県内初 和牛専用TMRセンター完成
2018年03月27日
JA全農ひろしまは、県内で初めて和牛専用のTMR(混合飼料)製造工場を三次市三良坂町に新設しました。2018年3月22日には竣工式と内覧会を行い、行政やJA役職員など関係者約80人が参加しました。TMRは稲WCS(稲の穀実と茎葉を発酵させた飼料)や飼料用米をトウモロコシなどの飼料原料と混合・発酵させて作る、牛にとって理想的な栄養バランスを備えた混合飼料。飼養管理にかかる労働力の軽減や生産コスト低減が図れるため、県の和牛生産の課題である小規模経営や生産者の高齢化などに対応すると期待されています。
同センターの投資額は約2億3000万円。延床面積1,020平方メートル、敷地面積7,426平方メートルで、製品置場や輸送トラックへの積み込み等を行う広さを備えています。2018年4月上旬から稼働を開始し、製造したTMRは全農ひろしまの実験牧場で1年間試験的に給与したあと、JA西日本くみあい飼料株式会社を通じて畜産農家へ供給します。2020年度の本格稼働を目指して製造量を徐々に増やし、最大時には12,400トンのTMRを製造・供給する計画です。
さらに、センターに隣接する旧七塚原青年の家の宿泊研修棟を、広島和牛の歴史を示す賞状や証書等を展示する「広島和牛歴史資料館」に改装。飲食店や量販店にブランド和牛の背景を紹介することで、ストーリー性のある販売の強化につなげます。
庄原市の木山耕三市長は「TMRセンター完成は大変喜ばしいことです。歴史ある比婆牛の増頭と品質向上に向け、引き続き関係機関と協力し取り組みます」と強調しました。JA全農ひろしまの水永祐治県本部長は「TMRの普及は水田フル活用に役立ち、稲作農家にとってもメリットがあります。地域農業維持につなげたいと考えています」と期待しています。