営農情報

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12月の麦管理について (2022年12月9日作成)

11月は高温で、中旬に雨がまとまって降りました。

 この影響で雨の前に播種した麦は生育が早く、平年よりも進んでいます。一方で、ほ場が乾かず播種作業が12月になったほ場所も多くなりました。
 12月に入り気温は平年並みになって、ようやく天候も安定してきましたので、麦の生育やほ場の状態に応じた適切な管理を行いましょう。

(1)早く播種したほ場は、年内に必ず麦踏を行いましょう

 11月中に播種できたほ場の麦は、年内に麦踏みのできる大きさに生育します。麦踏みは、麦の耐寒性を高め、分げつを早く出す効果があるので、年内に必ず1回目の麦踏を行いましょう。

(2)12月播きは播種量を増やし、播種後に鎮圧を行いましょう

 12月中旬を過ぎてからの播種では、麦の播種量を1~2割増やしましょう。これからの播種では気温の低下により出芽率が下がること、また年内の出芽は難しく、生育量がどうしても小さくなるので、最終的に1株あたりの穂数が減少します。このため、播種量を増やすことで不足分を補うことが必要になります。
 また、播種した後には麦踏みローラー等で鎮圧を行いましょう。気温が下がって、土も乾く季節には鎮圧して種を土にしっかり落ち着けることで出芽が安定します。

(3)雑草の発生に注意して確実に防除しましょう

 雑草の防除は、雑草の発生前処理が最も効果的で安定しています。寒くなると麦と同様にしばらく雑草は生えてこないと思いがちですが、雑草は麦よりも早く発芽してきます。除草剤の種類によって「雑草発生始め」や「イネ科雑草1葉期まで」適応するものもありますが、雑草の正確な出芽や葉齢を把握するのは忙しい作業のなかでは見落としがちです。麦の播種後、できるだけ速やかに除草剤を散布することが雑草防除成功のカギです。
 また、11月23日の大雨までに除草剤を散布したほ場では、除草効果が早く切れてしまうことが考えられます。ほ場を注意深く観察して雑草が発生していたら、生育期処理剤で早めの除草を行いましょう。

(4)冬でも大雨が降りやすくなっているので湿害対策は必須です

 温暖化の影響で、最近は冬場にも大雨が降る頻度が高まっているため、排水対策は必須の作業です。
 ほ場の外周には額縁明渠を掘り、ほ場の中には10m間隔で排水用の明渠を掘って、大雨が降っても素早く排水できるよう準備をしましょう。播種前に掘った溝は、播種作業によって塞がれることが多いので、播種後に改めて点検を行いましょう。