神奈川県いちご栽培技術研究会を開催しました
2019年10月08日

神奈川県いちご組合連合会(事務局:JA全農かながわ)は8月22日、県農業技術センターで「いちご栽培技術研究会」を開催しました。イチゴ栽培における最新技術を学び、品質や収量向上を図ろうと生産者や県関係者ら67名が出席しました。
研究会では、宇都宮大学名誉教授 村井保氏が炭酸ガスを用いたハダニ防除装置の仕組みや効果について講演しました。イチゴの主要害虫ハダニは、農薬に対する抵抗性が発達しやすく、防除課題となっています。
村井氏は、ハダニ防除には炭酸ガスが有効であると述べ、自身が開発した防除装置を紹介しました。フィルムで密閉した空間に炭酸ガスを注入した後、定植前の苗を24時間放置すると抵抗性ハダニの成虫や卵をほぼゼロにできるそうです。
県内の実用例として、相模原支部の生産者 成井正志氏からは装置の使用効果について説明がありました。以前はハダニ発生の都度、農薬散布していましたが、部会で装置を導入して以来、農薬使用量の大幅削減につながり、省力・低コストを実現しました。観光農園を営むため、「農薬散布回数の削減で、青々とした葉色やイチゴ本来の甘い香りが守られ、お客様に心地よい環境を提供できた」とメリットを実感しています。
この他研究会では、イチゴ栽培に欠かせないミツバチの生育環境の整え方などを紹介しました。
同連合会事務局は、「今後も情報共有の場として各種研究会を開催する他、県産イチゴのブランド化に向けて県オリジナル品種の実用化を進めていく」と話しました。