三重県和牛繁殖協議会の視察研修会と意見交換会を開きました
三重県和牛繁殖協議会(事務局=JA全農みえ畜産課内の公益社団法人全国和牛登録協会三重県支部)は8月22日、名張市内で2024年度県内農場視察研修会と意見交換会を開きました。
同研修会の開催は今年で5回目。生産者やJAグループ、県関係機関、畜産団体などから28人が参加しました。協議会会員生産者の農場視察、和牛生産基盤の強化に向けた課題共有と意見交換を行いました。
視察研修会では、奥田能己さんが経営する奥田ゴールドファーム(株)第2牧場を訪問しました。同社は、和牛一貫経営を行い、地域の企業・耕種農家と連携し循環型農業に取り組んでいます。和牛生産用母牛約80頭、肥育牛を含め計500頭を飼育しています。
参加者は、繁殖牛や育成牛、哺育牛の各牛舎や飼料の撹拌機を視察。奥田さんは、循環型農業をめざした自給地域飼料の配合や牛の健康に注目した肥育法などの工夫について説明しました。
意見交換会では、事前に協議会で取りまとめた現場での課題や県に対する要望について、県関係機関と共有し意見を交わしました。
飼料価格高騰緊急対策事業に関する要望をはじめ、家畜人工授精師・受精卵移植師免許講習会の継続開催や、余剰堆肥の活用、牛肉需要拡大に向けた取り組み、EBL等の感染症への対応、各種補助制度の情報提供要望の6事項について活発に意見を交わしました。
協議会事務局の全農みえ畜産課担当者は、「飼料価格の高止まりや枝肉相場の低迷等、和牛情勢は逆風となっており、県内生産者の経営は厳しい状況となっている。意見交換会は、生産者の課題や要望を現場の声として行政へ届ける良い機会になった。今後も生産者、JAグループ、関係機関が一丸となり、生産者の繁殖技術と経営の向上、県内の繁殖基盤強化につなげたい」と話しました。