猛暑に負けない技術の取得へ 夏場のホウレンソウ栽培に向けた現地検討会
2023年08月14日
広島県園芸振興協会は7月下旬、ホウレンソウや小松菜などを栽培する「やじるしや」の圃場で軟弱野菜栽培における昇温抑制技術の現地検討会を開催しました。生産者やJA、行政関係者ら約60人が参加。
夏場のホウレンソウ栽培は猛暑などの影響で、品質および生産量の低下がみられるため、高温対策が急務な状況。昨年、県立総合技術研究所農業技術センターで行った試験では、①ハウス内換気促進②自動調光③細霧冷房の技術を用いることで、一般的なホウレンソウと同等のサイズまで成長し、夏場でも栽培が可能であることが証明されました。
検討会では、今年から同技術を用いて試験栽培をしている「やじるしや」の圃場を視察しました。7月下旬の試験区の最高気温は34.5度と、慣行区より3.0度低下がみられました。同協会は引き続きハウス内の環境測定を行うとともに、生育中期と収穫期には生育調査を実施します。収穫後は収量や経済性などを評価したうえで、生産現場への普及を検討していきます。
同協会軟弱野菜品目部会長でJAひろしま庄原地域本部営農経済部の池上徳明課長は「夏場のホウレンソウ栽培が困難であった地域でも可能になるすばらしい技術。生産現場に普及し、一層の産地振興につなげたい」と話しました。