営農情報

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水稲 (2022年8月19日作成)

8月も後半に入り、厳しい暑さもようやく落ち着くようです
稲作の終盤に向けて適切な管理を実施し、良質米の生産を実現しましょう

1 気象経過と稲の生育状況

 7月中旬以降、8月始めの台風による一時的な気温の低下を除けば、ここまで猛暑が継続しています。
 県東部早期栽培地帯では、登熟が促進され稲刈りも各地で始まっています。県北部麦あと普通栽培地帯でも、生育は早まり出穂・開花時期になりました。

 昨年は高温期間が長く続かず、8月中旬以降気温が下がった結果、米の品質は全般的に良好な年となりました。今年は7月中旬からの高温が8月初旬まで続き、丁度早期栽培コシヒカリの出穂~糊熟の期間と重なったため、玄米品質の低下が懸念されます。一方8月に入ってから出穂となった5月中旬以降の早植え、普通植え栽培では、猛暑はあるものの長続きせず、今後も極端な高温はないと予想されることから玄米品質への影響は少ないものと考えられます。

2 今後の生育と管理

 8月18日発表の1か月予報によれば、気温は引き続き高めの予報ですが、極端な猛暑は少ないものと見られます。また期間中は晴れの日がやや少ない見込みです。
 このことから、稲の登熟はやや早く進み収穫期は前進すると考えられます。また、高温による玄米品質低下への影響は低いと思われますが、日照不足による乳白粒の増加が懸念されます。

(1)収穫期に入る稲は刈り遅れに注意

 出穂時期別の収穫開始予想日は表1のとおりです。出穂が早いものほど高温に遭遇している期間が長いため籾の退色が緩慢になり、見た目だけで判断すると刈り遅れになりがちです。高温登熟した米は刈り遅れると茶米や胴割れ米が多くなるので注意が必要です。
 日平均気温の積算値が950℃を越えたら収穫開始時期と考え、立毛で籾の水分が25%以下になったら収穫を行いましょう。


 表1 出穂期別の収穫開始予想日
出穂期 刈取り始め 登熟日数
7月20日 8月22日 33日
7月25日 8月28日 34日
7月31日 9月4日 35日
8月5日 9月10日 36日
8月10日 9月15日 36日
8月15日 9月21日 37日
収穫開始日:登熟積算気温950℃に到達した日とした
(2)登熟期の稲は水管理をしっかりと

 開花が終わり、穂が垂れ始めるまでは水を切らさず入れましょう。穂が垂れ始めたら間断潅水に切り替えましょう。水を完全に切るのは出穂から4週間経ってからにしましょう。

(3)カメムシを見かけたら、急いで防除

 県病害虫防除所発表の防除情報によると、本年はカメムシの発生数が直近5年の平均と比べ2倍以上と多くなっています。出穂の前後に畦畔等の草刈りを行った水田では飛び込みも多くなってカメムシの被害が多発する可能性があります。見つけたら急いで防除しましょう。詳しくは下記のリンクを参考にして下さい。

防除情報「稲の斑点米カメムシ類について」(令和4年7月28日) - 埼玉県 (saitama.lg.jp)