営農情報

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高温被害を軽減するために今できることを実行しましょう(2023年8月3日作成)

8月も猛暑となる予報で、稲にとって厳しい状況が続きます
高温被害を軽減するために、今できることを実行しましょう

これまでの気温と今後の予想

 熊谷の7月の月平均気温は28.9℃で、これまで最も高かった2018年と並んで観測史上1位となり、平年と比べ2.9℃高くなりました。また、今後の予報でも8月中旬までは平年よりも2℃程度高い気温が見込まれ、危険な暑さが続きます(図1,2)。

災害級の高温で、米の品質低下が予想されます

 図1に示した2019年、2022年は、7月中下旬から8月上旬まで高温で「コシヒカリ」の1等比率がそれぞれ36%、22%に低下しました。また、2020年は8月から9月までの高温で「彩のかがやき」の1等比率が20%に低下しました。
 本年は、7月中旬以降これまで、2019年、2022年を上回る猛暑が続いています。このため、7月のうちに出穂した稲(「あきたこまち」や「コシヒカリ」など)はすでに高温の被害を受けていると予想されますし、これほどの暑さは高温に強い「彩のきずな」でも品質低下が懸念されます。また、これから8月中旬までに出穂する稲も予想どおりの気温で推移すると影響が出る可能性が高くなります。

被害を少しでも減らすための、できる対策に取り組みましょう

①収穫期が早まります。刈り遅れに注意しましょう

 コシヒカリを例に7月中に出穂した稲の収穫開始時期の予想は表1のようになります。
 高温で登熟すると見た目の籾の退色(黄化)よりも中身の玄米の完成が早まります。出穂からおよそ35日で刈り取りできるようになるので、作業の準備を早めましょう。
 《高温年に刈り遅れると玄米の品質はさらに低下するので注意して下さい》


 表1 田植時期別の出穂期と収穫開始予想日(品種:コシヒカリ)
田植期 出穂期 収穫開始予想日
4月20日 7月20日 8月23日
5月1日 7月23日 8月27日
5月10日 7月27日 8月31日
5月20日 7月31日 9月6日
②穂が傾き始めたら水を溜めたままにしない、早期落水もしない

 田んぼの水を溜めたままにすると、温水になって根を腐らせ、高温被害も大きくなります。「間断潅水」は高温の時ほど重要です。花が終わり、穂が傾き始めたら、収穫間近まで水の出し入れを続けましょう。

③出穂前後の稲には特にたっぷりと潅水

 これから穂が出る「彩のかがやき」や遅植えの稲は、穂ばらんできたら水をしっかり溜めましょう。花が終わるまでは水を切らさないよう涼しい朝のうちに水回りを行いましょう。

カメムシ防除も徹底しましょう

 7月31日に県病害虫防除所が発表した「イネ斑点米カメムシ類に関する注意報」では発生量が平年の3倍で過去10年でも最も多くなっています。下記URLを参考に防除を徹底しましょう。

令和5年度病害虫発生予察注意報第2号「イネ斑点米カメムシ類」(令和5年7月31日) - 埼玉県(saitama.lg.jp)