
お客様が求めるお肉を届けたい。
畜産部 食肉センター

精肉店や飲食店に、能登牛・能登豚をはじめ国産牛・豚・鶏を販売するのが、わたしの仕事です。強みは食肉加工の現場で培ったノウハウですね。高校を卒業してJA全農いしかわに入会してから9年間は現場作業でスキルを磨いてきました。枝肉加工をしたり、店頭に並べるようにスライスしたりと、豚も牛も数え切れないほどのお肉をさばいてきました。その経験から断言できるのは、大きさやサシの入り具合など、一つとして同じお肉はないということ。培った目利きを武器に、千差万別、多種多様なお肉の中から取引先が求める食肉を届けたいとがんばっています。だからこそ、それを認められたときは自然と笑顔になっているかも。「おっ、分かってるね」「今回のすごくよかったよ」。そんな言葉をいただくたびに、さらに意欲がわきあがってきます。

入会5年目のときです。「豚部分肉製造マイスター」という資格を取得しました。これは豚枝肉をさばく技術、畜産に関する知識を測る資格で、当時は全国でも持っているのは150人くらいで、石川県には両手で数えられるほどしかいませんでした。そんなプロ中のプロの一人が直属の上司で、アドバイスをいただきながら、自分自身も取得をめざしました。業務外の時間にさばく練習をしたり、動画を繰り返しチェックしたり、畜産の専門書を読んだりと、当時はとにかく必死でした。これほど勉強したのは、中学・高校のときにはなかったかも(笑)。試験にかかる受講料や交通費を補助するなど、職場も応援してくれました。ですから、合格通知が届いたときは、思わずガッツポーズをつくっていました。
高校が食品化学コースで、ハムやベーコンづくりを経験する中で、食肉を加工する仕事に興味がわきました。先生が「渡邊はお肉屋さんっぽい」と言ったのも、背中を押してくれたのかもしれません(笑)。ですから、学校に届いた求人で、JA全農いしかわで食肉加工ができると知り、すぐに手を上げました。

とにかく明るいですよ。年齢は違っても、気さくで話しやすい方ばかり。しかも、「まずはやってみろ」とチャレンジを後押ししてくれる土壌もあります。枝肉をさばく現場作業中心の業務に加え、精肉の販売業務、いわゆる営業業務にも携わるようになったのも、自ら上司に相談したからなんです。能登牛や能登豚の魅力をもっと広めたいと思い、上司に相談したところ、「実は、渡邊には営業が向いていると考えていた。一緒にがんばろう」と言ってくれました。うれしかったですね。

能登牛・能登豚をきらり輝く全国ブランドにすることです。そのためには、流通網を広げなければならないし、生産数もさらに増やさなければいけません。それは、決して一人だけでは成し遂げられない目標です。農家さんやJAのみなさんとの協力が不可欠ですし、生産から販売まで幅広くかかわるJA全農いしかわも一丸になる必要があります。営業の立場としてブランド化にかかわり、一人でも多くの消費者に石川のお肉のおいしさを知ってもらいたいと考えています。






ぜったいに忘れてほしくないのが“チャレンジ”する気持ちです。社会に踏み出す就職活動は、人生の大きな一歩。それならば、目標とする道に果敢に挑んでください。失敗をおそれず、あきらめずに、トライし続けてほしいと思います。
