広島大学×JA全農ひろしま鶏ふん堆肥有効活用へ 2年目となる共同研究を開始
2023年06月06日
JA全農ひろしまと広島大学は5月中旬、三原市高坂町の試験圃場「全農チャレンジファーム広島三原農場」で、水稲栽培における鶏ふん堆肥の有効活用を目的とした研究を始めました。共同研究を行うのは2年目。今年度は、温室効果ガスによる環境への負荷(地球温暖化)の軽減についても調査します。
採卵鶏の飼養羽数が全国5位の広島県では、年間40万㌧の鶏ふんが発生しています。一方で化学肥料の高騰や原料の大部分を輸入に依存していることから、国内資源である鶏ふん堆肥を水稲栽培に有効利用しようと昨年度から共同研究を始めました。
2022年度は、鶏ふん堆肥を10㌃あたり0㌔、200㌔、400㌔、600㌔、800㌔、1㌧施用する試験区を設け、鶏ふん堆肥の施用量が水稲の生育や収量、養分吸収量、米の品質に及ぼす影響について調べた結果、10㌃あたり600㌔が最も収量や品質が安定する施用量だったと報告しました。23年度は連用の影響も調査していきます。
また、温室効果ガスによる環境への負荷軽減を目指し、今年度新たに人為起源で問題となっている水田からのメタンの発生抑制について研究します。中干し期間を1週間程度延長することでメタンの発生を抑制できるが、同時に生育や収量にも影響するため、この中干し期間の延長が稲や鶏ふんの肥効にどのような影響を与えるのかを調査していきます。
同大学大学院生物生産学部の長岡俊徳准教授は「農業を通して、気候変動及びその影響を軽減する対策を行い、持続可能な開発目標(SDGs)に貢献していきたい」と力を込めて話しました。
鶏ふん堆肥を散布する様子(三原市で)