営農情報

営農についての情報

麦 収穫シーズンになりました。
  適期収穫・適正作業で「いい麦つくり」を完成させましょう。
  (2024年5月10日作成)

天気の概況と麦の生育

 気温は、3月が平年並~やや低く経過しましたが、4月は観測史上最も高温(平年よりも2.9℃高い)となり、5月も高めに推移しています。雨は3月以降まとまって降る傾向があり、月平均では3月は多く、4月はやや少なく経過しました。
 3月がやや低温傾向であったため、早播きのビール大麦を除き各麦類の出穂は概ね平年並みとなりました。4月以降、高温で晴れの日が多く登熟は順調に進んでおり、穂数は概ね平年並みに確保されています。なお、一部で降雨による倒伏も発生し始めています。

麦の収穫期予想

 今後も気温は高めに推移すると予報されていることから、成熟期は出穂の早かった早播きのビール麦が平年よりもやや早く、その他の麦はほぼ平年並みと予想されます。

表1 播種期別の予想成熟期
播種期 麦種類 出穂期 予想成熟期 平年遅速
11月上旬播
(11月10日播)
小麦 4月9日 5月28日 平年並
ビール麦 3月24日 5月9日 4日程度早い
11月下旬播
(11月25日播)
小麦 4月13日 6月1日 2日程度遅い
ビール麦 4月2日 5月17日 2日程度遅い

収穫作業の注意点

  • ビール大麦は、剥皮や裂皮を抑えるとともに高い発芽率を維持するために高速、高回転での刈り取りや高水分刈りを避け、穀粒水分25%以下で収穫しましょう。
  • 小麦、六条大麦は穀粒水分30%以下で収穫しましょう。
  • すべての麦は、収穫後は速やかに乾燥作業に移しましょう。
  • 収穫物に混入すると除去が困難な雑草のカラスムギ、カラスノエンドウは、収穫作業の前に必ず抜き取りましょう。
  • ほ場内で倒伏の激しい部分や病気や雑草の多発している箇所があれば、刈り分けを行い、全体品質を落とさないよう注意しましょう。

水稲 今年の夏も暑くなる予報です。
   高温に備えた栽培管理を行いましょう。(2024年5月10日作成)

 気象庁の季節予報では、この夏も日本の南で太平洋高気圧の西への張り出しが強く、日本付近には南から暖かく湿った空気が流れ込みやすいため気温が高くなる模様です。
 高温障害の軽減策として、栄養不足にならないような施肥(追肥)やケイ酸質資材の施用、メリハリのある水管理がありますが、これらの効果をしっかり得るために、いい苗づくりと適切な本田初期管理を励行しましょう。

田植が終了した地域では

・中干しまでの期間は出来るだけ浅水で管理し、有効分げつを早く確保しましょう。
・すき込んだ刈り株や雑草の分解で田んぼにガス(ワキ)が発生した場合、一旦落水して田面を乾かしましょう。田面が空気に触れることで解消し、稲の生育は回復します。
・中干しは、田植後35日~40日を目安に開始し、無駄な分げつを抑えて穂になる有効な茎を早く決めましょう。
・中干しは過剰にならないよう注意しましょう。過度な中干しは根を切断しすぎて、稲への高温ストレスが強くなってしまいます。
・中干しの後は間断潅水を励行し、根の発育を促しましょう。

これから田植を行う地域では

・ハウス内やトンネル内の温度と換気に注意し、苗立枯病や苗焼けなどの発生を抑え、健康な苗を作りましょう。
・苗が予定よりも伸びすぎたらできるだけ早く田植を行いましょう。老化苗は活着が遅れ、初期生育や分げつ発生の遅れにつながります。
・代掻きは、低速で2周り程度で粗く仕上げましょう。均平にしようとして過度に代掻きを行うと植え代が酸欠状態になって苗の活着が悪くなります。