、都祁茶、室生茶、大淀茶があるが、全県的に「大和茶」で統一されている。

*特:吉野日干番茶― 吉野地方の特産で茶葉を日干しをし、焙じた茶。

*特:大茶盛― 真言律宗総本山の奈良西大寺において1239年から続く行事。直径40cm、重さ4kgの特大の茶碗を回しのみする。

 ♦ みどころ:
・湖畔の里つきがせ(奈良市月ヶ瀬桃香野)
・ロマントピア月ヶ瀬(奈良市月ヶ瀬長引)
・茶の里会館映山紅(山辺郡山添村)

img和歌山県
(紀州茶)―(煎茶、番茶)

色川茶、川添茶、音無茶、九重茶、日置川茶−県南部の温暖な川筋の土地を活かして良質な茶を生産。
 かって、龍神村の霧の発生する山添に栽培され「山路茶」として出荷されたが今はない。

*特:音無茶・九重茶―熊野地方で作られる釜炒りの 日干番茶。

img鳥取県
―(日干し茶)
―(煎茶、かぶせ茶、番茶)

日干し茶は茶葉を刈り採り、そのまま天日干しをし、鍋で焙じて飲む素朴な茶。さらりとした香ばしい味が特徴。

鹿野茶智頭茶―生産量は少ないが、鹿野茶、智頭茶が知られる。

img島根県
(島根茶)―(煎茶、番茶)

松江藩主松平不昧公が茶を広めたこともあり消費量が多いことで知られる。中国地方一番の茶の産地で伯太茶出雲茶などで知られる。

*特:大東番茶―茶葉を枝のまま刈り採って陰干しした茶

*特:日干番茶―茶葉を天日干しした茶

*特:ボテボテ茶(島根県松江市、安来市地方)
日干番茶などと茶の花を煮出して茶碗に入れ、大振りの茶せんの先に塩をつけて泡立てる。泡にご飯と煮豆、佃煮、漬物などを載せて、塩で味を整える。茶碗の底を手で叩きながら片方に寄せて、茶とともに具をいただく。松江市(旧鹿島町)では「福茶」と呼ばれ、正月や祝い事に客に出される。

 ♦ みどころ:
・出雲文化伝承館(出雲市)
・明々庵(松江市)
・菅田庵(松江市)

img岡山県
(岡山茶)―(煎茶、番茶)

1730年、地域産業振興のために海田村に栽培が奨励されたのが最初といわれ、作州地方で生産される。海田茶勝山茶で知られるが総称して作州番茶ともいっている。

*特:美作番茶・武蔵番茶― 一番茶を摘採した後に伸びた葉を、土用の頃に刈り取って煮た後、広げて天日乾燥させる。茶葉を煮た汁を散布しながら乾かし、茶葉に光沢を出す。まろやかな風味がある。丁寧に製造したものを特に武蔵番茶と呼んでいる。

*特:玄徳茶―碁石茶と同じく茶葉を夏に刈り取り作られる後発酵茶。中国の三国志の劉邦に因んで名づけられた。

<関連HP>おかやまのお茶―岡山県

img広島県
―(番茶)

世羅町を中心に生産され、茶葉を煮て土用干しして作られる一種の醗酵茶で煮製であるのが珍しい。

img山口県
(山口茶)―(煎茶、番茶)
明治時代、長州藩主導で県内各地に栽培が広まり、防長茶として全国に知られた。現在は宇部市(小野地区)が産地の中心で小野茶として知られる。
img徳島県
(阿波茶)―(煎茶、番茶)

冷涼な急山間傾斜地で栽培され、歩危茶などは豊かな味と香りが特徴と云われる。また、特別な製法の阿波(晩)番茶が特有の香りと爽やかさが好まれている。

*特:阿波(晩)番茶―那賀町相生地区、上勝町など山間地で作られる珍しい番茶で、後発酵茶の一種。夏期に茶葉を刈り取り、蒸れないように混ぜながら土間に莚を敷き2〜3日間積んでおいた後、30〜40分蒸し または煮る。
汁を切って桶に詰め、重石を載せて7〜10日間漬け込む。発酵の匂いがただよい茶汁が滲み出たら、茶葉をほぐして広げ、天日乾燥する。相生番茶神田茶などがあり、神田茶は煮製。

