新之助
銘柄:晩生品種 収穫時期:9月下旬新たな新潟の顔
「新之助」は、大粒でツヤがあり、コクと甘みに満ちており、「コシヒカリ」とは異なるおいしさを備えた、これまでにないお米です。「新之助」の名前は、誠実で芯が強く、かつスタイリッシュな現代的日本男児をイメージして命名され、平成29年産に本格デビューしました。
食味の要素はトップレベル
~ツヤがあっておいしい~
炊飯米のツヤが美しい「新之助」は、「コシヒカリ」と同様に高い食味評価を得ています。コクと甘み、味の厚みに特長があり、表層は硬めでありながら、粘りも強く、しっかりとした粒感と粘りが両立しています。
※平均値を示す「0」は、新之助と他道府県産米3品種の平均。
※1.0目盛りが濃度差約20%(大多数の人間が異なる味わいと感じる濃度差)を示す。
※「甘味」は他のセンサーに比べて、選択性が低いため、参考値として記載
※出典:味香り戦略研究所。
高温に強く、より安定した生産が可能
「新之助」の生産体制
成熟期が「コシヒカリ」より1週間程度遅い「晩生」であることに加え、高温耐性にも優れることから、高温の年でも安定した品質を確保することが可能です。
●生産者は、集荷事業者が主宰する新之助研究会に加入
●食味・品質と安全・安心の確保のために、生産者の要件と栽培方法を設定
●品質基準に基づく区分集荷・販売
生産者の要件
- 栽培指針に基づく県内栽培
- 栽培履歴記帳の実施
- GAPの実施
- 種子更新 等
品質基準の設定
基準項目 | 基準値 |
---|---|
玄米タンパク質含有率 | 6.3%以下(水分15%換算) |
整粒歩合 | 70%以上(農産物検査等級1等相当) |
水分含有率 | 14.0%以上 15.0%以下 |
新之助誕生物語 ~おいしさと信頼のあゆみ~
「新之助」は、コシヒカリ集中のリスク分散(晩生)と地球温暖化の進行に備えるため(高温耐性)、平成20年に開発がスタートしました。500種類の交配による20万株の品種候補を育成し、株一つひとつの米を炊いて、その輝きや食味を丁寧に確認しながら優秀な株を選別していきました。
その後更なる食味検査や性質安定のための育成を進めた結果、選ばれたのが「新之助」です。「新之助」はコシヒカリの遺伝子を受け継いでいますが、おいしさのベクトルが異なります。
プロが語る魅力 ~食のプロに新之助の魅力をお聞きしました~
相反する要素を兼ね備える「新之助」
米の食味は、外観、香り、味、粘り、硬さ、そして総合評価で評価されています。これらの軸から見ると、「新之助」はすべての項目で高い評価が得られる米であると考えています。近年評価の高い米には、外観が美しいもの、粘りに秀でたもの、しっかりとした弾力に特徴がある米などがあります。これに対して、「新之助」はそれらのよさをすべて有し、非常に高いレベルでバランスが保たれています。このため「新之助」は、近年高い評価を受けている米よりも、一段上の位置にいるといっても過言ではありません。
新潟米は伝統的にバランスがよいことに加えて、やわらかく、ほどよい粘りが特徴でした。「新之助」もバランスのよさは共通するものの、しっかりとした弾力と粘りを兼ね備えています。この特徴は新潟米のもうひとつの伝統として、長い時間をかけて育まれていくことでしょう。
応用生命科学部教授 農学博士
1951年大分県生まれ。東京大学卒業後、農林水産省に入省され、食品総合研究所 食品素材科学研究領域長などを歴任。退官後、新潟大学を経て、現在新潟薬科大学に勤務。日本の米・食味鑑定に関する第一人者として知られ、「日本一おいしい米の秘密」など、多数の著書がある。