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第96回広島県畜産共進会(夏季枝肉の部)を開催しました

2020年08月06日

JA全農ひろしまは7月28日、広島市中央卸売市場の食肉市場で第96回広島県畜産共進会(夏季枝肉の部)を開きました。合計28頭が出品され、最優秀賞には三次市糸井町の大鎗賢壮さん(70)の出品牛「しげひさ」(雌)が選ばれました。

 

雌14頭、去勢11頭、参考3頭が出品され、全体の平均は、枝肉重量503.2キログラム、BMS(脂肪交雑)ナンバー9.5、ロース芯の面積78平方センチメートル、販売単価は1キログラムあたり2,272円(税別)。1頭あたり1,144,899円(税別)で取引されました。

 

最優秀賞に輝いた「しげひさ」は、ロース芯の大きさや、きめ細やかなサシ、歩留まりの良さ、枝肉の大きな重量を占めるモモの肉質の良さが評価されました。生産者の大鎗賢壮さんは「三次の牛で最優秀賞を受賞でき、非常に嬉しい。仲間に感謝したい。」と笑顔で話します。

 

今回の共進会には、TMR(完全混合飼料)を給餌して肥育した牛2頭が参考で出品されました。TMRとは、これまで別々に牛に与えていた飼料稲などの「粗飼料」とトウモロコシなどの「単味飼料」を混合発酵させて作られた飼料。栄養バランスの整った飼料のため、飼養管理にかかる労働力軽減や、生産コスト低減につながり、県の和牛生産の課題である小規模経営や生産者の高齢化などに対応できると期待されています。2頭の枝肉重量は、雌508.6キログラム、去勢651.2キログラムで、生産者の収支に直結する枝肉重量も十分確保されていました。また、県内で改良をすすめている「脂肪の質」の基準である牛肉脂肪中のMUFA(一価不飽和脂肪酸)値も高い数値を示しました。

 

全農ひろしまは、和牛専用のTMRセンターを運営し、TMRを製造しています。原料の飼料稲は、一部TMRを採食した牛由来の堆肥を利用して作られているため、庄原市を中心とした耕畜連携の取り組みにもつながります。現在は庄原市の生産者や全農ひろしま実験牧場へ試験的にTMRを供給していますが、今後は庄原市内での販売を開始し、将来的には県内外に販売することを目指しています。

 

全農ひろしまの水永祐治県本部長は褒賞授与式で、「新型コロナウイルス感染拡大により輸出やインバウンド需要が減少するなど、和牛相場は大幅な安値となる厳しい現状にあるが、和牛のおいしさ、付加価値の向上を図り、新規就農者や既存農家の事業継続のための環境づくりに取り組む」と力強く話しました。

 

 


▲最優秀賞を受賞した「しげひさ」(雌)と生産者の大鎗さん