【営農通信33】クビアカツヤカミキリの発生に注意!
大阪府内で、クビアカツヤカミキリの発生・被害が拡大しています。
クビアカツヤカミキリは、元々は中国やベトナムなどに生息していますが、10年余り前に日本に侵入しました。
もも・すもも・さくら・うめ等のバラ科の樹木に発生します。府内の農業(果樹栽培)では、もも・すももで、深刻な被害が発生しています。また、公園や街路樹等のさくらでも、被害が広がっています。
今後さらに発生が広がり、被害が拡大することが懸念されますので、果樹・樹木や園地等の状況をよく観察し、早期発見・早期防除に努めることが大切です。
1 経過
・平成24年、国内で初めて愛知県で発生が確認され、令和6年4月末までに13都府県に発生が拡大しています。
・大阪府内では、平成27年に初めて大阪狭山市で確認され、令和6年5月現在、23市町村で被害が発生しています。
・平成30年1月に特定外来生物に指定され、運搬・飼育等、放出、譲渡等が禁止されています。
2 生態・特徴
・成虫は体長2~4cm、体色は全体が黒く光沢があり、前胸の一部が赤く、突起があります。
・幼虫は木の中で約2年間生息して内部を食害し、木を弱らせます。食入孔から特徴的なうどん状のフラス(木くず・糞等の混合物)を排出します。
・成虫は6~8月上旬頃羽化して脱出し、樹皮表面や割れ目などに産卵します。
クビアカツヤカミキリ成虫
木から排出されたフラス

木の内部を食害する幼虫
*写真:大阪府農政室病害虫防除グループ提供
3 主な対策
・目合0.4mm程度のネットを1.5~2m程度の高さまで幹に巻き付け、羽化・脱出してきた成虫の分散を防ぎ、産卵を防止します。(成虫が発生する前の5月末までに行う)
・内部に食入している幼虫対象に、フラス排出孔から長い針金等により刺殺するか、登録のある薬剤を注入します。
・成虫に対しても登録のある薬剤を散布します。
◎大阪府農政室病害虫防除グループホームページ(https://www.jppn.ne.jp/osaka/)内の以下のページに、特徴・対策・薬剤などの詳しい情報が掲載されています。
https://www.jppn.ne.jp/osaka/color/Aromia_bungii/kubiaka_osaka.pdf
・以下の大阪府みどり推進室のホームページも参考にしてください。
http://www.pref.osaka.lg.jp/midori/seibututayousei/kubiaka.html
○以下の国の研究機関のホームページにも、詳しい情報が掲載されています。
・国立研究開発法人 森林研究・整備機構森林総合研究所「クビアカツヤカミキリの防除法」
https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/chukiseika/documents/5th-chuukiseika12.pdf
・同「クビアカツヤカミキリはすぐそこに」リーフレット
https://www.ffpri.affrc.go.jp/pubs/chukiseika/documents/leaflet.pdf
これらの情報を参考にして、適切な対策に努めてください。