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麦の出穂が記録的に早くなっています! (2023年4月5日作成)
赤かび病の防除は大幅な前倒しが必要です!
2月から気温の高い状態が続き、3月の平均気温は平年より3.7℃も高い12.3℃で、観測史上最も高温になりました。この気温は九州の宮崎市の平年気温並みです。また、3月中旬以降、菜種梅雨による愚図ついた天気が続き雨が多くなっています。

このため、小麦、大麦ともに幼穂の発育は促進され、これまでで最も早かった令和3年並かそれ以上の早さで出穂が始まっています(表1)。
出穂が早く、今後も気温の高い傾向が続くとの予報から、赤かび病の防除適期は平年よりも大幅に早まると予想されます(表2)。
例年通りの防除日程では播き遅れにより十分な効果が得られない可能性があるので作業計画を前倒ししましょう。
表1 播種期別の出穂期(予想含む)
播種期 | 麦種類 | 出穂期 | 平年遅速 |
11月上旬 (11月10日播) |
小麦 | 4月5日前後 | 約7日早い |
ビール麦 | 3月20日前後 | 約10日早い | |
11月下旬 (11月25日播) |
小麦 | 4月10日前後 | 約5日早い |
ビール麦 | 3月30日前後 | 約7日早い |
表2 播種期別の赤かび防除適期予想日
播種期 | 麦種類 | 赤かび病防除適期 |
11月上旬 (11月10日播) |
小麦 | 4月10日~15日 |
ビール麦 | 4月1日~5日 | |
11月下旬 (11月25日播) |
小麦 | 4月15日~20日 |
ビール麦 | 4月8日~12日 |
収穫時期も記録的に早くなると予想されます
コンバインや乾燥機の点検、清掃は早めに済ませましょう
3月30日発表の向こう1か月の気温予想では、4月も引き続き気温が高い状況が続きます。特に中旬までが高いと予想されていることを加味して日平均気温の積算値で予想すると、成熟期は表3のとおり早まります。なお、4月下旬以降も気温が高く経過した場合、成熟期はさらに2~3日早まることも考えられます。

表3 播種期別の予想成熟期
播種期 | 麦種類 | 予想成熟期 | 平年遅速 |
11月上旬 (11月10日播) |
小麦 | 5月24日~26日 | 3~5日早い |
ビール麦 | 5月6日~8日 | 8~10日早い | |
11月下旬 (11月25日播) |
小麦 | 5月28日~29日 | 2~3日早い |
ビール麦 | 5月14日~15日 | 3~4日早い |
