営農についての情報
観測史上最も暑い夏となり、少雨状態も続いています
稲は収穫期が早まっており、刈り遅れに厳重注意です (2025年9月2日作成)
1.記録的な暑さが続いています
6月から8月までの平均気温は平年より3℃も高く、3か月連続で観測記録を塗り替えました。8月は日平均気温が30.1℃となり、米の品質が低下した令和5年、6年を超えた猛暑でした。加えて8月は令和5年、6年と比べ降水量、降雨日数とも少なく、晴れて乾燥した状態が続きました。


2.米の品質に厳しい影響が予想されます
稲の出穂期から20日間の平均気温が27℃を超えると白未熟粒(シラタ)の発生が多くなり、気温が高いほど被害が増加することが知られています。今年はこの20日間平均気温が、品質が著しく低下した令和5年よりも高く推移していることから、早期から普通栽培までの全作期で白未熟粒の多発が強く懸念されます。


3.収穫期が記録的に早まっています
高温により水稲の生育は大幅に促進され、収穫期が早まっています。5月1日植えコシヒカリは7月20日頃に出穂期となり、8月23日には積算温度が1000℃を超え、平年よりも一週間程度収穫期が早まる等、記録的な早さになっています。
このような収穫期の早期化は早植栽培、普通栽培も同様で、概ね5日収穫期は早くなっています。また、刈り取り適期期間も高温のため1~2日短くなっているので刈り遅れにも注意が必要です。
4.品質低下を助長する「刈り遅れ」は厳禁です
通常、田植えが遅く、出穂時期が遅いほど登熟期間の気温が低下してくるため、収穫までの日数は長くなり、収穫適期期間も長くなります。しかし、今年は異常な高温が続いているため刈り取り時期が早まるとともに、刈り取り適期期間も短くなっています。止葉の青さに惑わされずに早めの刈り取りを行って刈り遅れを防ぎましょう。

また、県農業技術研究センターHPでは、毎週火曜日と金曜日に主要品種の「籾水分の情報」が発信されています。出穂後からの籾水分の低下の様子が分かるので刈り取り日判断の参考にして下さい。
☞農作物の生育状況 - 埼玉県 (saitama.lg.jp)
5.その他
① 収穫後は、ヒコバエの出る前に、できるだけ早く耕耘しましょう
気温が高いことから刈り跡のヒコバエの生育も旺盛です。ヒコバエはイネカメムシの新たな餌となり、縞葉枯病の原因となるヒメトビウンカの住み家となってしまうので、できるだけ早く耕耘しましょう。気温(地温)の高いうちに耕耘するほど稲わら、刈り株の分解が進むため、翌年の整地作業が楽になり、ワキの発生も抑えられます。

② コメや軽トラの盗難にも注意
米の価格が高騰している現在、盗難についても注意が必要です。米は鍵のかかる倉庫等に保管するなどして、盗難への対策をしっかり行いましょう。
また、軽トラの盗難も増加しているようです。外出先はもとより敷地内でも車から離れるときは必ず鍵を抜いて、ドアのロックも忘れないようにしましょう。
