鳥取の特産品

ながいも

ながいもの由来

ながいもの原産地は中国です。ながいもの仲間には形のいろいろなものがあります。長さ50cm〜100cmくらいのバット状の「ながいも」。ながいもより少し短い「1年いも」、20cmくらいの「とっくりいも」、平たい手のひらのような形の「いちょういも」、直径15〜20cmくらいの塊状の「やまといも」、球形の「伊勢いも」などがあります。

主産地北栄町での歴史は古く、明治24年頃埼玉県から導入され昭和の初期頃まで自家用として栽培されてきました。昭和10年より京阪神市場へ出荷を始め、30年代にはスプリンクラー灌漑施設が整備され、本格的な栽培が始まりました。 鳥取県には「砂丘ながいも」「ねばりっこ」という品種があります。

砂丘ながいも

砂丘ながいもの栽培

ながいもの植え付けは4月の中旬〜下旬頃。長さ10数cmに切られたながいもを種いもとして植え付けます。5月の中頃、ながいものつるが少し伸び始めた頃に三角形に支柱をたてて行きます。これはながいものつるが整然と伸びるようにするためです。

6月下旬には葉を多く繁らせるために摘芯という作業をします。これは芽の先端を摘み取る作業です。夏になると葉が急激に生い茂り、立てた支柱は全く見えなくなります。

砂丘ながいもの収穫

秋、10月下旬頃からいよいよ収穫です。砂地をスコップで丁寧に掘って行きます。地下1mほどに育ったながいもを途中で折らずに、傷つけないように引き抜くことは大変な作業です。

今はトレンチャーという機械で掘り取るため随分楽になりました。堀り取ったながいもはコンテナに入れられて選果場へ運び込まれます。

砂丘ながいもの栄養価
砂丘ながいもの栄養成分

一般的にながいもは、ごはんに比べ糖質やエネルギー(カロリー)は少なく、カリウム、カルシウムなどが多く含まれています。特に、高血圧・動脈硬化の予防に有効といわれているカリウムは豊富に含まれています。

ねばりっこ

ねばりっこの誕生
バイオテクノロジーにより誕生!

以前よりながいもはもう少し粘り気を強くして、折れにくく取扱いのしやすい短い品種が欲しいという要望がありました。

しかし、ながいもは雄株だけしかなく、しかも多品種との交雑によって種子が形成されないため新品種の育成が不可能でした。そこで、やまいも類の中でイチョウイモと呼ばれる粘り気の強い種類があり、しかもながいもとは逆に雌株だけしかないという性質に着目。

鳥取県園芸試験場は1990年よりバイオテクノロジーの技術を活かして、ながいもの花粉をイチョウイモに交配し、試験管培養によって20余系統の幼植物を育て、その中から形状が良く、粘り気の強い系統を選抜し、育成されたのが「ねばりっこ」です。

ねばりっこの特徴

「ねばりっこ」は鳥取県園芸試験場によって開発育成された新品種です。「砂丘ながいも」に比べ2〜3割小ぶりで短く、折れにくい性質です。そしてねばりが強く肉質が緻密で、果肉が白いのが特徴です。アクが少なく味はながいもより甘味とコクがあります。「ねばりっこ」はその特性を活かして麦とろ飯や磯辺揚げなど「砂丘ながいも」とはまた違った用途や味覚が楽しめます。

ねばりっこの栄養価
ねばりっこと砂丘ながいもの主な成分比較

ねばりっこは、砂丘ながいもとの主な成分比較において、タンパク質、炭水化物が約2倍多く含まれ、リン、鉄、カリウム、食物繊維がバランスよく含まれています。