国内でも珍しい紫色のブロッコリーが出荷の最盛期を迎えています。
世界で唯一、岐阜県岐阜市の加藤哲也さんのみが生産・出荷している新品種「パープルリシャス」が、色鮮やかに圃場一面を彩っています。
この紫色のスティックブロッコリーは、全体が柔らかくアスパラガスに近い食感を持ち、加熱しても色が抜けにくいのが特徴です。
「パープルリシャス」は、アメリカのオハイオ州でリック・グラッツィーニ氏が生育。「観賞用でもあり、調理しても色が抜けない食材を作りたい」と、2008年から赤キャベツと緑のブロッコリーをかけ合わせる研究を始めました。かけ合わせた1,000本の株から高品質な株を選抜。この行程を10年間繰り返し、2018年にアントシアニンの色素成分が強い「パープルリシャス」を開発しました。
2022年に世界で初めて試験栽培・出荷を行った日本に次ぎ、2023年からオーストラリアでも試験栽培が開始されています。
栽培方法の確立と高値で市場取引を可能にするため、JAぎふとJA全農岐阜が協力体制の強化を図り、ブランド化に向けて取り組んでいます。
1月12日にグラッツィーニ氏がアメリカから加藤さんの圃場を訪れ、「パープルリシャス」の収穫を視察しました。通訳を交えてグラッツィーニ氏に品質確認や栽培について尋ねると、「想像していたより美しく、素晴らしいできだ」と称賛しました。
加藤さんは「開発のプロセスや栽培技術について聞ける良い機会を作ってもらえた。生育者の想いを受け継ぎ、高品質なものを生産・出荷していく」と笑顔を見せました。
現在は愛知・岐阜・三重のイオン約70店舗と三重県内のスーパーサンシで販売されていて、出荷は3月上旬まで続く予定です。
品質の確認をする加藤さん(左)、グラッツィーニ氏(中)、通訳の松井識樹さん
色鮮やかなパープルリシャス