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豊かな自然で育てる奥揖斐の美しい花「久瀬小菊」をご紹介!

2020年09月18日
園芸販売課

■はじめに
小菊は仏花に欠かせない花の1つで、生花店だけでなく量販店でも見かける馴染みの深い花でもあります。
岐阜県内にも産地があり、揖斐川町久瀬地区では、「奥揖斐の花」といわれる「久瀬小菊」の生産が盛んです。昼夜の寒暖差と奥揖斐の豊かな自然で育まれた小菊は美しく、他産地より小ぶりなサイズが特徴で、人気があります。今回は奥揖斐が誇る花、小菊に焦点を当ててご紹介します。

久瀬小菊の歴史

豊かな自然に囲まれる奥揖斐の内容を表示

豊かな自然に囲まれる奥揖斐

久瀬小菊の歴史は1988年まで遡ります。当時の竹下内閣のふるさと創生事業の1つとして、久瀬での小菊の栽培がはじまりました。栽培にあたり小菊の産地である岐阜白鳥や福井大野を訪問し、小菊栽培について学びました。
その後、久瀬の気候や土土壌に合わせて栽培方法を改良していきました。2003年頃から本格的な共撰出荷が始まり、現在では県内有数の小菊産地となりました。

久瀬小菊の生産

小菊の圃場。奥揖斐で栽培することで農薬の使用を抑えられています!の内容を表示

小菊の圃場。奥揖斐で栽培することで農薬の使用を抑えられています!

久瀬小菊は、花の発色が良くきれいな葉が特徴です。夜温が低く昼夜の寒暖の差が、良質な小菊の栽培に適しています。また、小ぶりなサイズが仏花やセット花に用いやすく、市場や生花店から強い引き合いがあります。6月頃から12月頃まで出荷があり、年間で約42万本(令和元年度実績)を出荷。お盆やお彼岸に出荷のピークを迎え、生花市場を通じて中京や東京の生花店、量販店に並べられます。
生活に欠かすことができない小菊ですが、近年の生産者高齢化に伴い出荷量は減っており、産地ではピーク外で出回る数が少なくなる時期にも店頭に並ぶよう品種を選んで栽培を行うなど、安定出荷に取り組んでいます。市場からの久瀬小菊の評価が高い理由はこのように安定して高品質な小菊を出荷できていることも挙げられます。

祖父から受け継いだ農地で小菊を栽培する若手農家

出荷前の小菊。店頭に並ぶ際に花が咲くよう蕾の状態で出荷されます。の内容を表示

出荷前の小菊。店頭に並ぶ際に花が咲くよう蕾の状態で出荷されます。

奥揖斐の自然の中で育つ小菊の内容を表示

奥揖斐の自然の中で育つ小菊

選花される小菊。出荷前に大きさを揃えます。の内容を表示

選花される小菊。出荷前に大きさを揃えます。

若手農家の長屋さん。祖父から受け継いだ情熱を胸に産地を支えます!の内容を表示

若手農家の長屋さん。祖父から受け継いだ情熱を胸に産地を支えます!

久瀬小菊生産組合の長屋建志さんは、祖父から受け継いだ農地で小菊を栽培する若手農家です。長屋さんが小菊栽培をはじめたキッカケは小菊栽培に情熱をかける祖父の仕事を手伝ったことです。より良い小菊を作るために、奥揖斐の地に移り住み小菊と共に生活をしていた祖父の背中を見て就農を決意。長屋さんは受け継いだノウハウを生かして良質な小菊を栽培しています。
また、高齢化が進む産地で、他の農家から農地を譲り受けて小菊の栽培を継続するなど、産地維持にも貢献しています。小菊専業若手農家として今後、農業を働く1つの選択肢にできるように、短い時間で良いものを作ることを目標の1つに掲げています。
長屋さんは「産地を生花や野菜を作る1つの働く場所としてとらえてほしい」と後進に呼び掛け、「お墓参りなどで先祖を敬う気持ちとともに久瀬の小菊を供えてもらえたら」と笑顔で語りました。

今回は奥揖斐が誇る美しい小菊をご紹介しました。久瀬小菊をお彼岸のお墓参りなどの機会にぜひお供えください。