「湘南ゴールド」の新たな活用 ~残渣で養殖したムラサキウニ実用化に向け研究~
2018年05月18日
神奈川県水産技術センターはムラサキウニに「湘南ゴールド」を窄汁加工した後の残渣を与えたところ、きれいなオレンジ色の身に育ったことから、商品化へ向け研究を重ねている。
天然のムラサキウニは身入りが悪く、食用としては利用されていなかった。また、ムラサキウニが海藻を食べつくす「磯やけ」原因の生物で駆除されているため、3年前より利用方法として野菜を餌とする養殖研究が開始された。
研究により規格外のキャベツを与えると、苦味や生臭さが少なく、甘味の強い身に身入りすることが確認された。しかし、1割程のウニの身でチョコレート色をしたものが発生した。
柑橘類には抗酸化作用があり、キャベツに加えて「湘南ゴールド」の残渣を与えたところ全てのウニの身が鮮やかなオレンジ色になった。
ムラサキウニの養殖は水温が17℃~25℃の5月~6月に行われ、この期間にキャベツと湘南ゴールドの残渣を与える。今回、全農かながわプロジェクト推進課から100kgの「湘南ゴールド」残渣を提供した。
プロジェクト推進課はムラサキウニ養殖の実用化に向けた取り組みが「湘南ゴールド」の知名度向上につながることを期待するとともに、今後も「湘南ゴールド」の活用の可能性を探っていく。
水産技術センターは今年の養殖実用化をめざしている。
「湘南ゴールド」残渣を食べるウニ
ムラサキウニにエサをやる水産技術センター臼井さん