【営農通信28】水稲栽培における被覆肥料について
日本では水稲の作付けが最も多く、実は大阪府内においても作付面積は水稲が最も多いのはご存じですか。
そのような水稲の省力化に資する技術として1980年ごろから試験的普及が始まったのが、肥料の樹脂コーティング技術です。これは水稲の生長に最も必要な窒素成分である尿素を樹脂(プラスチック)でコーティングすることで、肥効を調整できる技術です。
従来、基肥と追肥の施肥体系(+穂肥で3回の場合もあり)が一般的でしたが、追肥作業はただでさえ湛水状態の田んぼに入って散布するのが大変なうえに、猛暑の時期(8月ごろ)に行わなければいけないのが生産者にとって非常に悩ましい課題でした。
そのような中、樹脂コーティング技術の普及は水稲栽培において、追肥作業が短縮できることから、高精度な省力技術として脚光を浴び、現在に至るまでに様々な改良が加えられ、今日の農業生産に多大な貢献をしています。
分施体系
一発施肥体系
従来の分施体系と一発施肥体系の比較
一方で、昨今SDGsや環境問題としてニュースなどのメディアにおいて海洋プラスチックごみ問題が取り沙汰されています。その中には、人工芝や農業系のプラスチック被膜殻が含まれており、環境負荷低減の観点からも流出防止を講じることが急務となります。
JA全農大阪では、大きく2つのことに取り組んでいます。
①被膜殻の流出防止対策の啓発
②代替技術の試験・検討(肥料メーカー・行政・JA)
プラスチック殻流出防止の啓発チラシ
上記取り組みに関して農家組合員様への理解醸成、代替技術のご提案ならびに環境負荷の低減に向けて継続的に実証していきます。
詳しい内容はこちらをご覧ください。
①JA全農プラスチック被膜殻海洋流出防止に向けた取組方針
【HP掲載資料】プラスチック被膜殻の海洋流出防止に向けた取組方針.pdf (zennoh.or.jp)
②プラスチック被膜殻流出防止対策の動画
プラスチック被覆肥料の被膜殻の流出防止について:農林水産省 (maff.go.jp)