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2月の麦の生育と管理について (2025年2月5日作成)
1.気象経過と麦の生育状況
気温は12月から1月中旬まで平年並~やや低く経過しましたが、1月中旬から高温に転じています。また、12月以降雨が少なくほ場は乾燥した状態が続いていました。
このため、小麦、大麦ともに11月播きの生育はやや抑制気味で、近年の暖冬下での生育と比較すると草丈が低く、葉位の進展や分げつの増加も遅れていますが、過繁茂にならずむしろ健全な生育状況と言えます。
一方、12月播きは、乾燥と低温によって出芽が遅れ、特に12月中旬以降に播種された麦は出芽揃いに1か月を要し、生育量は小さく遅れています。


2.今後の天候と予想される麦の生育
1月30日発表の1か月予報によれば、気温は2月の上中旬が低く、下旬が平年並~やや高い予想で、晴れの日が多く雨は引き続き少なく乾燥した状態が続く見込みです。
このことから、麦類の生育に大きな影響はなく順調に進むと考えられます。ただし、12月中旬以降に播種された麦は、暖冬の時のような生育量の急速な回復は期待できず、茎数が少ない状態で茎立ちになる可能性があります。
ビール大麦の茎立ちは、近年の暖冬下では11月播きで2月下旬に早まっていましたが、今年は概ね平年並みの3月初旬になると予想されます。
3.2月の管理作業
(1)麦踏み
平年並みに気温の低い傾向が続く予報から、麦踏みは2月の上旬のうちに必ず実施して耐寒性を高めましょう。また、今年はこれまでの乾燥と低温で基肥の肥効が残っていると考えられ、2月下旬から気温が上昇すると生育が旺盛になって軟弱で徒長気味になる恐れがあるので茎立ち前の2月のうちにもう一度麦踏みを行いましょう。ビール大麦、六条大麦の麦踏みは11月上中旬播きでは2月下旬まで、11月下旬以降の播種では3月初旬に完了させましょう。小麦は3月中旬まで実施できるので、できるだけ回数を増やしましょう。

(2)排水対策(湿害対策)
2月も降水量は少なめと予報されていますので、溝堀作業のしやすい時に排水路の整備を行いましょう。排水の悪いほ場では土壌が酸素不足になり、麦の根の活力が低下することで、生育の阻害、茎葉の枯死が発生し、湿害となります。
すでに排水路を設置してあるほ場でも麦踏み等で排水路が埋まっていないか、水尻まできちんとつながっているかどうか、もう一度点検を行いましょう。

(3)ビール大麦への追肥
本年は気温が低く経過していることで、過繁茂や徒長気味にならず順調に生育しています。このため一律に追肥を行うことは避け、生産者ごとに配られた昨年の「ビール大麦粗タンパク含量分析結果」に基づいて、下表を参考に実施を判断しましょう。なお、12月播きのほ場は、基肥の肥効が残っているので、前年の結果にかかわらず追肥は控えましょう。
