すだち
徳島の「すだち」は、県を代表する「香酸柑橘類(こうさんかんきつるい)」で、すがすがしい香りと、さわやかな酸味が特徴です。国内生産の9割以上が徳島県で生産されており、「ハウスすだち(3~8月)」「露地すだち(8~10月)」「冷蔵すだち(10~3月)」の組み合わせより年間を通じた出荷をおこなっています。
徳島県の香酸柑橘すだちは、令和5年(2023年)3月31日に「徳島すだち」として地理的表示(GI)保護制度に登録されました。
出荷時期カレンダー
主な産地
徳島のすだちの主な産地は、名西郡(神山町)、名東郡(佐那河内村)、阿南市、小松島市、鳴門市、阿波市、徳島市、吉野川市、三好市などです。
県内全域で広く栽培されていますが、多くは山間部で栽培されています。昼夜の温度差が大きく、雨量も多い山あいの地で、香り高いすだちが育っています。
(出荷JA:JA徳島県、JA徳島市、JA東とくしま)
徳島のすだちの周年出荷
- ハウスすだち(3~8月):ハウス栽培のすだちは、果皮が薄めで、果汁が多く、酸味はやや控えめな傾向があります。
- 露地すだち(8~10月):露地栽培のすだちは、果皮が厚めで、香りが強い傾向があります。
- 冷蔵すだち(10~3月):露地すだちを「予措(よそ)」と呼ばれる陰干しの後に冷蔵したもので、酸味は比較的穏やかになります。































トピックス
地理的表示(GI)登録産品「徳島すだち(とくしますだち)」
令和5年(2023年)3月31日登録、登録番号第129号(登録生産者団体:徳島県すだち・ゆこう消費推進協議会)。
徳島県の香酸柑橘すだちは、令和5年3月31日、「徳島すだち(トクシマスダチ):Tokushima Sudachi」として地理的表示(GI)保護制度に登録されました。
⇒GI「徳島すだち」について
消費拡大の取り組み
徳島県すだち・ゆこう消費推進協議会(事務局:JA全農とくしま)では、県内JAならびに徳島県・市町村と連携し、徳島のすだちの積極的な消費推進活動を展開しています。
同協議会の選任するアンバサダー「徳島すだち大使」 や、徳島県のマスコットキャラクター「すだちくん」とともに、全国各地のイベント出演や物産展・量販店での試食宣伝を実施し、徳島のすだちの魅力を発信しています。
また、徳島県香酸かんきつ加工流通対策協議会(事務局:JA全農とくしま)では、県内JAとの連携により、徳島の香酸柑橘(すだち・ゆず・ゆこう)果汁の消費拡大に取り組んでいます。

豆知識
すだちの今昔
すだちは、徳島原産の果物です。ゆずやゆこう、レモンやライムと同じ「香酸柑橘類」に分類されます。名前の由来は「酢橘(すたちばな)」で、古くは万葉の昔から徳島の地に原生していたとの説があります。
文献では、本草学者の貝原益軒(かいばらえきけん)の著「大和本草(1706年)」に、「リマン」という果物の記載があります。これについて、同じく本草学者の小野蘭山(おのらんざん)が「大和本草批正(1800年頃)」の中で、「阿州方言ぬだちと云。」と注釈を加えました。阿州(あしゅう)=阿波国(あわのくに)=徳島では、江戸時代には既にすだちを食酢用の果実として栽培していたようです。
徳島県では戦後、1960年代に商業生産が本格化し、さらに1980年代にはみかんの転換作物として生産が拡大したことにより、すだちは徳島県を代表する特産物となりました。すだちの花は徳島県の「県の花」に、すだちの木は佐那河内村の「村の木」に指定されています。
また、平成5年(1993年)に徳島県・香川県の両県で開催された「東四国国体(第48回国民体育大会)」において、すだちをモチーフにしたイメージキャラクター「すだちくん」が誕生しました。現在もすだちくんは徳島県のマスコットキャラクターとして、徳島県と徳島のすだちのイメージアップに活躍しています。
徳島県のすだちの生産量は、国内生産の9割以上を占めており、全国1位となっています(出典:農林水産省「特産果樹生産動態等調査」令和4年産収穫量)。
