Agricultural Products Inspection Section農産物検査室
・ISO/IEC 17025認定試験所(RTL04940)
・GLP適合確認施設(試験分野:残留)
安全・安心で価値の高い農畜産物を消費者にお届けするため、食品・残留の2チームで農畜産物や加工食品の検査・分析をおこなっています。


農畜産物の品質と評価に関する研究と開発
国産農畜産物の販売力強化と生産者所得向上を目的に、様々な分析手法による安心・安全の提供と新たな付加価値の創出等に向け、評価方法の確立や商品開発に取り組んでいます。また、全農グループ取扱い農畜産物に対し、品質検査や成分特性評価、賞味期限設定等の支援を行っています。増加傾向にある青果物輸出に向けた鮮度保持技術の検証や開発への取り組みも進めています。

食品中の残留農薬の検査
当室では主にJAグループで取り扱っている農産物の残留農薬やカビ毒の自主検査を行っています。
- 278成分(農作物の種類により異なります)の農薬成分をスピーディに検査する「迅速一斉分析法」と農薬成分をご指定いただく「一斉分析」があります。
- 一斉分析ができない農薬成分(グリホサート、チウラム、イミノクタジン、TPN等)は、単成分分析での対応となります。
- 迅速一斉分析法では、2024年4月に検査成分を見直し、新しく登録された農薬などにも対応しています。
- カビ毒検査(麦類のデオキシニバレノール、とうもろこしのフモニシンなど)については、イムノクロマト法による簡易検査を開始しました。
- 2022年2月にISO/IEC 17025の認定を受けました。認定範囲は液体クロマトグラフ質量分析計(LC-MS/MS)による小麦の精密一斉分析法(テブコナゾール、プロピコナゾール、メトコナゾールの3成分)、いちごの精密一斉分析法(アセタミプリド、チアクロプリドの2成分)およびトマトの精密一斉分析法(ペンチオピラド、ボスカリドの2成分)です。GAP等への対応のため、ISO認定機関で残留分析を行う必要がある場合は、ご相談ください。


作物残留試験(残留分析)
農薬の安全な使用法を設定するため、農薬処理後の農産物中の残留量を調査する試験で、農薬登録に必要な試験です。
当室は農薬GLP適合確認施設(試験分野:残留)として認められており、GLPの基準にもとづいて残留分析を行っています。

分析手法の改良と開発
残留農薬分析に関するさまざまなご要望に迅速にお応えできるよう、分析手法の改良と開発を行っています。
最近の研究発表
2019年 | 水素キャリアガスを用いた残留農薬分析(第42回農薬残留分析研究会) |
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2018年 | 多成分一斉分析におけるチオジカルブ等の挙動 大豆中のグリホサートおよびグルホシネート迅速分析法 (第41回農薬残留分析研究会) |
2017年 | 試料採取量の少量化による分析値のばらつきについて (第39回農薬残留分析研究会、日本農薬学会第42回大会) 殺菌剤のリンゴ葉への付着について(第二報)-減衰に与える降雨の影響- (日本農薬学会第42回大会) 麦の残留農薬一斉分析法の検討(第112回日本食品衛生学会学術講演会) |
2016年 | JAグループで実施した残留農薬分析における外部技能試験成績に関する考察(第41回日本農薬学会) |
2015年 | 殺菌剤のリンゴ葉への付着について(第一報)-リンゴ葉からの抽出法- (第40回日本農薬学会) |

残留農薬の分析に関するご相談は、下記の連絡先までお問い合わせください。
TEL:0463-22-1902 メール:zz_zk_zanken@zennoh.or.jp
各種レポート
下記のリストをクリックすると、PDFで表示されます。
- 農産物の輸出拡大へ向けた全農の取り組み~残留農薬検査と農薬使用履歴の重要性~(グリーンレポートNo.670)
- 安全な農産物の提供をサポートする残留農薬検査室の業務~残留農薬検査のほかGAP認証や輸出農産物にも対応~(グリーンレポートNo.650)
- トマトの消費動向と全農における市場調査の取り組み②(グリーンレポートNo.637)
- トマトの消費動向と全農における市場調査の取り組み①(グリーンレポートNo.634)
- 営農技術 品種選びからクレーム対応まで幅広い食品チームの取り組み(グリーンレポートNo.612)
- 営農技術 青果物輸出拡大に向けた技術開発(グリーンレポートNo.595)
- 農産物商品開発室による青果物の鮮度保持試験 ~輸出拡大見据え、鮮度保持のシステムや資材を検証~(グリーンレポートNo.572)
- 乾椎茸「農協種菌115」の成分特性 ~肉厚椎茸の旨味と栄養を引き出すには~(グリーンレポートNo.459)