営農情報

営農についての情報

水稲(収穫後の処理) (2023年10月3日作成)

刈り跡の耕耘は早めに済ませましょう

 稲わらや刈り株を早く分解させるには、気温が低くなる前で水田がまだいくらか湿り気があるうちに耕耘するのが有効です。
 最近は、冬期に大雨が降ることが増えています。稲わらなどの吹き寄せによる翌年の稲作への弊害を防ぐため、早めに粗く耕耘しておきましょう。
 早めの耕耘は、クログワイやオモダカなど塊茎で増える多年生難防除雑草の抑制や、縞葉枯病の原因となるヒメトビウンカの越冬虫数を減らす効果もあります。

ただし
 雑草イネの発生したほ場は、春まで耕耘しないで下さい。こぼれ落ちている雑草イネの籾を寒さで死滅させたり、鳥に食べさせたりして減らします。
 ナガエツルノゲイトウやヨシが発生したほ場は、ラウンドアップ等浸透移行性のある非選択制茎葉処理除草剤を散布してから耕耘しましょう。

麦類 (2023年10月3日作成)

土づくりを行いましょう

 10月は、麦のための土づくりの月です。
 堆肥やレオグリーン特号、アズミン等の有機質資材を種まきの1か月前に散布しましょう。
 家畜糞堆肥の場合、土づくりには牛ふん堆肥が適しています。0.5~1t/10a程度を毎年投入しましょう。一方、鶏ふん堆肥は化成肥料に近い速効性があるので、土づくりよりも基肥と考えて使用し、窒素よりもりん酸や加里の量で施肥設計を組みましょう。
 なお、牛ふん堆肥を利用する時は完熟したものを使用しましょう。未熟な牛ふん堆肥はネズミムギ(イタリアンライグラス)等の難防除雑草の種子が生き残っている場合があるので避けましょう。

土の酸度(pH)を適正にしましょう

 麦は酸性に弱い作物です。最適な土壌の酸度(pH(H2O))は6.0~6.5の範囲です。県内の水田の土壌は、麦にとってはやや酸性(5.5~6.0)になっている傾向があるので、苦土石灰等の石灰質肥料を、下表を参考に播種の2週間前に散布しておきましょう。 

最近の雨の傾向を踏まえて播種の準備をしましょう

 温暖化で気温の傾向が続いているため、麦の播種適期は従来よりも遅い11月下旬になってきていますが、近年はこの時期に雨が多い傾向が見られます。
 適期に播種するためには降雨後できるだけ速やかに作業ができる事前の排水対策がより重要です。

降雨による播種作業への影響を回避する対策

① 明渠を設置し、表面水を素早く排水できるようにしておきましょう。
② 1回目の耕耘は、粗く(砕土を上げない)、深くし、ほ場に水が溜まらないよう土の乾きを早くしましょう。
③ 2回目の耕耘と同時に播種を行い(ロータリシーダー)、雨による播種遅延を回避しましょう。