三重の特産品

みえのお肉に注目!

その味のすばらしさから “肉の芸術品”と称される松阪牛は、三重が全国に、そして世界に誇る銘柄牛です。「この世界ブランドに続け!」と、三重の豊かな自然のなかで、すばらしい畜産銘柄の数々が育まれています。

世界のブランド 松阪牛

優れた資質と行き届いた飼養管理で、日本一の肉牛と認められる松阪牛。その味のすばらしさは「肉の芸術品」として全国、世界から賞賛を得ています。

松阪牛の定義は?

黒毛和種の未経産の雌牛で、生後12か月齢までに松阪牛生産区域(旧22市町村)に導入され、「松阪牛個体識別管理システム」に登録した優良素牛であり、肥育期間が最長かつ最終地であることです。

特産松阪牛の定義は?

松阪牛の中でも、兵庫県産雌牛を導入し900日以上肥育した牛をいいます。

松阪牛の歴史

古来、温順な性格と役用能力が高く評価されていた但馬牛は、江戸時代には近畿一円で使われるようになります。
この時代、牛といえば田畑を耕したり荷を運んだりする使役牛のことで、よく働く牛は農家の宝物とされていました。松阪地方へは紀州で1~2年、役利用を兼ねて育てられた牛が運ばれ、温暖な気候や澄んだ水、豊富な山草などに恵まれてりっぱに成長していきました。
肉牛生産を意識した肥育が松阪周辺で始まったのは、牛の需要が増大した日露戦争のころです。農耕用として3~4年使うと「野上がり牛」として、麦・米ぬか・わらなどを与えて「太牛」に育てるようになりました。
素牛としての但馬牛が優れた資質をもっていたことで、松阪地方で肥育された太牛も良質肉牛として市場で歓迎され、その後も農家の努力で松阪地方の牛はその評価を高めていきました。
1935年(昭和10年)、東京で開かれた初めての全国肉牛品評会「全国肉用畜産博覧会」で、並みいる銘柄牛のなかで堂々、名誉賞を獲得。松阪牛の名を一気に全国に広めていったのです。

手塩にかけ育てられる松阪牛

全国の産地から厳選した生後7か月から8か月の雌を導入し、長期間、農家が1頭1頭、手塩にかけ育てあげます。えさは、稲わら、ふすま、大豆粕、大麦などを配合したものを与えています。牛の血行をよくし、皮下脂肪をまんべんなくつけるために、農家によってはマッサージなどをおこなうこともあります。

トレーサビリティをいち早く導入

松阪牛の生産から出荷までのデータを一元管理し、その情報を公開する「松阪牛個体識別管理システム」を2002年、全国に先駆けて導入しました。
牛の個体情報(個体識別番号、出生地、飼育場所、牛の写真、名前など)や農家情報などを、牛肉に添付された「松阪牛シール」の個体識別番号から検索し、確認することができます。

女王の座を競う共進会

毎年11月に開かれる松阪肉牛共進会は、その年の松阪牛のチャンピオンを決める品評会です。
第1回の開催は1949年(昭和24年)。回を重ねるごとに農家の肥育技術が向上し、りっぱな牛が多数出品されるようになりました。現在は、予選会を勝ち抜いた牛のみが出品されます。
あわせて開かれるせり市では、毎年、高値をつけ、確固たる評価を得ています。
2002年(平成14年)の第53回共進会では、優秀賞一席の牛が史上最高の約5,000万円でせり落とされました。

肉の横綱 伊賀牛

伊賀忍者の里として知られる伊賀地方。盆地特有の気候・風土と長い歴史がつくりあげた伊賀牛は、「肉色鮮やか初霜の如し 食して柔らかく風味よし」とうたわれ、松阪牛と並び称される銘柄牛です。

伊賀牛のルーツは?

