仏事の知識(新生活)
仏事の知識
「新生活」について
本県群馬では、一般的な香典「新生活」について
第二次世界大戦が終わった直後、昭和20年代から30年代にかけて、「新生活運動」という住民運動が各地域に広がりました。敗戦直後は国内の社会が経済的に疲れきっていたこともあり葬儀の際の香典や香典返しについて、簡素化の動きが始まりました。各家庭ともまだ復興間際の経済的負担が大きく、「新生活運動」が引き起こされる原因となったと考えられます。
「新生活運動」の内容は地域によって多少の相違はありますが、おおむね次のような事柄が挙げられます。
「葬式の香典は金額を少なくして、香典返しは辞退するようにしましょう」
「お膳・会食の金額は幾らまでにしましょう」
要するに、生活の中の無駄や見栄を出来るだけ少なくし、虚礼的な贈答は廃止して生活そのものを簡素にしよう、また経費を削減するよう努めよう、というのが「新生活」の趣旨です。
しかし、日本が高度経済成長へと発展する過程で、新生活運動は少しずつ忘れ去られていったのでした。ただ、現在でも本県を含む関東北部など「新生活」の習慣を残している地域もあり、地方自治体単位で運動を推進している地域もあるようです。
「新生活」の受付で香典を渡す際には、「新生活運動の趣旨に添って、お返しを辞退いたします」と記した袋を用います。
地域によって「新生活」に沿ってお渡しする香典の金額は異なるようです。地域により不文律的に金額の「相場」が存在しているようです
高崎市の新生活運動では下記の行動を推奨しています。
葬儀の場合
・香典は、1,000円にしましょう
・お返しは辞退し、礼状のみ受け取るようにしましょう
・施主は会葬の御礼状を用意し、お返しは用意しないようにしましょう
・通夜では弔問者にお清め(カップ酒、砂糖等)は用意しないようにしましょう
病気見舞いの場合
・お見舞いは、1,000円にしましょう
・快気祝い(お返し)はしないようにしましょう
出典:新生活運動の推進/高崎市
その他、栃木県足利市、埼玉県入間市も新生活運動を推進しています。
上記に、「お返しは辞退し、礼状のみ受け取るようにしましょう」とありますが、群馬県内では一般的に新生活のお返しをご葬家が用意していますので、包む金額は地域相場を考慮することが必要と思われます。
本県群馬から、他県へ会葬に向かわれるときは、「新生活」が無い、また、他県から本県へ会葬に来ると「新生活」って何?というケースが見られますので、各地域の風習など良く確認することがよろしいかと思います。