8年で30人が就農!「岐阜いちご」の担い手づくりを支援!
はじめに 岐阜県の園芸農業は、生産者の高齢化・後継者不足から、作付面積・生産数量ともに減少傾向にあり、とりわけイチゴはその傾向が顕著です。イチゴの生産振興を図るためには、新たな担い手として生産者を育成する必要があります。 そのためJA全農岐阜は、岐阜県をはじめ関係機関、団体の協力を得て「いちご新規就農者研修施設」を取得。平成20年度からイチゴの新規就農者研修事業を開始しました。 |
<岐阜県の「冬春いちご」生産状況>
<研修品種と定員>
対象品目:「冬春いちご」(品種:濃姫、美濃娘(岐阜県奨励品種))
岐阜県のオリジナル品種第1号の濃姫 | 第2号の美濃娘 |
研修生定員:4名/年
実績:平成20年~平成27年度の8期で30人の研修生が県内に就農
研修概要
苗を定植している様子
研修期間は4月~翌年5月の14か月です。4、5月に体験研修として先輩から生産圃場管理を引き継ぎます。その後、6月~翌年5月まで実践研修として、育苗から定植、収穫まで一連の作業を学びます。また、就農に向けて、農地の確保、施設の設計、認定新規就農者となるための手続きを県、市町村、JAの指導・支援を受けて進めていきます。
研修内容
<栽培技術>栽培管理
・一人当たり10aの生産圃場を担当 |
<栽培技術>収穫・調整
・栽培したイチゴを収穫し、パック詰めして出荷 ・イチゴは全てが手作業で熟練が必要 |
<栽培技術>ミーティング
・指導管理者から日々の指導を受ける
・毎日のミーティングで生育状況の確認、今後の管理方法の検討
・その日に生じた問題点の共有と解決策の検討、決定
<栽培技術>座学研修
・研修事項:生理生態・品種特性、経営管理、病害虫防除、栽培機器の取扱方法などを学ぶ ・実習との連動で知識を確かなものとする |
<就農準備>土地、施設の取得
・土地:JA、市町村、地域の生産者などの協力を得て確保
・施設:研修期間中に栽培施設の検討を行い、翌年4月以降に施設の建設を開始
・卒業後(6月)即、経営開始
<就農準備>就農支援会議
・土地・施設の取得、新規就農認定の申請に向け、就農地のJA、市町村、県農林事務所が一体となり、就農支援会議を開催して準備を進める |
<就農準備>新規就農認定の取得
・県農林事務所、JA、市町村などの協力を得ながら、新規就農認定を申請して、「認定新規農業者」となる
・「認定新規就農者」は就農後の経営安定をはかるための各種補助事業を受けることが可能
8年間の成果
卒業生30人が全員就農し、卒業生は地域農家の中核、リーダーとして期待されています。この「いちご研修事業」が先駆けとなって、県内各地で新たな新規就農支援事業が広がりつつあります。
<研修生の就農地域>
JA全農岐阜では、JAや岐阜県担い手サポートセンター、行政機関などと連携し、営農の定着、経営の安定化など、新規就農者へのサポートを行っていきます。