*特:木頭寒茶―那賀町木頭地区で生産される。冬期に茶葉を刈り取り煮て筵の上で揉んで寒気に曝して日干しして作る。

*特:宍喰寒茶―海陽町宍喰地区で生産される。木頭寒茶と同じく冬期に茶葉を刈り取り蒸して手で荒揉み天日に干しながら揉みあげる。

*特:木沢寒茶―那珂郡木沢村地方のヤマチャで作った茶で日干番茶。徳島県には同様な茶が多い。

img香川県
(香川茶)―(煎茶、番茶)

高松藩主の松平頼重が茶会用に、栗林公園に茶園を造ったのが起源。現在、南西部の山間丘陵地が産地。

高瀬茶―高瀬川流域が茶産地

img愛媛県
(愛媛茶)―(煎茶、番茶)

産地は四国山脈の山間部に点在し、良質な茶が生産される。

鬼北茶、宇和茶、久万茶、新宮茶、富郷茶、伊予茶、周桑茶、美川茶

*特:石鎚茶(石槌黒茶)―石鎚山麓(西条市小松町)に自生する山茶から作られた後発酵茶で、煎じて飲む。梅雨明けに摘み、60〜90分蒸した後冷やしてから桶に入れる。一週間ほどしてカビが生えたら、広げて揉み、桶に詰めて重石を載せ、一週間ほど漬け込む。その後ほぐして自然乾燥させる。さわやかな甘味と風味がある。

*特:ボテ茶―愛媛県松山地方の茶習俗。本来の茶ではないがクコの葉と大豆を煮だした茶を茶筅で泡立てた上に黒豆ご飯をよそい、タケノコなどの具を載せて食べる。

img高知県
(土佐茶)
―(煎茶、番茶)

仁淀川流域の山間部が主産地。昼夜の温度差が大きく、品質の良さにも定評がある。

土佐茶、土佐番茶、四万十茶、仁淀茶

*特:碁石茶―自生の山茶の葉を夏に刈り取り作られる後発酵茶。製法は石鎚茶とほとんど同じだが、最後の漬け込みの後、碁石ほどの大きさに切って乾燥させる。茶粥などに使われる。(大豊町)

 ♦ 見どころ:
・碁石茶博物館(大豊町)
・檮原町の茶堂:津野山郷の藩主・津野氏の霊を慰めるために建立された茶堂。今は旅人をもてなす場にもなっており13棟現存する。

img福岡県
(八女茶)
―(煎茶、玉露、
   かぶせ茶、碾茶、番茶)

商標法に基づく地域団体商標登録名
八女茶 福岡の八女茶
地理的表示法に基づく地理的表示登録産品
八女茶伝統玉露

 1423年、周瑞禅師が八女市(旧黒木町)に霊巌寺を建立し、茶の栽培を伝えたのが初めとされる。現在、普通煎茶など各種のお茶を生産しており、特に玉露は有名で、各種茶品評会などで優秀な成績を上げている。八女市(旧八女市、旧上陽町、旧黒木町、旧星野村)などを中心に山間地から平坦地まで広範囲で展開されている。
  銘柄は、八女茶、福岡の八女茶に統一されている。

八女茶、星野茶、黒木茶、上陽茶、八女玉露、浮羽茶

 ♦ 見どころ:
・茶の文化館(八女市星野村)玉露の「しずく茶」が人気
・お茶の里記念館(八女市黒木町)
・べんがら村(八女市)

<関連HP> 福岡県茶業振興推進協議会

img佐賀県
(うれしの茶)
―(煎茶、かぶせ茶、
   玉緑茶、番茶)

商標法に基づく地域団体商標登録名
うれしの茶

 1191年、臨済宗開祖の栄西禅師が、東背振村の霊仙寺に、中国から持ち帰った種子をまいたとのこと。
  嬉野式釜炒り茶は、中国の陶工である紅令民が釜を持ち込んで炒葉製茶法を伝えたのが始まりといわれている。この釜は、中国式の本来斜めに据えられたもので、平らに据えられる熊本の青柳茶と異なるが、現在の釜炒り茶は連続式炒り葉機が普及して区別がなくなっている。