鎌倉時代末期より和牛は役利用され、牛の産地として1310年の『国牛十図』に、大和牛として伊賀牛は記されています。
日露戦争後の1905年(明治38年)、伊賀から東京へ初めて肉牛を出荷。以降、肉牛の積み荷は年々増え、伊賀牛の名声もしだいに高まり、現在の伊賀牛の基礎を築きます。
昭和初期から同20年代にかけては、気候や水に恵まれた伊賀の土地で肉牛の素牛として育てられ、松阪や近江方面に出荷されていました。

美しい自然の里で育まれる伊賀牛

伊賀地域は四方を山に囲まれた盆地で、昼夜の気温差や布引山脈の良質な水などの条件が牛の肥育に適しています。
子牛は兵庫や岩手、岐阜、九州各地から導入し、約2年間、農家が丹精して育てあげます。全頭、厳選した血統の黒毛和種の未経産雌牛であることや、最長飼育地が伊賀地区であることなど、銘柄の定義は松阪牛とほぼ同じ厳格なものとなっています。

牛舎で一頭まるごと取引

伊賀地域は牛肉の消費量が多く、伊賀牛も地元消費がほとんど。
伊賀牛の大きな特色が生体取引です。精肉店や家畜商は、枝肉の状態で買うのではなく、牛1頭を生きたままの状態で買うというもの。購買者みずから肥育農家の牛舎まで出向き、一頭一頭吟味のうえ買いつけます。
生産者や流通経路が明確であることはもちろん、販売する牛肉が、どんな環境で、どんなえさを食べて、どのように育った牛なのかを販売店で把握でき、安全で安心な牛肉を消費者に届けています。
また、年に数回、多数の伊賀牛を集めてせり市を開きます。なかでも秋のせり市では、あわせて共進会も開催し、その年のチャンピオン牛を決定します。

本物の証

巻き物をかたどった伊賀牛認定店看板は、直接、牛舎まで出向いて伊賀牛を買いつける販売店にのみ与えられるものです。JA、全農などで構成する伊賀産肉牛生産振興協議会が認定し、良質な伊賀牛の販売振興に努めています。お買い求めの際は、この認定看板が目印です。

美(うま)し国、美味(うま)し肉 「伊勢うまし豚」

伊勢うまし豚

三重から全国に発信するおいしい豚肉をつくろうと、「伊賀豚」「松阪豚」「鈴鹿高原豚」の県内3銘柄豚の生産者が結集し、2002年、統一ブランド「みえ豚」が誕生しました。
この「みえ豚」の飼料配合などにさらなる改良を加え、2016年に誕生したのが「伊勢うまし豚」です。

産地
三重県内指定農場
品種
LW×D または WL×Dの三元豚
※L…ランドレース種、W…大ヨークシャー種、D…デュロック種

おいしさのひみつ

豚肉のおいしさは、豚の健康と食べるえさによって決まります。
「伊勢うまし豚」は、次の3種類のいいものをえさといっしょに食べて育ちます。豚肉の臭みが少なく、やわらかい肉質と甘みのある脂が自慢です。

新姫(にいひめ)

地元、三重県熊野市で発見されたかんきつで、スダチやシークワーサーのように酸味が強く、さわやかな香りが特徴です。高血圧抑制、コレステロール低下、アトピー性皮膚炎などへの抗アレルギー作用があるとされるヘスペリジン、ガンの予防や血糖値の上昇を抑制する効果があるとされるノビレチレンを多く含みます。この「新姫」の乾燥した皮をえさにブレンドしています。

木酢酸(もくさくさん)

広葉樹皮を原料とする炭素粉末、そして、木を炭化させたときに発生する煙を冷やしてつくる木酢液。この木酢液を炭素粉末に混ぜたものが、「木酢酸」です。木酢酸を豚に与えると肉質と脂質がよくなり、動物臭を抑える働きがあります。

アマニ油

アマ(亜麻)の種子からとれる油で、体内ではつくることができない必須脂肪酸のひとつ、オメガ3脂肪酸の「α-リノレン酸」を多く含みます。摂取すると、一部は体内でEPAやDHAに変換され、血中コレステロール低下、血栓予防や血流の改善に効果があるとされます。

全国にはばたく三重の銘柄鶏 伊勢赤どり

三重県を代表する銘柄鶏として、県内の指定農場で育てられています。伊勢赤どりの商品は、このマークが目印です。

ワンランク上の鶏肉を

一般のブロイラーよりワンランク上の地鶏にも引けをとらない鶏肉をつくろうと、レッドブローという鶏種を導入し、開発したのが「伊勢赤どり」。銘柄鶏として全国の先駆けとなりました。

おいしさへのこだわり

三重県内の限定された生産者が、みなさまに安心して食べていただける鶏肉をつくるため、飼料には肉の臭みを抑えるといわれる木酢酸を加え、日々、鶏の健康状態に注意しながら、「おいしくなれよ!」と愛情込めて大切に育てています。