営農情報

営農についての情報

稲作情報:長雨で収穫が遅れ、倒伏も発生
天気回復後、速やかに収穫できるよう準備しましょう。(2026年10月2日作成)

1.これまでの気象

 8月の気温は4年振りに平年並みに経過し、猛暑による被害は回避されたものの、9月は降雨のなかった日は1日だけで、雨続きの天気でした。日照時間は平年の4割弱で観測史上2番目に少なく、月合計降水量は平年の1.5倍と多く、ほ場の水が引かない状態が長く続いています。

2.水稲の生育と作柄予想

(1)早期栽培・早植栽培

 8~9月の気温が平年並みであったことから施肥の効果が維持され、また高温による極端な登熟促進もなかったことで穂数・籾数が多く、粒の張りも良く作柄は良好です。ただし、早期栽培では7月の梅雨明け前後に今年唯一の猛暑があったことから、この期間に出穂した「あきたこまち」や「コシヒカリ」に高温による白未熟粒が発生しました。その結果、検査の初期段階では品質にばらつきが見られましたが、集荷が進むにつれ品質は良好になっています。一方、降雨の連続で早植栽培では収穫作業が大幅に遅延しています。収穫期を過ぎても刈り取りができず、台風や豪雨による倒伏も増加し、穂発芽が発生している場所があります。

倒れて芽が出てしまった稲穂(穂発芽)
(2)普通栽培

 7月の高温で生育が旺盛となり、8月の気温でその状態が維持され、出穂も早まることなく、穂数が多く確保され豊作基調です。一方登熟は、8月中は順調に進みましたが、9月前半の低温と期間全体の曇雨天と日照不足から緩慢になり、籾の黄化が遅れています。また、早植栽培と同様に倒伏も増加しており、刈り取り適期の目安である積算気温に到達しても収穫ができない状況が続いています。

3.今後の天候と作柄への影響予想

 熊谷地方気象台10月1日発表の1か月予報では、ようやく長雨から解放され、10月は晴れて気温が高く、降水量は平年並からやや少ない見込みとのことです。このことから普通栽培の稲の登熟も今後は順調に進むと予想されます。しかしながら、これまでの日照不足の影響で乳白米が増加すると予想され、また、倒伏の発生しているほ場では刈り遅れによる茶米や穂発芽も懸念されることから、玄米品質の低下が心配されます。

日照不足で発生する乳白米

4.これからの作業

①ほ場を乾かす作業

 降雨が続いているのに、まだ入水や止水を続けているほ場が見られます。県内全域でこれ以上湛水を続ける必要のある稲はありません。できる限り早くほ場を乾かす作業に取り組んでください。
 暗渠の蓋を上げて、水尻を開放し、排水の悪いほ場では溝切りを行って、地下水と地表水をできるだけ速やかに排出して下さい。

②コンバイン収穫の注意点

 稲の倒伏が著しいほ場や湿って軟弱なほ場での無理なコンバイン作業は、スタックや故障につながり、結果的に経済的損失を大きくしてしまうことがあります。倒伏してから時間が経過し、稲に腐りや穂発芽が見られた場所の刈り取りは中止しましょう。
 軟弱なほ場での作業は、急旋回を避け、旋回をしない一方向刈りのような直線刈りを行いましょう。また、籾タンクを満杯にすると重量増加でスタックする原因になるので、タンクの半分程度まで溜まったらこまめに排出しましょう。

③稲刈り後、適度にほ場が乾いた耕耘

 適度な水分を含む土のほうが藁くず等の分解を早めます。乾き過ぎる前に耕耘をしましょう。今年はヒコバエの成長が悪いので出穂していないほ場も多いですが、伸びすぎている場合はハンマーナイフモア等で一度刈り払っておくと耕耘作業が効率的に行えます。

麦作情報:麦作のためのほ場準備を進めましょう。
(2026年10月2日作成)

1.ほ場を乾きやすくする。

 10月は台風も発生し、まとまった雨が降ります。麦を適期に播種するためのほ場準備には、まず乾燥を促すことが重要です。降った雨を素早く排水するために額縁明渠を設置しましょう。また、稲刈り跡の1回目の耕耘は粗く、深く実施し、ほ場に水が溜まらないようにしましょう。

2.土づくりを行う。

 堆肥等の有機物を播種の1か月前までに施用し、1回目の耕耘ですき込みましょう。家畜ふん堆肥を施用する時は、必ず完熟したものを使いましょう。未熟な家畜ふん堆肥には、生きた雑草の種が混じっている場合があり、麦畑を雑草だらけにしてしまいます。
 堆肥の散布作業が大変な時は、散布しやすく腐植酸等を含み土壌改良効果に優れるレオグリーン特号等を有効に使いましょう(投入目安:10a当たり100kg)。
 コンバイン作業で硬く締まったほ場では、プラウやハローを使って土壌の圧密を解消しましょう。根張りが良くなり、登熟期の枯れ熟れの軽減にも有効です。

チゼンルプラウによる耕耘

3.土壌のpHを矯正する。

 麦は酸性に弱い作物です。最適な土壌の酸度(pH(H2O))は6.0~6.5の範囲です。水田の土壌は、麦にとってはやや酸性(5.5~6.0)に傾いていることがあるので、苦土石灰等の石灰質肥料を下表を参考に播種の2週間前に散布しておきましょう。

(参考)pHを1上げるための石灰施用量の目安(kg/10a)
土壌の種類 炭カル 苦土石灰 消石灰
黒ボク土 300~400 280~380 240~320
沖積土 180~220 170~210 140~180
砂質土 100~150 90~140 80~120