嬉野茶、唐津茶、七山茶、作礼茶

生産量の6割以上は玉緑茶だが、現在ではその殆どが蒸し製玉緑茶。

 ♦ 見どころ:
・背振山・霊仙寺(吉野ケ里町東背振):栄西禅師が宋より茶の種を持ち帰り霊仙寺石上坊の庭に播いたのが日本最初の茶樹栽培といわれ、これが「石上茶」と呼ばれている。
・天然記念物・嬉野大茶樹(嬉野市)
・嬉茶楽館(きんさらんかん)(嬉野市)

<関連HP>西九州茶農業協同組合連合会

img長崎県
(そのぎ茶)
―(煎茶、かぶせ茶、
   玉緑茶、番茶)

 長崎県の茶のルーツは、遣隋使の時代にさかのぼるともいわれる。釜炒り製茶法が伝わってからは、東彼杵町を中心に波佐見町や佐世保市世知原町、さらに松浦市、雲仙市へと生産が拡大。現在はほとんどが蒸し製玉緑茶。
  長崎県には、大浦慶という女性が、1856年にイギリスの商人オールトから日本茶60トンの注文を受け、1859年にようやく北九州一円から6トンの茶 を集め、オールトによって初めて海外に輸出され、また、1823年に長崎出島のオランダ商館長となったドイツ人医師シーボルトによってヨーロッパに紹介され、茶が本格的に輸出されるようになったという歴史がある。

彼杵茶、五島茶、波佐見茶、世知原茶、雲仙茶、松浦茶

 ♦ 見どころ:
・冨春庵の茶畑(冨春園)(平戸市木引町):
栄西禅師が宋から茶の種を持ち帰り日本で初めて冨春庵の裏山に種を播いた茶園といわれる。

img熊本県
(くまもと茶)
―(煎茶、かぶせ茶、
   玉緑茶、番茶)

商標法に基づく地域団体商標登録名
くまもと茶

 産地は古くからの産地と新興産地が県下各地に広がり、煎茶、蒸し製玉緑茶、釜炒り製玉緑茶の三茶種が生産されている。特に釜炒り茶の歴史は古く、築城400年を迎えた熊本城を築いた加藤清正公が朝鮮半島から製法を持ち帰り、奨励したことに始まったと言われており、元禄年間には「青柳茶」と命名され、現在に至っている。
  生産量は煎茶と玉緑茶がほぼ同量で玉緑茶の生産量は全国第2位、玉緑茶の殆どは蒸し製玉緑茶で、釜炒り製玉緑茶は生産量が漸減している。煎茶の生産は球磨地方、菊池地方が中心である。蒸し製玉緑茶は県下全域で生産されており、釜炒り製玉緑茶は上益城地方が中心で天草地方でも生産されている。

青柳茶―釜を水平にして作る釜炒り製玉緑茶。さっぱりしたのど越しで、爽快な香味の「かま香」が特徴である。
現在は連続式の炒り葉機で生産されているが、昔ながらの「かま香」にこだわった釜炒り茶の生産に努力している。

矢部茶、泉茶、相良茶、球磨茶、鹿北茶、岳間茶、水俣茶、蘇陽茶、肥後茶、菊池茶、旭志茶、鹿本茶、水源茶、五木茶、錦茶
*特:大茶盛―奈良西大寺と同宗の蓮華院誕生寺が奥之院開創の19789年から行っている行事。

 ♦ 見どころ:ふれあいリフレ茶湯里(相良村)

img大分県
(大分茶) ―(煎茶、玉緑茶)

 県内に幅広く地域を活かした特徴のある茶が作られる。中津市(耶馬渓町)、日田市(旧市、旧中津江村)などの県北地方、杵築市、国東半島、豊後高田市など県中地方、豊後大野市(旧市、旧大野町)、臼杵市野津町などの県南地方である。
 因美茶は、江戸時代の中ごろ、毛利藩主(佐伯市)が長崎出島に出向いた際、茶の種を買って帰り、当時焼畑農業をしていた農民に植えさせた茶で釜炒り茶である。

