営農についての情報
稲作情報 梅雨明け後の猛暑に備えましょう (2026年7月3日作成)
1.これまでの天候と稲の生育
天候
気温は、4~5月は高く推移しましたが、梅雨入り以降6月は曇雨天が多く、概ね平年並みに経過しています。降水量は、6月3日の台風6号、26・27日の台風7・8号による大雨を含め、梅雨らしい天気が続いたことで平年の176%と多くなりました。
作期別の稲の生育
早期栽培(4月下旬~5月初旬植え)は、好天により植え痛みも少なく、5月の高温で草丈の伸び、茎数の増加も良好でした。このまま前年並みに生育が促進されると思われましたが、6月以降の曇天で生育はやや鈍化し、最高分げつ期は概ね平年並みで、幼穂の分化もやや早い~平年並となっています。
早植栽培(5月中下旬植え)も活着は良好で、初期の生育は順調でした。田植え後の気温が高かったことで前作の稲わらの分解が遅れたほ場ではワキが発生し、活着と葉色発現の遅れも散見されました。全般的には草丈の伸びや分げつの発生は順調でしたが、6月の曇天により上位葉が下垂し、軟弱気味の生育となっています。また、中干し期であるものの降雨の影響で田面を乾かせない状態が続いています。
普通栽培(6月以降の田植え)は、大麦収穫後、梅雨入りによる曇雨天で小麦収穫が遅延しました。このため作業も計画どおりに進まず、田植えが遅れ苗の伸びすぎや老化が見られました。小麦後の晩植では老化苗による田植え後の活着遅れ、分げつ発生遅れのほ場が多く見られます。
2.今後の気象予報と稲作への影響
7月2日発表の1か月予報、並びに6月23日発表の3か月予報によると、7月中旬からは気温が上昇し、8月は昨年同様の猛暑が予想されます。一方、5月頃は今年も暑さが長引くと予想されていましたが、直近の予報では9月以降残暑の厳しさはやや和らぐものと期待されます。
このような予報から、梅雨明け後は昨年同様、猛暑となることが予想され、早期栽培は登熟への影響、早植え栽培、普通栽培は生育の促進、出穂の前進が見込まれます。
3.猛暑に対する技術対策
対策1 適期の追肥(穂肥)
7月1日現在の主要品種の田植え時期別の出穂期予想は下記のとおりです。適期を逸しないよう計画的な作業を行いましょう。緩効性の基肥一発肥料でも穂肥の頃に葉色が落ちた場合は、窒素2kg程度の追肥を行いましょう。
(1)コシヒカリ| 移植時期 | 予想出穂期 | 穂肥の適期 |
|---|---|---|
| 5月1日 | 7月23日 | 7月5日~8日 |
| 5月10日 | 7月28日 | 7月10日~13日 |
| 5月20日 | 8月4日 | 7月17日~20日 |
| 5月30日 | 8月10日 | 7月23日~26日 |
| 6月10日 | 8月16日 | 7月29日~8月1日 |
| 移植時期 | 予想出穂期 | 穂肥の適期 |
|---|---|---|
| 5月20日 | 8月12日 | 7月20日~23日 |
| 5月30日 | 8月17日 | 7月25日~28日 |
| 6月10日 | 8月21日 | 7月29日~8月1日 |
| 6月20日 | 8月24日 | 8月1日~8月4日 |
| 移植時期 | 予想出穂期 | 穂肥の適期 |
|---|---|---|
| 5月20日 | 8月1日 | 7月7日~9日 |
| 5月30日 | 8月6日 | 7月12日~14日 |
| 6月10日 | 8月11日 | 7月17日~19日 |
| 6月20日 | 8月16日 | 7月22日~24日 |
| 6月30日 | 8月20日 | 7月26日~28日 |
追肥の省力化資材
猛暑の中で穂肥の人力散布は重労働で熱中症の危険もあります。ドローン散布が可能な窒素液肥「CORON(コロン)」は省力化・軽労化に有効な資材です。高濃度(2~5倍希釈)でも肥料焼けしにくく、補給回数を減らすことができます。
対策2 飽水管理・間断灌水
開花が終了したら田んぼに水を貯めたままにするのは止めましょう。高温で水が温まると地面の温度も上がり、加えて水の保温効果で夜間も温度が下がりにくくなります。水をヒタヒタか出し入れを繰り返す間断灌水が地温を下げ、根の活力を維持するために有効です。
対策3 斑点米カメムシと紋枯病の防除
斑点米カメムシ
イネカメムシは、令和6年の激発被害を受けた7年の広域防除によって越冬個体密度が激減しました。しかし、県調査によれば県内各地で一定数の密度は保たれています。また、イネカメムシ以外の斑点米カメムシの中で「アカスジカスミカメ」や「ホソハリカメムシ」などが増加しています。イネカメムシの防除適期は出穂期ですが、これら斑点米カメムシの防除適期は出穂後10日頃であることから、斑点米防止のためには今年も出穂期と、その10日後の2回防除を実施しましょう。
紋枯病
高温に加え、高温対策で施肥窒素量を多くすると紋枯病の発生が多くなります。また、昨年も発生したほ場では曇雨天が続き、稲が軟弱気味になると多発につながるので注意が必要です。下葉が枯れる程度なら特に被害はありませんが、穂首まで病気が進展すると高温被害の助長や収量低下につながることがあります。防除は穂孕み期が最適ですが、できない場合はカメムシ防除の1回目にあわせて散布を行いましょう。