耶馬溪茶、日田茶、津江茶、野津茶、きつき茶、山香茶、因尾茶、九重高原茶

*特:小鹿田焼の里(重要文化的景観)―急峻な斜面を石積みで造成した棚田には茶が自生しており、この茶葉を釜炒りしてむしろの上で揉んで製茶。地元では一年中まかなっている。

img宮崎県
(みやざき茶)
―(煎茶、玉緑茶、番茶)

 古くから西北山間部を中心にヤマチャを利用して作られてきた釜炒り茶と1600年代に都城で始まった煎茶生産が明治以降全域に広まった。現在、全生産量の80%は煎茶で、20%が釜炒り茶であり、最近一部でてん茶、紅茶も生産されるようになった。
  沿海地など温暖な早場地帯から標高700mにおよぶ山間高冷地の遅場地帯まで摘採時期が巾広く、やぶきた以外の優良品種の普及率が高いのも特徴である。
  沿海地は良質煎茶が早期出荷され、県央は主に深蒸し、中蒸し煎茶、霧島盆地は良質な普通煎茶の産地、高千穂町や五ケ瀬町など西北山間地域は全国に誇れる釜炒り茶の産地として知られる。

都城茶、串間茶、西都茶、児湯茶、延岡茶、川南茶、高千穂釜炒り茶、五ヶ瀬釜炒り茶、(日向茶、米良茶)など

*特:カッポ茶(高千穂地方)―火であぶった山茶の葉と湯を竹筒の中に入れ、しばらく置いて飲む。茶と竹の香りが楽しめる。注ぐ時に「カッポカッポ」と音がすることから名がつき、古くは山仕事における一服だった。

<関連HP>みやざき茶推進会議

img鹿児島県
(かごしま茶)
―(煎茶、かぶせ茶、
    玉緑茶、番茶)

商標法に基づく地域団体商標登録名
知覧茶 かごしま知覧茶
  平家の落人が伝えたなど、いろいろな説があるが、島津藩政時代に特産として栽培を奨励したことから広がった。本格的な栽培は比較的新しく第二次大戦後。
  現在は全国第二位の生産高を誇り県下全域で生産されているが地帯区分を明確にして地域に適応した生産方式が進められている。

・温暖早場地帯(熊毛、薩摩・大隅南部沿岸地域)
―気候が温暖で、走り新茶の早出し生産方式
・畑作平坦地帯(薩摩半島南部や大隅半島の志布志市などの平坦地域)
―良質茶を大量かつ低コストで生産する大型機械化生産方式。栽培の機械化普及率は全国1位
・山麓傾斜地帯(霧島山麓地域)
―狭い耕作地の特徴を生かし、上級茶を生産する集約生産方式。

えい茶、知覧茶、川辺茶、枕崎茶、まつもと茶、みぞべ茶、有明茶、曽於茶、日置茶、など

*特:はんず茶(鹿児島市四元(旧松元町))―茶葉を半胴(はんず)と呼ばれるかめの中で攪拌しながら炒って製茶する。

 ♦ 見どころ:
・かごしま茶流通センター・ちゃぴおん(鹿児島市)
・お茶加工研修館(溝辺町)
・茶山房:手もみ茶体験学習施設
 (鹿児島市上谷口町)
・霧島茶ふれあい工房(霧島市)
・パンとお茶の館「茶楽里」(南九州市)

<関連HP>
(一般社団法人)鹿児島県茶生産協会
(公益社団法人)鹿児島県茶業会議所

img沖縄県
(沖縄茶)
日本で一番早く生産される茶。名護市及び国頭村が中心産地。

*特:ブクブク茶(沖縄県)―煎米湯(米をゆでるときに出る)2、番茶1、ウーロン茶・清明茶(清明節の頃に収穫した茶)1の割合で、大きな木鉢に入れ、大ぶりの茶せんで固めに泡立てる。茶碗に赤飯を少量と浸る程度の煎米湯を入れ、その上に泡を落とし、上に砕いた炒り落花生を載せて食べる。
 
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